2024年 4月 26日 (金)

進退窮まった渡辺喜美!選挙資金なら規正法・公選法違反、「個人借金」なら詐欺罪

<「3月27日の記者会見。渡辺さん(喜美・みんなの党代表=筆者注)は、私が貸したお金の使途について聞かれ、『選挙資金や政治資金ではない』とした上で、こう釈明していました。彼がいう『アレ』とは、縁起物として飾られる熊手のことだそうです。私は、これを聞いた瞬間、怒りを通り越して、もはや笑うしかありませんでした。
   さらに、渡辺さんが饒舌に語った弁明会見での記者とのやりとりを何度も見るうちに、私は一体、何を信じるべきなのか、と考えるようになりました。
   そして、自分の記憶と記録を手繰りながら、改めて自問自答し、今、一つの結論に達しようとしています。
   つまり、渡辺喜美は、私を騙したのではないか。今回の一連の出来事は、実は詐欺事件ではないか、強く思い始めているのです」>

   『週刊新潮』がスクープした渡辺喜美代議士の8億円借入問題は、渡辺代議士の納得いかない曖昧な「説明」によって、貸し主の吉田嘉明DHC会長の怒りをさらに大きくしてしまった。

   吉田会長は渡辺代議士の求めに応じて8億円の選挙資金を貸与したが、そのうち約5億5000万円が未返済だという。だが、渡辺代議士は個人的な借り入れだと主張している。

<「いずれも彼の求めに応じて貸したもので、私の認識では、間違いなく『選挙資金』でした。政治家にお金を貸すということは、『生活にお困りでしょう。どうぞお使いくださいと』いうことではない。この国のためを思って出したのです」(吉田会長)>

   さらに、吉田会長はカネを振り込んだ後に渡辺代議士から送られてきたメールも公表している。それにも選挙になるから融資していただけないかとハッキリ書いてある。

   政治資金規正法や公職選挙法違反になるのを恐れて「個人的な借り入れ」といい募っているのであろうが、元東京地検特捜部副部長の若狭勝氏によれば、嘘を言ってカネの交付を受けた場合は詐欺罪に問われ、今回のように8億円にもなれば「実刑」の可能性もあるという。進退窮まったようである。吉田会長はこう結ぶ。

<「私にも惻隠の情がありますので、渡辺さんには議員辞職までは求めませんが、せめて党首を辞してもらいたい。(中略)もし、それができないのであれば、詐欺罪での刑事告訴も辞さない覚悟です」>

「みんなの党」女帝・まゆみ夫人は愛想尽かし…8億円は慰謝料準備?

   週刊新潮は「渡辺喜美みんなの党代表を滅茶苦茶にした女帝」で、亭主も党もわが物顔に動かしてきたまゆみ夫人(56)が諸悪の根源だと追及している。『週刊文春』は彼女を「みんなの党のイメルダ」だと書いている。しかし、渡辺代議士がぞっこんのまゆみ夫人は、とうに亭主に愛想を尽かしているというのだ。週刊新潮で夫妻の知人がこう話している。

<「『別れたい』と何度も聞かされました。外でも家でも『どうしよう』としか言わない夫の頼りなさに愛想を尽かしていて、『みんなの党がなければ私から離婚したい』と言っていた」>

   そこで週刊新潮はこういう穿った見方をしている。<先にも記したが、吉田会長の下にまゆみ夫人から『離婚メール』が届いたのは、会長が5億円を振り込んだ当日。渡辺代表から5億円の資金援助を求められたのは、その2日前だという。いや、まさか慰謝料を準備しようとした、なんてことはあるまいが>

   万が一、女房に離婚を迫られ、カネで歓心を買うために会長に無心したのであれば、会見で8億円の使途を聞かれ、「生きていく上で必要な諸々費用として使った」という渡辺代議士の説明も、それなりに合点がいくのだが。

