<ヤメゴク~ヤクザやめて頂きます~>(TBS系)
大島優子スタントなしの派手なアクションに迫力!髪ボサボサ無表情の怖い女・・・脱AKBまずまず成功

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   演出はあの堤幸彦ということで、「トリック」が大好きなカモノとしては今クールでいちばん期待していたが、やっぱり面白かった。編集なしで撮ったというタイトルバックからしてワクワク。小ネタ満載、独特のカメラワークで魅せる堤ワールドの安定感もあるが、主演の大島優子の演技が予想以上に迫力があり、ドラマに説得力を与えている。

   警視庁内の「暴力団離脱者電話相談室」、通称『足抜けコール』が舞台で、業務は暴力団の構成員(ヤクザ)を堅気に戻すことだ。大島が演じる主人公・永光麦秋(ながみつばくしゅう―ヘンな名前!)は足抜けコール担当の警察官。抜けるのが困難なヤクザの実態をのぞく興味もわくし、暴対法の意義なども説明されていて見ごたえがある骨太のストーリーである。

はやりそうなキメ台詞「一筆頂戴いたします」

   大島は前クールの「銭の戦争」でちょっとダサめのかわいい普通の女の子を好演していたが、元AKB48の域を出ていない印象ではあった。しかし今回は違う。まず髪はボサボサ、左目はそのボサ髪に隠れていて見えない。無表情のうえ服装は常に喪服かジャージで、毎日当直をしては「大麩豪」という巨大な麩菓子をモサモサとかじり、何を考えているのかさっぱりわからない怖い女だ。ただ、ヤクザには異常なまでの憎しみを持っているらしい。この辺が彼女の過去と関係があるというわけだね、きっと。

   毎回、派手なアクションシーンも出てくるが、キレもあり、スタントなしでやっているというのはすごい。カメラの力もあるとは思うけど。髪の毛で前が見づらそうだから、ケガしないようにね。

   スカッとするキメ台詞もある。「一筆頂戴いたします」(足抜けした組員がもう組と関係ない旨の念書を組長に書かせる時)、「良かったです、先に手を出していただけて」(これからヤクザを叩きのめす時)。これ流行らないかな?

オネエ風「勝地涼」気に入った!妙に丁寧な言葉使い、フリル付きエプロン姿・・・

   大島優子を固める脇が個性派ぞろいで見ものだ。「トリック」「ケイゾク」「SPEC」と同様、変人の男女ペアものなので、相棒がいる。今回はものすごく高さのあるリーゼントにコテコテの関西弁をしゃべる刑事、三ケ島翔(北村一輝)がそれだ。北村の関西弁に違和感を覚えなくもないが、人情味あふれる役柄で憎めない。

   麦秋の敵の関東貴船組組長を演じる遠藤憲一は凄みのあるルックスながら、いい人から悪い人、普通の人から変人までこなせるすばらしい役者だが、やっぱりヤクザ役は直球ど真ん中。クラシカルな雰囲気の事務所を構える大物ヤクザの親分がしびれるほどかっこいい。

   でも、一番気に入ったのが麦秋の同僚の佐野直道(勝地涼)だ。麦秋のことを「麦ちゃんさん」と呼び、「お彼氏ですか?」など妙に丁寧な言葉を使い、職場でフリル付きのエプロンを着けて料理するなど、オネエじゃないのにオネエ風という不思議なキャラで目が離せない。彼もエリート部署から異動してきたということで、何かの伏線が用意されていそうな雰囲気で今後が楽しみだ。

   他にも、麦秋の母に名取裕子、足抜けコールの上司に田中哲司、麦秋を目の敵にするマル暴刑事に岡田浩暉(バンドのボーカルだったとはとても思えないグデグデのヨレヨレぶりがシュールで実によい)、ゲスト出演の元ヤクザにでんでん・・・と濃いキャラクターがいっぱい。彼らがどっぷりと堤ワールドを楽しんで演じているのが伝わってくる。そんな中、座長としての存在感を失っていない大島は見上げたものだ。

   惜しいことに裏がキムタクの「アイムホーム」である。21時より数分早く始めるなど涙ぐましい努力をしているが、やはり視聴率は伸びていないとのこと。今のところ、今クールのイチオシなことは間違いない。(木曜よる9時)

(カモノ・ハシ)

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