2024年 5月 3日 (金)

高倉健すごく意識していた菅原文太「何にも俺は負けてねえよ」

嘘ごとやってられない恐ろしく知的な人

   文太はなぜ「トラック野郎」などコミカル路線に転じたのか。

「恥ずかしかったんでしょうね、健さんみたいに『いい人』を演じるのが。健さんはひたすら人間として偉い人、偉い人っていうふうに行っちゃうでしょ、求められて。文太さんにしてみれば、『そんなことはよせよ。そんな嘘ごとやってのかい』っていう思いがどこかあったはずです。
   僕は文太さんは恐ろしく知的な人だと思いましたね。だから、(演技は)下手くそなんだけど、それにめげずに『どう生きたらいいんだ?』ってことを役者としても、人間としても哲学した人なんですよ。それを健さんよりしていたんだと思います」

   岩上安身(ジャーナリスト)「それは文太さんの戦争体験だろうと思います。お父さんも叔父さんも戦争に行っている。あの『仁義なき戦い』シリーズのドラマは実録ドラマで、みな実在の人物。敗戦で復員してきた戦争帰りで荒ぶる気持ちを抑えきれずにやくざになった。その自らの体験を重ねて演じたと思う。片やアウトローを演じ、片や平和を願う。ギリギリのところ歩きながら『戦争は絶対やっちゃいけない』と意識しながら生きてこられたと思います」

文   モンブラン
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