2024年 4月 26日 (金)

<つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語>
10キロ減量の阿部寛、小泉今日子と荻野目慶子の乱闘、岸谷五郎と野波麻帆の濡れ場…見どころ満載なのに感情移入できん!

(C)2013「つやのよる」製作委員会
(C)2013「つやのよる」製作委員会

   艶という女と伊豆大島に駆け落ちした松生春二(阿部寛)は、奔放な彼女の不貞に悩まされてきた。そんな艶が病に冒され昏睡状態となる。松生は艶が息を引き取る前に艶の過去の男たちと連絡を取り、艶に対する彼らの愛と自分の愛の深さを比べてみたいと思いつく。

細切れエピソードで2時間以上は長くてツラい

   阿部寛の脇を固めるのが大竹しのぶ、風吹ジュン、小泉今日子、真木よう子、野波麻帆らで、豪華な役者陣に期待して見に行ったのだが、「なんだかなぁ…」とザンネンな気持ちで劇場をあとにした。なんか惜しいんですこの作品。それはなぜかと考えてみたのだけど、まず5つの話に小分けされたオムニバス形式だったということが一つ。

   艶の危篤の知らせを機に、過去の男たち(初体験の男や元夫、恋人など)と現在の彼らと関係のある女性たちの間に波風が立つ。そこに今度は女性たちを主軸に、愛憎交えた5つのドラマが繰り広げられるのだけど、それぞれの人物像の掘り下げ方が足りなくて、どの女性にもイマイチ感情移入できない。しかも、エピソードは5つもあるから、最初から最後まで見ると2時間以上の長さで、正直、長すぎて疲れてしまった。

話のタテ糸見えず最後までバラバラ

   点と点の各エピソードも最後は線として繋るのかと見ていたが、それもなくジ・エンドというのも腑に落ちなかった。女たちの嫉妬の対象となっている艶も、最後までベッドで寝ている姿が首から下、もしくは引きの構図で映されるだけで、顔をいっさい出さず、結局、男も女もいったいどんな女に振り回されていたかということがわからなくてモヤモヤ。もちろん意図的にそうしているのだろうけど、その手法が決して成功しているとは思えなかった。

   10キロ以上減量して妻を失いかける夫の狂気を演じた阿部寛、妻と愛人の修羅場シーンで赤ワインを掛け合いながら派手に罵り合う小泉今日子と荻野目慶子、岸谷五朗と野波麻帆の濃厚ラブシーンなど、映画だからこそ見られるシーン、俳優陣の高い演技力があったからこそ成立していたシーンがいくつかあったが、これがせめてもの救いである。役者の人選を誤っていたら、もっと無残な結果になっていたかも。

バード

おススメ度:☆☆

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