高倉健さんに話を聞いた青山の喫茶店...若造相手でも嫌な顔せず珈琲飲みながら1時間

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   今週最大の話題は安倍首相の大義なき解散ではない。高倉健の突然の死である。享年83。不足ないといってもいい歳だが、われわれ70年安保世代は、健さんが年老いて首の周りのシワが幾重になろうとも、彼の後ろ姿に自分の青春時代の残像を見ていたのだから、ショックは大きかった。

   高倉健は昭和の男だった。彼の生涯を書き連ねる気はないが、私のささやかな健さんとの思い出について書いてみたい。私が編集者になってどうしても会いたい人が3人いた。吉永小百合と長嶋茂雄、そして高倉健である。小百合(こんないい方をしてゴメン!)とは残念ながら何度かすれ違っただけだが、長嶋さんとは食事をしたり対談に出てもらったことがある。健さんとは2度取材で会うことができた。

   はじめは公開される映画についてのインタビューだったが、若造の私の拙い質問にも嫌な顔をせず答えてくれた。憧れの人に会えた緊張感で何を話したかは覚えていないが、背筋がピンと張った姿勢のよさと礼儀正しさは強く印象に残っている。

   2度目は青山にあった喫茶店。珈琲がうまく、健さんがときどき立ち寄る店としても知られていた。何の取材だったか忘れたが、表通りの見える席で二人きりで1時間ぐらい珈琲を飲みながら話を聞いた。

   覚えていることは、珈琲が好きで日に40、50杯飲むが、インスタント珈琲でも何でもかまわない。酒は飲まないが、京都・嵐山に酒を霧のように吹きかけて出すそば屋があるが、そこだけは気に入っていて、京都へ行くたびに食べに行く。「しかし、食べ過ぎると酔っ払っちゃってね」。印象に残った言葉は、俳優をやるのはカネのためで、男子一生の仕事とは考えていなかった。健さんが40代のときである。

   健さんの映画は遺作になった「あなたへ」も含めてほとんど見ているが、晩年の作品では「ホタル」がよかったぐらいで感心しない。私のベスト3は一連の昭和残侠伝シリーズ、「居酒屋兆治」「八甲田山」。残侠伝は今でも気が滅入ったときに気合いを入れるために見る。

   私が『週刊現代』編集長になった当初、プレッシャーのためかうつ状態になったことがあった。会社が近くなると冷や汗が吹き出てきて動悸が速くなってしまう。そんな自分の弱さを鼓舞するために、残侠伝を見てから出かけたことが何度もあった。ヤクザ、右翼、中核派などとトラブルになって話し合いに行くときには、「唐獅子牡丹」のなかの「なんで今更 悔いがあろ ろくでなしよと 夜風が笑う」という歌詞を口ずさんで『敵地』へ斬り込んだものだった。

   安倍首相が解散に踏み切ったが、テレビで安倍と高倉健の映像を見ながら、不謹慎だが、こんなことを想像した。安倍さんの姿に健さん演じる花田秀次郎が殴り込みに行くときのシーンを重ね合わせ、「安倍総理、死んでもらいます」解散はどうだろうかと。

内閣参与・飯島勲の総選挙見立て「自民党は上積み。民主党はまたもや議席減」ホントかね?

   これほど解散する大義のない税金むだ遣い選挙は前代未聞だ。各誌選挙予測をやっているが、自民党が現有議席を減らすことは間違いないが、それでも単独過半数確保は間違いないという見方が大勢のようである。

   飯島勲内閣参与は『週刊文春』で「電撃解散で自民は議席を上積みする」とまでいっている。その根拠はこうだ。<四十三年間の永田町暮らしの経験から見て、間違いなく自民党は現有勢力から上積みをするよ。(中略)民主党がいくら慌てて候補者をかき集めて擁立しても、知名度のない新人が当選するわけないからさ。またもや議席減でしょうね。

   だいたいね、解散して公示、投票と流れていくこんな短期間で選挙結果がどうこうなんて、ほとんど何の関係もないんだよ。どんなに遅くても公示日の時点で九割の議席は当落が固まっている。その後の十日間余りは残り一割の戦いでしかないのよ>

   そんなバカなことがと私は思うが、選挙民の最大の悩みは自民党は嫌だけど入れたい政党がないということだろう。そういう人は共産党か、それが嫌なら公明党でもいい。今度の選挙は争点がないといわれる。

   飯島氏のいうように野党がバラバラだから自民は負けないと高をくくり、単独過半数を維持したらアベノミクスが支持されただけでなく、原発再稼働も特定秘密保護法も憲法九条を蔑ろにしたこともすべて信任されたと、安倍首相は言い出すに決まっている。そうさせてはいけない。この選挙を通じて国民の意思を表明するためには、自民党を勝たせないことだ。

