大阪府が春から始める「先生の通信簿」生徒・保護者の採点で決まる評価や給料

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   昔の古き良きマスメディア時代とは違って、今日のネットの世界は相当なフィードバック化が進んでいる。ある発信に対して、即座に反応する仕組みが整い、盛んに行われている(本来はそれによって、何かよりよいものが生まれるはずなのだが、現実には残念なことに、むやみやたらと憎しみを循環させているケースが多々見られる)。

   そして、かつてはフィードバックなどとはまるで無縁と見られた古い世界でも取り入れられつつあるようだ。「クローズアップ現代」によると、学校の生徒にアンケートなどを行って教師を評価させる、いわば「先生たちの通信簿」をつけさせる学校が増えている。それによって授業の問題点などを把握し、学力ならぬ教力向上に生かそうという狙いで、超権威主義の教師でもなければ、そんなに異論はないだろう。

   しかし、そのフィードバックが教師の収入やクビまで左右しかねないとなるとどうだろうか。

実験校教師「むずしい試験問題出すと生徒ウケ悪くなる」

   大阪府は当時の橋下知事の政策によって、来年度(2013年度)から公立の全小中高校で生徒(小中は保護者など)によるアンケート評価を実施するという。それを教師たちのボーナス査定や人事評価に組み入れ、さらには総合評価で2年連続最低ランクになるとクビの可能性まである。

   導入に先駆けて、この評価方法を試験的に行った高校では、教員から生徒ウケと教育の両立に対する不安の声が聞かれた。「労働者としては給料を考えなければいけないが、生徒に迎合はしたくない」「むずかしい試験問題を出すと評価が下がるかもしれないと気にしてしまった」「適正な評価はむずかしいのではないか」などである。

   しかも、肝心の授業力の評価は「授業内容に興味、関心を持てた」「知識や技能が身に付いたと感じる」のたった2つの質問で判定されてしまう。これでは評価されるほうが少々気の毒な感じである。教育問題に詳しい山下晃一・神戸大学大学院准教授も「これだけで授業をすべて評価されていいのか、評価できるのか」と疑問を呈していた。

ボンド柳生

NHKクローズアップ現代(2013年1月15日放送「生徒がつける『先生の通信簿』」)

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