2024年 4月 27日 (土)

小泉元首相「脱原発」ワンフレーズ遠吠えじゃないだろな!安倍首相に直接会え

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三谷幸喜「清州会議」よくできているけど…黒澤明を越えたは大袈裟だよ

   昨夜14日(2013年11月)、友人と会う約束をしていたが、彼の奥さんのほうに不幸があったというので急遽キャンセルになった。そこで、見ようと思っていた映画「そして父になる」に行きたいと思って探したが、新宿ピカデリーでは16時の回で終わりになっていた。何かないかと探していたら、『週刊新潮』の福田和也氏のコラム「世間の値打ち」で三谷幸喜監督の「清洲会議」を絶賛している。

   <黒澤明の戦国物を凌駕した最高のエンターテイメントと評価されるべき作品です>とまでいっている。私は福田氏の映画を見る目を信じているほうである。これまで彼が賞賛してる映画を見に行ってがっかりしたことはほとんどない。それに、清洲城は以前に信長と今川義元が雌雄を決した桶狭間の戦いを調べに行ったときに立ち寄り、古の信長の野心に心を馳せたことがある。これは見に行かなくてはと、あわててオンラインで6時05分の回の予約を取って出掛けたのだが、館内は木曜日の夜というのにガラガラなのは、はて、どうしたのかと気にはなった。

   信長が本能寺で明智光秀に殺され、織田家の跡継ぎをどうするかという「評定」が行われる。役所広司演じる柴田勝家と大泉洋演ずる羽柴秀吉が互いに主導権を取り合い、丁々発止の駆け引きをするというお話なのだが、始まってすぐウトウトしたためか(このところどんな映画を見ても最初のほうで寝てしまうのだ)、織田家の行く末を決するという緊迫感や秀吉の天下統一にかける野望が、さほど伝わってこないのである。

   大泉はよく演じている。秀吉の妻・寧役の中谷美紀も百姓女を骨太に演じていたし、佐藤浩市は煮え切らない役を過不足なく演じてはいたが、映画的なスケールに乏しい。これは舞台で演るもので、わざわざ映画にしたのはなぜなのかと思わざるをえない。私には、福田氏のように、ユーモアもペーソスも感じられなかった。

   館を出て新中野へ出た。無性に燗酒が呑みたくなって、駅近くの「平田屋」という串揚げの店で、一合380円の酒と6本セット480円の串揚げを頼んで、チビチビやりながら映画のことを考えてみたが、どうしてもあの映画が黒澤以上だとは思えないという結論に変わりはなかった。

スポットライト症候群でも小泉発言支持!正しいことは正しい

   さて、このところ小泉純一郎元総理の「脱原発発言」が大きく取り上げられているが、週刊新潮は「原発メーカーを連れたツアー」で脱原発とは片腹痛いと批判している。小泉はフィンランドの高レベル核廃棄物最終処分場「オンカロ」を視察して脱原発へと舵を切ったそうだが、同行したのは三菱重工、日立、東芝などの原発メーカーであった。それは、小泉が顧問を務める「国際公共政策研究センター」というのが、経団連の奥田碵元会長が呼びかけてトヨタやキャノン、東京電力などが出資している団体で、その中に先の原発メーカーも入っているからだ。

   原発メーカーに金を出してもらっているのに脱原発とはいかがなものかといいたいのだろうが、私はそれでも、正しいことは正しいといえる小泉のほうを応援する。だが、この人の難点は、ワンフレーズだけいって、その後は知らん顔するところである。週刊新潮では、精神科医で京都大学非常勤講師の片田珠美氏がこう話す。

<「昔のようにスポットライトが当たらなくなると、かつての成功が忘れられず、今度は脱原発という新しいワンフレーズでもう一度注目を浴びようとしているように思えます。
 一般的にスポットライト症候群と言うのですが、これは常に注目を浴びていないと気が済まず、自己愛が異常に強いことが特徴です。よくあるのが芸能人ですが、このタイプの人が組織にいると、いわゆる『困った人』になるのです」>

   週刊新潮の考え方は、日本経済のために原発再稼働やむなしというところにあるようだから、小泉の発言にケチをつけたいのだろうが、私は小泉発言を支持したい。小泉が本気でそう考えるのなら、安倍首相に直接会って考えを伝えるべきであろう。安全なところにいて『遠吠え』するだけでは、みのもんたと同じスポットライト症候群だといわれても仕方ないところもある。

伊勢海老の殻にロブスター詰めて偽装!騒動であぶりだされた「日本人は舌もブランド頼り」

   食品偽装がまだまだ広がりを見せている。消費者庁はリッツ・カールトン大阪に景品表示法違反で立ち入り検査に入ったが、『週刊ポスト』の「悪徳レストランが使っている食品偽装『悪魔の辞典』」によれば、景品表示法違反に問われたとしても行政法で措置命令が出されるだけで、刑事罰が下される不正競争防止法が適用される可能性はないという。

   JAS法はメニュー表記を対象にしていないため、ほとぼりが冷めればまたやり始める可能性は高い。たとえば、「鮮魚」という表示は冷凍保存したものも含まれる。半年以上前に冷凍保存したものでも「旬のカキフライ」と謳ってもJAS法にはひっかからないのだ。「朝採れレタスのサラダ」と書いてあっても、「今朝」と明記してなければ、何日も前に採れたものでも不当表示にならないようである。

   これでは何を信じていいのかわからなくなる。週刊ポストによれば、伊勢エビは食材きっての『変装の達人』で、味の濃いソースをかけられたり、伊勢エビの殻の中にロブスターの身を入れられると素人では判断がつかないという。毛ガニと称して価格が10分の1程度のクリガニも代用品として流通している。ズワイガニも高級なのはオスのほうで、安価で味の劣るメスを酢の物や茶碗蒸しにして出すところも多いそうだ。

