安倍首相どこまで続くぬかるみぞ・・・今度は稲田朋美政調会長「日本酒ばら撒き疑惑」

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   自民党の三役の政調会長に据えられ、「女性初の宰相候補」と持ち上げられている稲田朋美代議士(56)の「日本酒贈呈疑惑」について、『週刊新潮』が今週も追及の手を緩めない。この疑惑は稲田代議士の地元・福井県で発行されている『北陸政界』が報じたものである。

   要約すると、稲田議員が2005年に初当選してから09年に再選するまで、各自治会の新年会や支援を受けている企業の宴会に「ともみの酒」というラベルを貼った4合瓶の日本酒を持参していたというのである。現在もこれが行われているのなら公職選挙法違反だが、いまは止めているようだから時効ではあるが、週刊新潮は<自民党政調会長としての道義的責任は免れるものではない>と追及している。

   私は彼女が当選4回ということも、議員の顔さえ知らないが、これほど知名度のない人間を要職に取り上げたというのはよほど安倍首相の覚えが目出度いのであろう。

   週刊新潮のいうように「道義的な責任」はあるはずだが、この代議士の過ちはそれだけではないようだ。週刊新潮によれば、前号で週刊新潮が取り上げることを知った稲田議員の夫で弁護士の稲田龍示氏が、掲載するなら民事訴訟をするとともに「併せて悪意による名誉毀損行為でありますから、刑事告訴するつもりである」とFAXを送りつけてきたというのである。

   週刊新潮はただ単に記事掲載を阻止しようというのに刑事告訴まで持ち出してきて、<それが、恫喝だと気づかないのなら、世間を知らない弁護士バカ以外の何ものでもない>と批判する。ちなみに稲田代議士も弁護士資格を持っている。

   そのうえ、政調会長会見で週刊新潮の記事を「全くの虚偽」「これはもはや表現の自由と呼ぶに値するものではありません」「裁判上の措置をとることとしたいと考えております」と全面否定したのである。権力者が表現の自由まで持ち出して否定するというのだから、私のような善良な市民はエライセンセイのおっしゃることだからと信じてしまいそうだが、週刊新潮はならばと動かぬ証言の数々を集めて稲田議員を追い詰める。

   福井在住の保守系県議は<「確か、08年と09年だったかな。秘書と一緒だった。そのうち1回、『ともみの酒』っちゅうのを持ってきました。(中略)5、6年前から、稲田さんがあちこちに、お酒を配っていたのは地元では話題になってたよ」>。元稲田議員のスタッフは町内会の新年会で1万円程度の会費を払うのが嫌で、会費代わりに酒を配るようにしたのが始まりだとし、酒は地元の農事組合法人から1本2500円で200本以上注文し代議士主催の新年会で出されたが、「残りの分はほとんど、選挙民に配られたのです」と証言している。

   さらにまずいことが判明した。注文した先の農事組合法人は「酒類販売業の免許を持ってなかった」というのだ。嘘を隠すためにまた嘘をつく。週刊新潮の調べたとおりなら辞任はやむなしであろう。週刊新潮はこう結ぶ。<女性初の宰相候補などと持て囃されているから、どの程度かと思えばこの有様。政治家の器量の底が知れてしまったのだ>

浪速のエリカ様「上西小百合議員」本会議欠席して1泊温泉旅行?お粗末すぎる醜聞

   政治家の底という意味では、『週刊文春』がすっぱ抜いた「浪速のエリカ様」こと維新の党の2回生議員・上西小百合氏(31)の醜聞も底が浅すぎて呆れるほかはない。

   上西氏は2015年度予算が衆議院を通過した3月13日(2015年)、急性ウイルス性腸炎で3日間の静養が必要という診断書を出して本会議を欠席した。だが、前日には他党議員と飲み歩き(これは確認されている)、その翌日に上西氏は地元大阪へ向かっているのだが、<「前々から、ホワイトデーに合わせて京都の高級温泉旅館で彼氏と一泊デートの予定を立てていた」(維新関係者)>という話が出回っているのである。

