2024年 4月 26日 (金)

「はやぶさ2」52億キロ6年の旅へ!あす30日午後打ち上げは延期...生命の起源を探せ

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   あす30日(2014年11月)の打ち上げは悪天候のため延期されたが、小惑星探査機「はやぶさ2」が52億キロ6年間の旅に飛び立つ。死にかけたエンジンで3億キロの旅から戻り、貴重なカプセルを放出して自らは炎の尾を引いて消えていった「はやぶさ」の感動から4年、後継機「2」も生命の起源となる有機物の採取が任務だ。

   目指す小惑星は「1999JU3」という直径わずか900メートルの岩の固まりで、到達は2018年6月だ。プロジェクト・マネージャの國中均さんは、「生命の起源に肉薄するようなデータを持って帰りたい」と話す。

「水」と「有機物」はあるか?

   先代の「はやぶさ」は小惑星「いとかわ」にほぼ接地したものの、機器がうまく作動せず、微粒子しか採取できなかった。「はやぶさ2」は同じ轍を踏まないため、新たな仕組みをいろいろ備えた。

   惑星の表面は風化していると考えられ、その殻を破って内部の岩石を採取する必要がある。このために考えられたのが「インパクター」と呼ばれる円錐形の爆発装置だ。「はやぶさ2」から切り離され、地表に近づいたところで2キロの銅の固まりが打ち込まれる。これで深さ50センチ、直径2~3メートルの人工クレーターを作る。そこへ「はやぶさ2」が接地して惑星内部の地層から資料を採るという段取りである。期待されるのは、「水」や「有機物」。生命の起源を探る手がかりである。

   46億年前、地球ができたとき生命は存在しなかった。ここに小惑星が衝突して生命が誕生したというのが定説である。しかし、生命がどう発生したのか、その引き金となった有機物は何なのかなどなにもわかっていない。

   國中さんも分析担当の橘省吾さんも「まずは持ち帰らないと分析できない」と笑うが、ミッション・マネージャの吉川真さんは「その前にたどりつけるかどうかがある」という。

『先代はやぶさ』教訓に新装備

   はやぶさは4基のイオン・エンジンがすべて止まり、この危機を救ったのは念のためにと組み込んであった予備の回路だった。これがたったひとつのエンジンを動かし、けなげにも戻ってきたのだ。

   「2」では随所に予備が設けられた。「いつ故障が起こるかわからない。より完璧に」と國中さんはいう。小惑星に到着しても、カメラと赤外線で着地場所の探査に数か月をかけ、「地下が面白そうなところを選ぶ」(吉川さん)。本体は1メートル×1.6メートルだが、太陽電池は6メートルの長さがあるから、着陸場所の凹凸も慎重に調べないといけない。

   また、インパクターの爆発で損傷しないように本体は退避する。その間は監視できないので、カメラを浮かしておく。着陸の判断は地球からの指示では時間がかかりすぎるため、「2」が自分で判断する。橘さんは岩石採取の筒の先に爪をつけた。どれも前回の失敗の教訓から出たものだ。

   小惑星は地球と火星の中間帯にある。いま行われている国際的な探査は、2030年代に想定されている火星の有人探査のためのステップという位置づけだ。2年後に打ち上げられるNASAの探査機は、大掛かりな岩石分析や惑星の丸ごと捕捉など構想は壮大だ。

   先にヨーロッパ宇宙機関が彗星に探査機を着陸させたが、打ち上げは10年前だ。「はやぶさ2」も3年半かけて到達し、1年半ほど滞在して2020年冬に帰ってくる。飛行距離は52億キロだ。話が大きすぎて、生命誕生のナゾが解けるまで生きてられそうにない。

ヤンヤン

NHKクローズアップ現代(2014年11月27日放送「はやぶさ2 生命の起源を探る旅」)

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