2018年 8月 22日 (水)

ポエム化する日本―聞き心地いい言葉の羅列で「みんな幸せになろう」甘すぎないか?

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   いま日本は「ポエム化」してるそうである。ここで言うポエムとは、夢を持って、みんなを幸せにしてナンタラといったふわっとした前向きな言葉の連なりで、「クローズアップ現代」によると、とくに先行き不透明な若者が「ポエム」を好んでいるらしいという。

   そんな若者が多く参加してるらしい「居酒屋甲子園」なる催しの映像がフィーチャーされた。居酒屋経営者が共同設立した団体が定期的に開催するもので、いまや1400店舗、従業員2万人が参加する一大イベントだそうな。同種のイベントはパチンコ、介護、歯科助手、温浴施設、エステといった業界にも広がってるそうな。

   参加者はプレゼンで居酒屋で働くことの夢と誇りと喜びを、ときに切々と、あるいは涙ながらに、さもなくば絶叫しながら、ポエティックかつ熱く歌い上げる。そしてその感動力を競うという。

裏にある醜い現実覆い隠し、見て見ぬふり

   さて、このごろの「クローズアップ現代」は社会現象を肯定的に取り上げることが多い。その伝で行くと、今回も「社会を変えるポエムの力」「人を動かすポエムの力」などと銘打ってもおかしくなかったが、「ポエム化」に対しては懐疑的、批判的な目が向けられ、スタジオゲストの人選やコメントにも、そうした色が濃く表れていたようである。

   「不透明な社会を覆うやさしい言葉」は不都合な真実を覆い隠したり、「職場の問題が見えにくくなっているのではないか」(国谷裕子キャスター)といった危険性がある。

   「(職場では)やりがいだけではなく、組合活動や残業代の請求など、労働者としての自覚を持つことが大事だ」「オトナには(ポエムを)文字通り受け取らずに、その裏にある醜い現実をきちっと見ていくことが求められている」(阿部真大・甲南大学准教授)

   「行政や権力がポエムを使うことに対しては、美しい日本ってどこがどんなふうに美しいんですか、というように、われわれはいちいち5W1Hを問いただすべきだ」(コラムニスト・小田嶋隆)

NHKクローズアップ現代(2014年1月14日放送「あふれる『ポエム』?!~不透明な社会を覆うやさしいコトバ~」)

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