「週刊新潮」お見事!雲隠れ小保方晴子さん見つけて直撃「私が死んでもSTAPの現象は起こります」

   先週に続いて週刊新潮の元気がいい。渡辺スキャンダルはもちろんだが、それに続いて、全国民注視の「彼女」を見つけ、写真撮影とインタビューに成功したのである。

   小保方晴子さんは神戸市内に隠れていた。その彼女が理化学研究所へ「お出まし」になる姿をばっちり撮っているが、「変装してもオシャレ」というタイトルには頷ける。理研の調査委員会の最終報告発表を翌日に控えた3月31日(2014年)、神戸市内でついに彼女を発見したそうだ。その『お姿』はこうである。<濃紺のニット帽でロングヘアーを覆い隠し、マスクを着けた、変装姿の小保方博士である。もっとも、世を忍ぶはずの彼女は、こういう非常時にもお洒落を忘れない。春めいた桜色のコートに身を包み、お気に入りのガーリー系ブランド、ヴィヴィアン・ウエストウッドの花柄のトートバックを携えたハデ目の出で立ちで、理研の研究室に向かったのである>

   彼女は週刊新潮のインタビューに答えて、「STAP細胞に捏造はない。大きな流れに潰されそうですけど」と答えている。さらに、「絶対にこんな大掛かりな捏造なんかできるはずがない。ただ大きな力が働いてることは間違いないんです」とも話している。この「大きな力」が何なのかは明らかにされていない。

   週刊新潮は彼女が住むマンションを突き止め、かなり長い間張り込んでいたのであろう。3月29日に小保方さんから「周辺に不審者がいる」という通報があり、パトカーが急行し、数人の制服警官が付近を探索したという。

   このインタビューの中での核心は、分子生物学専門のある国立大学教授がいっているこの部分にあると週刊新潮は書いている。<「STAP細胞なるものは、ES細胞か、もともと生後間もないマウスの骨髄に極少量ある未分化の細胞を抽出したものだと思います」>

   これについて聞かれると小保方さんは、<「はい。でもそういう可能性があったとしても、それは科学的に検証していくことが可能なわけであって、間違いならば、正せばいいのですけれども……。ただ捏造だと言われることは明らかに間違っている」>

   捏造ではなく単なる間違いだということなのだろうか。最後に彼女は「私が死んでも、STAPの現象は起こります」と声を絞り出したという。「板垣死すとも自由は死せず」ではないが、今も彼女はSTAP細胞は作れると信じているのであろう。

   ところでけさ(4月3日)の『週刊実話』のタイトルにはビックリさせられた。「小保方晴子剃毛ヌード 8000万円」とあるではないか。読んでいないので恐縮だが、理研を首になった彼女にハイエナのようなメディアが殺到し、彼女をヌードにして一儲けしようという『企み』があるというのであろう。酒の上の与太話ではあろうが、だがなぜ「剃毛」なのだろう?

袴田巌さん48年間獄に押し込めたでっち上げ「刑事・検事・裁判官」の実名

   さて、週刊新潮、週刊文春に続いて『週刊現代』が55周年記念号をいつもの月曜日ではなく火曜日に発売した。消費税値上げの日に合わせたのだろう「特別定価430円」。これまでが420円だから10円値上げということになる。

   記念号だけあってページ数も多く、松井秀喜に「55周年おめでとうございます」という自筆の色紙も書かせ、グラビアも「AKB48の特大ポスター」と華やかである。週刊現代の表紙を飾った女優たちや長嶋茂雄ら有名人の「とっておきの一枚」写真など盛りだくさんではある。

   だが、特集となると首を傾げたくなるものが多い。巻頭特集が「史上初 日本を引っ張る大富豪がここに全員集合!」だが、要は荒稼ぎした連中が本業とは別に「音楽祭」をやっていたり、「児童養護施設」を運営しているという話である。宣伝臭も臭うが、それは置いとくとしても、失礼だが日本を代表するような大富豪たちではない。

   松井秀喜のインタビューは、そこが松井の良さなのであろうが、おもしろい話は語っていない。読売グループのナベツネと喧嘩している元巨人軍代表・清武英利氏の新連載「国税は見ていた」も始まった。優れた社会部記者であった清武氏だから、国税と税を逃れようとしてシンガポールへ移り住んだ「最後の相場師」との『死闘』があぶり出されるのだろうが、1回目を読む限りはおとなしすぎて期待外れである。次回以降に期待。

   小保方問題も扱ってはいるが、タイトルが「小保方晴子さん『記者会見』登場」と読み違えている。評価できるのは再審が決定した袴田事件の袴田巌さんの罪をデッチあげた「刑事・検事・裁判官」たちの実名を挙げて告発していることである。