   その彼氏というのが、49歳の公設秘書だという。この情報に珍しくテレビ局が動いたのは、彼女が美形だからであろう。橋下徹・維新の党最高顧問はこの情報を知っていたのだろう、4月2日の会見で上西氏は辞任するしかないと早々にいい切った。上西氏は報道各社へのFAXで旅行はしていないと否定してみせたが、恥の上塗りであろう。

   女だからなどというつもりは毛頭ないが、今回の2人や小渕優子、中川郁子氏らを見ていると、安倍首相の唱える「女性が輝く時代」は政界に限ってまだまだ遠いと思わざるを得ない。

「古賀茂明の暴走」猛攻撃の週刊文春!週刊新潮は「官邸のメディア圧力こそ問題」

   3月27日、テレビ朝日の「報道ステーション」で司会の古舘伊知郎と元経済産業省官僚でコメンテーターの古賀茂明氏が番組内で口論になったことが波紋を呼んでいる。安倍政権に批判的な発言を繰り返してきた古賀氏がこの日を最後にコメンテーター降板となったわけだが、それはテレビ朝日の早河洋会長や古舘プロダクションの佐藤孝会長の意向によるものであると突然、番組中に語り始めたのだ。

   私は後から「YouTube」で見たのだが、この動画はテレビ朝日側からの要請で削除されたようである。だいたい以下のようなやり取りがあった。

   古賀「ちょっとその話をする前に。わたし、今日が最後ということで、テレビ朝日の早河(洋)会長とか、あるいは(制作協力している)古舘プロダクションの佐藤(孝)会長のご意向でですね、わたしはこれが最後ということなんです。

   これまで非常に多くの方から激励を受けまして。で一方で、菅(義偉)官房長官をはじめですね、官邸のみなさんにはものすごいバッシングを受けてきましたけれども、まあ、それを上回る皆さんの応援のおかげでですね、非常に楽しくやらせていただいたということで、心からお礼を申し上げたいなという風に思います。本当にありがとうございました」

   古舘「古賀さん、ちょっと待って下さい。ちょっと待って下さい、古賀さん、待って下さい。いまのお話は私としては承服できません。古賀さんは金曜日に、時折出て下さって、大変わたしも勉強させていただいている流れの中で、番組が4月から様相が変わっていく中でも、古賀さんに機会があれば、企画が合うなら出ていただきたいと相変わらず思ってますし」

   古賀「それは本当にありがたいことです。もし本当であれば、本当にありがたいです」

   古舘「古賀さんが、これで、すべて、なにかテレビ側から降ろされるっていうことは、ちょっと古賀さんそれは、違うと思いますよ」

   古賀「いや、でも、古舘さん言われましたよね、『わたしがこういう風になるということについて自分は何もできなかった、本当に申し訳ない』と」

   古舘「もちろんそれは、この前お話したのは、楽屋で、古賀さんにいろいろ教えていただいている中で、古賀さんの思うような意向に沿って流れができてないんであるとしたら大変申し訳ないとわたしは思っている、今でも・・・。しかしさっきのはちょっと極端過ぎる」

   古賀「録音させていただきましたので、もしそういう風に言われるんだったら、全部出させていただきますけれども」

   古舘「いや、こちらもそれを出させていただくってことになっちゃいます、古賀さん」

   古賀「いいですよ」

   古舘の慌てようが滑稽であった。この古賀発言に対して賛否が分かれているようだ。その見本は週刊文春と週刊新潮である。週刊文春は古賀発言を「暴走」ととらえ、菅義偉官房長官の「事実に反するコメントだ(中略)放送法があるので、テレビ局がどう対処されるかを見守りたい」という発言を次に持ってくる。そして古賀氏が経産省時代から優秀な自分が重用されないという「被害妄想」を抱き、民主党政権時代、行政刷新相をつとめた仙谷由人氏は古賀氏の能力は高く評価していたが、「官僚組織の中で仕事をする際は一種の自制がないといけない」と更迭されてしまう。経産省をやめた後に大阪維新の代表(当時)だった橋下徹氏や細川護煕元総理のブレーンになったが、原発即ゼロの古賀氏に付き合いきれないと距離を置かれてきたと書く。

