大阪だけじゃない「二重行政」解消に動く政令市―林文子・横浜市長「事務・事業引き受けるから県税戻して」

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   大阪都構想をめぐる住民投票で問われた政令指定都市の「二重行政の弊害」は、なにも大阪に限ったことでははい。横浜や京都など他の政令指定都市でも活発に議論されている。ただ、橋下徹大阪市長のように「市の廃止」を訴えるではなく、逆に市の権限を強化し、事実上、道府県からの自立を目指す動きが大勢だ。

   NHKが大阪を除く19の政令指定都市にアンケートしたところ、「市を廃止」という回答はゼロ、「都道府県と同等の権限を持つ特別自治市へ移行」を目指すというのが10市あった。

   岩手県知事や総務大臣をつとめた東京大学大学院の増田寛也客員教授が言う。「住民投票で問われた『二重行政を解消して強い大阪を作る』という点では、多くの人が賛成したんじゃないでしょうか。しかし、その手法として大阪市を壊すというのはどうなのか。おそらく『市を潰して道府県に吸収する』という流れは、他の政令市は取らないと思います。むしろ、県よりも政令市が大きな権限を握るという方向になっていると思います」

市民が納める巨額の県税が他の市町村に・・・

   現在、横浜市が集めている「市税」は700億円で、これはそのまま横浜市の財源となっている。一方、横浜市民が神奈川県に納める「県税」は4600億円にもなり、横浜市だけでなく他の市町村にも使われている。これを改め、県税の4600億円についてもすべて横浜市で使おうというのが「特別自治市構想」だ。

   横浜市の林文子市長はこう言う。「(人口減少や高齢化社会などで)財源不足は待ってられない状況にあります。そのためには、事務・事業は全部横浜市が引き受けるので、財源をセットでいただきたいと考えています」

   増田教授もこう話す。「(都道府県と市町村という)制度が金属疲労を起こしていることは間違いないと思います。地方活性化のためには、政令市がエンジンにならなければというのも間違いないでしょう。問題は周辺の自治体との調整です。今後はこの点がポイントになってくると思います」

   橋下市長は目の付け所は良かったが、手法が逆だったということか。

ビレッジマン

NHKクローズアップ現代(2015年5月18日放送「地方自治はどこへ~「大阪都構想」が問いかけたもの~」)

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