   再審決定をした静岡地裁の村山浩昭裁判長は「捜査機関が重要な証拠を捏造(ねつぞう)した疑いがあり、犯人と認めるには合理的疑いが残る」と判断し、その上「拘置の続行は耐え難いほど正義に反する」と刑の執行停止(釈放)も決めたのである。無実の罪で死刑判決を受け、48年間も死と向き合って生きてきた袴田さんにかける言葉はない。失った時間は戻らないが、彼を追い込み自白をデッチあげた連中は何らかの罰を受けるべきではないか。のうのうとして生きながらえ、勲章までもらった者もいる。せめて勲章は返上すべきだろう。自白を捏造した人間にお咎めなしでは「えん罪」はなくならない。

いま見てもドキドキ…関根恵子「ヌード・グラフィティ」!ふるいつきたくなるいい女

   週刊現代の今号の最大の売りはSEX特集である。何しろ袋とじは「『カメラ搭載バイブ』で、女子に潜入 ペニスは見た」。活版が「第1回全日本SEX『名人』選手権開催!」。4色グラビアが「図解 女子たちに聞いた『私が好きな体位55』」である。これでもかというほどのSEX爛漫特集ではあるが、今ひとつ「おもしろい!」と唸るものはなかった。

   それよりも、関根(高橋)恵子の「ヌード・グラフィティ」やヌードではないが「深田恭子『ヒップの誘惑』」のほうがいい。関根恵子は今でもきれいだが、デビューした頃はふるいつきたくなるようないい女だった。その可憐なヌードは今見てもドキドキする。

   週刊現代は昔からスクープで売る週刊誌ではなかったから、週刊文春や週刊新潮のような派手な過去のスクープは、私が知る限りでも少ない。企画もので勝負するしかない週刊誌なのだから、もうひと味ひと工夫が欲しかったというのが、私の感想である。それに、これから430円でやっていくのだとしたら、そうとう内容を充実させないと部数減にはなっても部数増には結びつかないと思う。古い週刊現代OBの老婆心からである。

いわゆる「袴田事件」難逃れた橋本さん一家長女…もう一人の冤罪被害者

   袴田巌さんの再審請求開始が認められ、実に48年ぶりに東京拘置所から袴田さんが釈放されたが、いわゆる「袴田事件」の被害者一家で生き残った長女のたどった数奇な運命を週刊新潮と週刊文春が報じている。週刊新潮で見てみよう。

<事件が起こったのは、1966年6月30日。殺されたのは、みそしょう油製造業「橋本藤作商店」専務の橋本藤雄さん(41)、妻のちゑ子さん(39)、長男の雅一郎君(14)、次女の扶示子さん(17)の4人である。(中略)
   事件の数年後、放火された家の跡地に新たに一軒家を建てて暮らし始めた女性がいた。殺された橋本藤雄さんの長女、橋本昌子さんだ>

   昌子さん(67)は少し離れたところにある祖母の家で生活していたため、難を逃れたそうだ。事件後、昌子さんは家を離れていたが、元従業員と結婚して戻ってきたという。だが、その夫にも先立たれ一人暮らしだった。事件のショックのせいか、近年はこんな様子だったと、近所の古老が話している。

<「昌子さんは年を追うごとに精神的に不安定になっていたようです。ブツブツと独り言を口にしているのよく見ましたし、立ち止まって地面をジーッと見つめていることもあった。本当にかわいそうでした」>

   そして袴田さんが48年ぶりに東京拘置所から釈放された、その翌日の28日に橋本昌子さんは自宅で変わり果てた姿となって発見された。静岡・清水署によれば事件性はないとしているというが、彼女は再審請求が認められたという報道をどんな思いで聞いたのであろうか。2004年8月、東京高裁で再審請求を退ける決定が出された際、毎日新聞の取材に答えて、昌子さんはこう話している。

「当然だと思う。これだけ年月が経ってから(袴田死刑囚とは)違うと言われたらかなわない」

   身内を殺された彼女の偽りない気持ちであろう。えん罪は無実を訴え続けた死刑囚を長年苦しめたが、被害者の遺族も苦しめてきたのである。えん罪を作り上げた警察官、検事、裁判官たちは、この可哀想な長女の死をどう思うのか、聞いてみたいものである。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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