   また、古賀氏を報道ステーションに連れてきたMというチーフプロデューサーは夫が朝日新聞の政治部長で、<「古賀氏から様々な話を聞いて番組作りに生かしていたMは、左翼的な思想の部分でも共鳴し合ってベッタリの関係に」(テレ朝関係者)>なっていたため、安倍首相に近い評論家や「原発は最低限必要」と発言したコメンテーターは「もう呼ぶな」とMが命じて、番組に出させなかったと書き進む。

   Mには目的のためには手段を選ばない危険な一面があるとテレ朝関係者に言わせている。このMも3月で番組からはずされ経済部長に異動になったそうである。

   週刊新潮のほうはどうか。ことの経緯を書きながら、<無論、その日のニュースとは何ら関係のない「テレ朝・古舘・官邸」批判を展開し、暴走した古賀氏の行動は大人げないとの誹りを免れないだろう。しかし、菅氏が圧力の存在をいくら打ち消そうとしたところで説得力を持たないほど、安倍官邸が「メディア操縦」を行っているのも事実なのだ>として、NHK「ニュースウオッチ9」を降板した大越健介キャスターの件を挙げる。

   安倍首相は恭順の意を表すメディアには情報を流し、リベラルな朝日新聞や毎日新聞には情報を渡さないことで、メディアをコントロールしていると批判する。そして、田島泰彦上智大学文学部新聞学科教授にこういわせる。

<「安倍総理が総理に返り咲いて2年3ヵ月の間にメディアの人と会食した回数は、3年3ヵ月続いた民主党政権時代の総理3人の総計の既に4倍に達しています。加えて15年度の政府広報の予算案は83億円で、民主党の野田政権時代と比べると2倍以上に膨らんでいる。こうした影響を受けているのか、大手メディアは今、長いものには巻かれている印象が拭えません」>

テレビの「ハプニング」痛快じゃないか!「暴走」断然支持

   この2つを読み比べて読者の皆さんはどう考えるのだろうか。私は古賀氏の「暴走」を断然支持する。テレビのニュースショーには電波芸者的コメンテーターが多い中で、こうした「ハプニング」が起きるというのは痛快である。NHKを筆頭に安倍や菅がテレビに圧力をかけているというのは周知の事実であり、テレビを傘下に持つ新聞は知っていながら批判もできない腑抜け集団である。

   私は週刊文春も週刊新潮も保守的な週刊誌だと思うが、メディアに関する書き方では、週刊新潮は保守リベラル的な立ち位置をとることが多いような気がする。かつて、ノンフィクション・ライターの本田靖春氏は週刊文春の持つ保守的な体質を嫌がり、晩年は距離を置いた。たしかに、今の週刊文春は他誌よりもスクープをとってくる情報力や取材力に長けていると思う。ジャーニーズ事務所やAKB48のスキャンダルに見られるように、他誌に比べてタブーが少ないこともそうした情報が集まりやすいのであろう。

   だが、週刊文春には本田氏が批判した体質が抜きがたくあるのも事実である。今週号でいえば、翁長雄志沖縄県知事(64)が辺野古沖のボーリング調査を停止するよう求めたことを取り上げ、<「移設反対は決して本心ではないと思います。ただ、知事選の公約としたことで、振り上げた拳を降ろすことができなくなっているのではないか」(元沖縄県議)>と、強気は見せかけだとし、翁長知事が今月中旬に中国へ訪問する予定があることに対しても、中国側に最大限利用されると難じている。沖縄県知事選で示された多くの民意を無視して移設を進める国のやり方のほうに問題があると、私は思うのだが、週刊文春はそうではないらしい。

   比較的リベラルだと思う新聞社系や週刊現代、週刊ポストは、週刊文春のこうした「弱点」をついて、週刊文春とは違う視点で特集やスクープを狙うべきだと思う。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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