菅官房長官がカネでひっぱたいても勝てなかった沖縄県知事選!潮目は変わった

   潮目が変わったと思わせてくれたのが沖縄県知事選挙だった。翁長雄志氏が現職の仲井真弘多氏を10万票もの大差で破り当選した。日米両政府が普天間返還に合意した1996年以降の5回の知事選挙で、はっきり辺野古移転反対を掲げた候補が勝利したのは初めてである。

   翁長氏は当選直後のインタビューでおおよそこう述べた。「本土の0.6%の土地に74%の基地を69年もの間押しつけてきた日本の民主国家としてのあり方が問われた。この沖縄の民意を無視することは認められない。安全保障は日本国民全体で引き受けるべきだ。安倍首相のなかには沖縄が入っていない気がする」

   これに対して政府は「知事選は基地問題に対する県民投票ではない」「過去の問題だ」と切り捨て、国が動き出し、(仲井真)知事が承認したものを覆すことは法的にもできないと主張している。

   たしかに、辺野古移設を白紙に戻し県外移設を実現することは容易ではない。しかし、今度の選挙ではっきりしたことは、基地を押しつけられ、切り捨てられ、忘れられ、「侮辱のなかに生きてきた」沖縄の人々の怒りが沸点まで高まっているということである。

   私は常々「沖縄から日本が変わる」といってきた。沖縄の意思はひとつにまとまった。今度は本土の人間が意思を表明する番である。本当の意味で「戦後」を終わらせるために、これまで沖縄の人たちが味わった悲しみや怒りを我がこととすることであることはいうまでもない。

   今度の衆議院選では、沖縄の基地固定化を目論む安倍自民党へ本土の人間が「ノー」を突きつけるかどうかも問われるのである。

   しかし、沖縄知事選の最中もそうだったが、週刊誌の沖縄への関心のなさはどうしたことだろう。今週も『週刊文春』が「沖縄知事選『最強の官房長官』敗れたり」をやっているだけである。菅官房長官は選挙中に沖縄入りし、県が望んでいるユニバーサル・スタジオ誘致に協力するなどと、露骨にカネをちらつかせて仲井真氏の応援をしたが、仲井真氏は惨敗した。菅の威信は地に堕ち、解散が早まったために間違いなく辺野古移転問題は総選挙の争点になる。

変態バーで逮捕された「秋篠宮家宮務官」だれと行ったのか...

   今度の選挙に橋下徹大阪市長が出馬するのか、小渕優子はどうか。石原慎太郎は引退するのかなど各誌が書いているが、同工異曲で目新しい情報はない。各誌がやりようがなくて困っている選挙記事以外で目についたものを見ていこう。

   週刊文春は「変態バーで全裸逮捕された秋篠宮家宮務官」の事件を大きく報じている。これはハプニングバーといわれる新宿区のバーで起こった。<「ベッドルームで男女それぞれが下半身丸出しで、セックスに耽る者あり、それを食い入るように鑑賞する者あり、それは異様な光景だったそうです」(社会部記者)>

   会員制だそうだが、11月8日(2014年)に捜査関係者が踏み込み、経営者や従業員のほかに客3人も公然わいせつの現行犯で逮捕された。そのなかに宮内庁職員がいたのだ。

   その男は2011年から今年3月まで秋篠宮家の宮務官(事務方のトップ)だった人間で、現在は宮務課職員として宮家をサポートしているという。彼は周囲に「あの日は、仕事終わりに飲んでいて、あるカップルと意気投合して店に行った」と話しているようだ。書類送検されるのは間違いないだろう。そういえば30年前にも、東宮侍従長が新宿のトルコ風呂(今のソープランド)で入浴中に亡くなって大騒ぎになったことがあった。

   秋篠宮家の紀子さんはこの事件を聞いてどう思ったのだろうか。

まるで説得力ない日テレ「笹崎里菜さん内定取り消し」裁判は完敗必至

   『週刊現代』が火付け役になったミス東洋英和・笹崎里菜さんと日本テレビとの「内定取り消し」をめぐる訴訟騒動だが、世論は日テレ側に厳しいようだ。週刊現代は今週、日テレ人事局と笹崎さんとの往復書簡を載せているが、日テレ側の書簡には頷けないところが多々ある。

<「アナウンサーには、極めて高度の清廉性が求められます。他方で、銀座のクラブでホステスとして就労していた貴殿の経歴は、アナウンサーに求められる清廉性に相応しくないものであり、仮にこの事実が公になれば、アナウンサーとしての業務付与や配置に著しい支障が生ずる事は明らかです(中略)。
   ホステスとしてのアルバイト歴だけを意図的に申告しなかったわけですから、貴殿の行為は、重要な経歴の詐称に他ならず、弊社との信頼関係を著しく損なう背信行為であって、(内定にあたって交わした=編集部註)昨年9月12日付誓約書4項の『貴社への申告に虚偽の内容があった場合』に該当するものです」>(週刊現代)

