2024年 4月 26日 (金)

日本語大丈夫か!「オノマトペ」ガンガンずんずん増殖中…論理より情感コミュニケーション

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   「ぱみゅぱみゅ」に「じぇじぇじぇ」――いまオノマトペが日本でガンガンずんずん増殖中らしい。オノマトペとは、日本語で言うところの擬音語、擬声語、擬態語をひっくるめた言葉(フランス語)で、日本には5000語以上のオノマトペがあるという。たとえば、がっつり、ぷるぷる、ぽってり、ふわふわ、ぎゃあぎゃあ、おいおい、などである。

   「感触、感覚、情景をいとも簡単に短く直感的に伝えられる」(国谷裕子キャスター)利点があり、あのどっしりお堅いイメージのある国会でもオノマトペの使用が年々歳々どんどん増えているそうな。

コンビニ売れ筋商品名は「もちっと」「もちもち」

   オノマトペはマーケティングにも欠かせない。コンビニ業界には「魔法のオノマトペ」があるそうだ。「もちっと」と「もちもち」で、これが商品名につくだけで売れると言われているという。スポーツの世界にも「オノマトペの魔術師」がいる。「なんかポンポンポンって飛んでんじゃん。もっとグイグイグイってしてみろ」。強豪大学陸上部の監督による走り方の指導である。

   そんなやり方は昔からあって、理論的じゃないと批判されてきたじゃないかと思うかもしれないが、オノマトペに詳しい小野正弘・明治大学教授はこのケースをこう解説する。「(指導のための)論理が先にあって、その後でオノマトペによる指導にたどり着いているんですね。監督と選手との間に信頼関係があり、それによってオノマトペが高い効果を上げているのだと思います」

論理の言葉と情感の言葉が両輪になれば表現力もっと高まる

   今回の放送では随所にオノマトペを使用していたが、NHKや新聞などでも今後はオノマトペがどばっと増えていくのだろうか。従来、マスコミではオノマトペは安易で幼稚で曖昧な言葉と見なされており、一般的には原稿にオノマトペを使うなんてトンでもないと考えられている。この点に関しては、国谷キャスターもどちらかと言えばオールドスクールなのかもしれない。「曖昧な言葉であるオノマトペばかりが広がっていくと、論理的にハッキリものを言うことが劣化する、あるいは、それが衰えている証拠ではないかとの見方もできませんか」と小野教授に尋ねたときには、なんだか実感がこもっているように見えた。

「それは鋭い指摘ですが、オノマトペが多すぎるとなれば、今度は論理的な言葉が増え、またその質も上がるかもしれません。情感の言葉であるオノマトペと論理の言葉が車の両輪のようになれば、表現力がどんどん高まっていくのではないでしょうか」(小野)

ボンド柳生

NHKクローズアップ現代(2013年6月11日放送「『ぱみゅぱみゅ』『じぇじぇじぇ』~オノマトペ大増殖の謎~」)

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