   フカヒレは春雨などで安価につくられた『人工フカヒレ』が流通しているという。私が好きなフォアグラも悪質な別物が流通していると、食品添加物評論家の安部司氏が語っている。

<「フォアグラは本来ガチョウや鴨の肝臓を肥大させたものですが、ニワトリのレバーペーストと脂を固めて作った偽物が出回っています。本物を何度も食べたことがない人には判別できないレベルです」>

   結局、今回の騒動があぶり出したのは、日本人がブランドに弱く、本物と偽物を見分ける舌を持ち合わせていないという皮肉な『事実』である。よくいわれるように、目隠しをして高いワインと安ワインを飲ませたり、高級ステーキ屋とスーパーの肉を食べ比べさせると、多くの場合、安いほうが旨いという結果が出る。日本人の多くは味にカネを払っているのではなく、ブランドや雰囲気にカネを払っているのである。

世界最高の論客ノーム・チョムスキー「軍事的視点から見た場合、中国は何の脅威もありません」

   『週刊現代』の「世界の知性に聞く」シリーズが好きだ。日本の週刊誌のよさというのは、死ぬまでSEX特集がある中に、こうした硬派記事もしっかり載っているところである。こういう週刊誌は他の国にはないであろう。

   今回は第5回。『世界最高の論客』といわれるノーム・チョムスキーMIT名誉教授の登場である。氏はメガバンクが破綻して、再び世界金融危機がやってくると語っている。

<チョムスキー もちろん、再び起きると思います。08年秋の金融危機に対しては、その場凌ぎの解決策は講じられていますが、根本的な問題は、依然として解決されていないからです。
 世界的金融危機の火蓋を切ったアメリカでは、銀行を規制する法案が議会を通過しましたが、ロビイストたちから徐々に骨抜きにされています。「ニューヨーク・タイムズ」によると、ロビイストたちが、金融規制を弱めるために、法案の一部を書き換えさせたそうです。このようなことは、ワシントンでは日常的に起きています。
 選挙という問題もあります。アメリカの選挙は莫大な企業献金に頼っており、議員は退職後の就職先も考えなくてはならないため、企業の要求をのむ行動をしてしまいます>

   中国の軍事的脅威に対してはこう答えている。

<チョムスキー 軍事的視点から見た場合、中国は何の脅威もありません。まだ「アメリカの足元にも及ばない」段階です。
 中国の目的は、交易路である自国周辺の海域をコントロールすることです。この海域は、日本や韓国、台湾、さらにはその背後にいるアメリカという『敵国』に囲まれているため、中国は防衛目的から、海域をコントロールしたいと考えているのです。
 一方、アメリカは、中国の海域に自由にアクセスしてコントロールしたいと考えています。
 しかし、それは不均衡なことではないでしょうか。カリフォルニア沖では、中国沖で起きているようなもめ事は起きていないのですから。
 数年前、米中間で対立が起きた時のこと。アメリカは空母ジョージ・ワシントンを中国近海に送りましたが、中国側の主張によれば、空母には北京を攻撃できる核ミサイルが搭載されていました。アメリカは当然そうする権利があると考えていたのです。
 しかし、もし逆に、中国がワシントンを攻撃するような核ミサイルを搭載した空母をカリフォルニア沖に配備したとしたら、アメリカはどう対応するでしょうか? おそらく戦争を起こすでしょう。  このように、アメリカには非常に根強い帝国主義的傲慢さがあるのです>

   アベノミクスについては、壮大な実験をやっていると見てはいるが、成功するか失敗するかはまだよく見えてこないと語っている。

非常食ミシュラン堂々の1位!「美味しい備蓄食 缶入りソフトパンオレンジ味」

   『週刊朝日』が「非常食ミシュラン」をやっている。首都圏を襲う大地震が起きるのも近いといわれている昨今、いい企画である。料理、栄養、防災の専門家と週刊朝日編集部が選んだBEST5を見てみよう。

   1位は「美味しい備蓄食 缶入りソフトパンオレンジ味」。おいしいという商品名に偽りなしだという。価格は400円前後で賞味期限は3年1か月。

   2位は「美味しい防災食」、3位は「キーマカレー」、4位は「ベイク〈ショコラ味〉(缶)」、5位は「マウンテンハウス パスタ・プリマヴェラ」だった。これなどは賞味期限が約25年だそうだ。さっそく買って味見をしてみるか。

死亡説もあった創価学会・池田大作名誉会長3年半ぶり表舞台!いきなり「後継者」更迭

   反創価学会雑誌・週刊新潮に池田大作名誉会長(86)が「復活した」という記事が載っている。この3年半ほどは消息が伝えられなくて、そうとう重い病気ではないか、死亡説まで流れた池田が、11月5日(2013年)の総本部の「落慶入仏式」で導師を務める姿が、機関紙『聖教新聞』に掲載されたのである。

   週刊新潮が取材したところ、復活したのは間違いないとしている。しかも、池田の意向で後継者と見られていた谷川佳樹事務総長が外れて、教団ナンバー3の正木正明理事長が次期後継者に指名されたというのである。ドンの復活で創価学会がどう変わるのか、注視していきたい。

   今週の週刊現代、週刊ポストの軟派記事は、週刊現代が「SEXは『知識の総量』で決まる」、週刊ポストは「自分史上最高のSEX」である。残念だが、どちらも読む気を起こさせないタイトルである。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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