   テレビ局がアナウンサーにそれほどの清廉性を求めているとはちっとも知らなかった。テレビに出てきわどい発言やお馬鹿な態度を取ることは清廉性に反していないのだろうか。それに、日テレのお偉いさんたちが銀座に行ったら、あんたたちは私たちのことを差別しているのかと怒鳴られるのではないか。それとも日テレの人間は、銀座のクラブのような下品なところへは行かないとでもいうつもりか。

   笹崎さんの代理人を務める緒方延泰弁護士は、裁判のポイントをこう語る。

<「免許事業であり社会の公器たる性質を有するテレビ局が、『銀座でのバイト』が『清廉性を損なう』ものだと断じていいのか。また、経団連の採用倫理憲章を破って青田買いし、囲い込んでおきながら、他社を受験することが困難な時期になって曖昧な理由で内定を取り消す不公正さ。裁判ではそのあたりが争点となっていくでしょう」>

   週刊文春によれば、最高裁の判例からも、日テレの内定取り消しの合理性や正当性は認められないと読む。日テレは土下座して入社していただくしか手がないようである。

交番の奥で真っ昼間からセックス「勤務中の巡査部長と女性警官」

   11月17日付朝日新聞朝刊の第2社会面にこんな記事が出た。「勤務中、同僚女性にキスやセクハラ 警察官4人を処分」という。<警視庁綾瀬署(東京都足立区)で女性警察官を勤務中の交番に泊まらせたり、セクハラ行為をしたりしたとして、署員の男女4人が内規上の処分を受け、今月までに辞職していたことが同庁への取材で分かった。同庁は『4人の行為はいずれも懲戒処分には当たらない』として公表していなかった。

   同庁によると、同署地域課の男性巡査部長は今年に入って、勤務中に交番を訪ねてきた女性警察官とキスするなどした。同課の別の男性巡査は勤務する交番にこの女性警察官を泊まらせた。それぞれ女性警察官が承知のうえでのことで、交番勤務が1人態勢になる時間帯だった。さらに同署生活安全課の男性警部補はこの女性警察官に対して、セクハラ行為をしたという。

   一連の問題は、女性警察官が警部補のセクハラ行為について相談したことをきっかけに発覚。懲戒処分にしなかった理由について、同庁幹部は『行為の性質や勤務に与えた影響を総合的に勘案した』と説明している>

   「同庁への取材で分かった」と書いているが、これは『週刊ポスト』に出ているスクープ記事と同じ事件だと思われるから、時間的に見て週刊ポストが先である。

   週刊ポストにはどこの交番とは書いていない。警視庁関係者の話を総合すると、某日、若い男性警官が1人で勤務している某交番に20代前半とおぼしき女性Aが訪れたという。

   手には手土産らしき包みを携えていたそうだ。男性警官とその女性は交番のバックヤードにある宿直用の休憩室へと消えていった。そして男女は、仮眠用の寝具が置かれた宿直室で、時を忘れて秘め事を楽しんだ――という。

   Aは同じ警察署管内に勤務している20代前半の女性警察官。Aは自分が非番の時に男性警察官のいる交番へ差し入れを持って訪れ、淫らな行為に及んでいたそうだ。

<「訪問した日時は把握していないが、複数勤務の時間帯にそんなことができるはずがない。だとすれば1人勤務が行われている白昼堂々ということになる。驚きを禁じ得ないが、調査をしている以上はおそらく事実なのだろう」(事態を知る警視庁関係者)>

   この一件は本庁の監察担当の知るところとなったという。先の警視庁関係者が語る。<「宿直室はもともと居住用に作られていないために壁が薄く、行為の時に漏れた声に近隣住民が気づき、本庁にクレームの電話があったらしい」>

   だが、そうではなかった。警視庁幹部がこういっている。<「どうやらAが先輩刑事からセクハラ被害にあったと訴え出ていたようです。それを監察が調査しているうちにこの問題が出てきた」>

   Aは上司からセクハラを受けていたことがあった一方で、複数の男性警察官と男女関係にあったと疑われていた。

   近年、警視庁では警察官同士の色恋沙汰にまつわるスキャンダルが少なくないと週刊ポストは書いている。警察に女性がいるといっても女性警察官の割合は約8%。男性中心の職場であることは間違いない。そこで少ない女性を取り合ったり、セクハラ、パワハラなど日常茶飯事なのであろう。それにしても勤務中にSEXに励むなど言語道断である。

   日テレの女子アナ以上に警察官にこそ「清廉性」が求められるはずだ。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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