<ダークスーツ>(NHK総合)
斎藤工がつまらない!目に余る脚本の不自然さ...現実感乏しい企業ドラマにがっかり

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   手に汗握るスケールの大きい企業ドラマを期待したのに、なんだか肩すかしをくった気がするなあ。だいたい硬派としての斎藤工の良さが全然感じられないのはどうしたことか。大ヒットしたあの「ハゲタカ」(2007年2月~3月)の大森南朋に比べて、本来、斎藤工の演技力が劣るというわけではないので、やっぱり脚本や演出の問題なんだろうな。「ハゲタカ」が面白かったのは、真山仁の原作がしっかりしていたせいだったということなのか。

ビジネスものからどんどん離れる展開...とうとう新社長の因縁話

   かつて日本を代表する家電メーカーだった巨大企業グループ、ハシバも今や苦境に陥っている。当然、モデルはソニーかナショナルか、と見る者は思うが、ここは東芝やサンヨーその他日本の家電メーカーすべてをひっくるめた状況と考えてよいだろう。

   ハシバ本社の子会社である営業会社の社員・一之瀬(斎藤工)は、突然、本社への出向を命じられる。本社から子会社へではなく、その逆というのは、サラリーマンにとっては異例の抜擢なのだろう。

   じつは一之瀬は、ハシバを立て直すためにアメリカの財界から送り込まれた新社長・松木(石丸幹二)が極秘裏に立ち上げた再建プロジェクトのメンバーとして選ばれたのだ。ほかに集められたのは若手エンジニアの番場(満島真之介)、有能な女性・高根沢(市川由依)、情報管理に長けた小宮(大鶴義丹)、財務の専門家・安城(神保悟史)。みんな社内でどこか浮いている者たちだ。

   それにしても、いくら経営のプロとはいえ、アメリカから突然やってきて、会社の片隅でくすぶっている社員、あるいは子会社の社員が使えるかどうか、どうして見定めることができるのか。不自然だ。しかも一同、座敷に集められ、初対面同様で、いきなり「君たち、何か考えろ」と言われてもねえ。やる気出す前に面喰っちゃうのがふつうじゃない?

   一之瀬と番場がベトナムとか行って、現地事情を見てるからいい製品の考えが浮かんだのかと思ったら、結局、結論は「製造をやめてライセンス事情に徹することで生き残りをはかる」ことになる。

   方針が決まり、それを通すために熾烈な権力闘争が行われる。役員を味方につけるための駆け引きは多少面白くないこともないけど、途中から急に松木個人の因縁話になってしまって、ビジネスものから離れてきた感あり。せっかく日本が置かれた危機的な状況を扱っているのに、現実と切り結ぶ迫力が感じられないのは残念だ。(土曜日よる9時)

(カモノ・ハシ)

文   カモノ・ハシ
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