2024年 4月 26日 (金)

<マザー・ゲーム~彼女たちの階級>(TBS系)
決め台詞キマらない連ドラ初主演・木村文乃!ドラマ見せ場で拍子抜け・・・

   名門幼稚園が舞台の母親たちのドラマと聞いて、すぐに前にフジテレビ系で放送された「名前をなくした女神」(2011年4~6月)を思い出した人も多いだろう。ウラオモテだらけの会話、嫉妬、噂話、見栄、嘘、裏切りがママ達の間で交錯するというなんとも疲れる話の基本は同じだ。ボスキャラのママあり、子供のお受験費用やママ友交際費を捻出するために水商売に手を出すママあり、プチ不倫ママありと、登場人物の設定も一緒である。最初は「名前を~」のリメイク? いやむしろ再放送かと思ったぞ。

見たことあるよなセレブママたちのドロドロ劇

   「名前を~」がドロドロしたママ友の世界を生き抜いた普通のサラリーマン家庭の妻(最後はお受験に見事合格)を描いたのに対し、こちらはもっとセレブだらけの幼稚園で、バツイチシングルマザーの主人公・蒲原希子(木村文乃)が、自分の思いをストレートに口に出し、周りの母親たちの考えや行動を変えていくという仕立てとなっている。ま、いっそう格差が広がった現実を反映しているのかもね。

   ともあれ、同一の価値観を持つ集団の中に異分子が入ることにより、その集団が変化し成長する物語であり、それ自体はよくあるわかりやすい形である(でも「マザー・ゲーム」というタイトルは合っていない。ついでにサブタイトルが余計)。

   セレブ幼稚園が舞台ということで、漫画的セレブの世界(年収何千万円、豪邸に住み、送迎は高級車、高級ブランド品で固めた隙のないメークとファッション)が垣間見えたり、表面上は優雅なママたちがそれぞれに抱える苦しい実情(ギャンブル依存、姑のモラハラ、夫の不倫など)にドキドキしたり、かと思えば親子愛にホロリとさせられたりと、そこそこ楽しめる内容になっている。Superflyの主題歌も女性の強さを感じさせて良い。

不倫妻の安達祐実にものすごい色気・・・うまいね

   木村文乃が初の連ドラ主役である。美人なのになぜか笑顔がかわいくない(不思議だ)けど、ただ一人の庶民派ママはけっこうサマになっている。

   ママたちの中で目をひくのは、ママ・カースト最上位に位置する小田寺毬絵(檀れい)。群を抜いたセレブという設定で、身に着けるものすべてが高そうだが、それ以上に圧倒的に美しい。もう一人、意外なキャスティングに感じたのが後藤みどり(安達祐実)。娘の通うスポーツ教室の先生(上地雄輔)と不倫する役だからか、安達は子役の面影はどこへやら、ものすごく色気がある。上手ってことだね。

   対する夫たちはろくなのが出てこない。希子の元夫(岡田義徳)はシェフの修業をするという名目で突然いなくなったと思ったら、また現われて希子のお金を勝手に持ち出す最低な奴だ。姑のモラハラに必死で耐える矢野聡子(長谷川京子)の夫は、家族の会話が聞こえないよう、あろうことか耳栓をしている。

   元キャリアウーマンのみどりの夫は、みどりの留守中に不倫相手を家にあげてイチャイチャと残念すぎる夫のオンパレードだ。まだましなのは毬絵の夫だが、なぜか常に毬絵に対して敬語を使い他人行儀なのだ(この謎は今後の展開で明らかにされそうだ)。

   だが、一番残念なのは希子の決め台詞だ。毎回、凝り固まった考えに固執し、子供につらい思いをさせる相手への決め台詞、つまりこのドラマの根幹の部分だと思うのだが、それが「はっきり言わせていただきます!」なのである。

   こっちもはっきり言わせていただくと、これじゃ迫力なくて普通すぎ! 決め台詞なんだから、流行語大賞を狙う勢いでもっとひねって欲しい。(火曜よる10時)

(カモノ・ハシ)

姉妹サイト

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中