麻薬逮捕のトヨタ女性常務かばう豊田章男社長「大切な仲間」甘い認識で大丈夫か?

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   6月18日(2015年6月)、トヨタ自動車の女性常務役員ジュリー・ハンプ氏(55)が麻薬取締法違反(輸入)の疑いで、警視庁組織犯罪対策五課に逮捕された。超一流企業の役員がなぜ? そう思った人は多いだろう。

   逮捕容疑は麻薬である「オキシコドン」を含む錠剤57錠を密輸したというものだ。『週刊文春』によれば、アメリカのセレブの間でオキシコドン中毒者が増えており社会問題化しているという。薬物依存厚生施設「東京ダルク」の近藤恒夫氏が解説する。

<「もともとは末期ガン患者に使用される鎮痛剤で、医療用麻薬です。モルヒネが効かない患者に使われるため、相当強く、乱用すると多幸感と陶酔感が得られ、抜け出せなくなります。医者の処方箋があれば手に入るので、医師にパイプのあるエリートやセレブを中心に、乱用が広がっています。09年に亡くなったマイケル・ジャクソンも、オキシコドンの依存症でした」>

   ハンプ氏は1959年にニューヨーク州クイーンズ地区で生まれた。ミシンガン州に移り、州立大学でコミニケーションを専攻し、同州のデトロイトに本社があるGMに入社した。GMでは南米、中東、アフリカの最高広報責任者(CCO)を経て、GMヨーロッパの副社長になったという。2012年にCCOとして北米トヨタに移籍し、今年4月、複数の候補の中から本社役員に抜擢されたそうだ。

   週刊文春で捜査関係者は<「ハンプ容疑者は、取り調べに対して、麻薬だとわかって輸入したことをすでに認めている。強力なヤメ検弁護団を使って国外退去処分は避けたいと考えているようです」>と語っているが、このままトヨタにいられるのだろうか。

   彼女が逮捕された翌日、トヨタ本社の会見場で豊田章男社長は約200人の報道陣を前に、こう話している。「ハンプ氏は私にとってもトヨタにとっても、かけがえのない大切な仲間でございます。従業員は私にとって、子どものような存在です。子供が迷惑をかければ謝るのは親の責任。ハンプ氏に法を犯す意図はなかったと信じています」

   よほど豊田社長に目をかけられているようだが、こうした軽率な間違いを犯す人間が広報の最高責任者では、トヨタの前途に暗雲漂う気がしないでもないが。

安倍首相「安保法制暴走」体調悪化で焦ってる?精神的に疲れ30分に1回トイレ

   会期を大幅延長して集団的自衛権行使を含めた安保法制を成立させたい安倍首相だが、ここへきて新聞の世論調査で支持率が大幅に落ちてきている。さぞ頭の痛いことだろう。

   『週刊現代』は安倍首相のオフレコ発言の中に重大な問題発言があると報じている。官邸記者クラブのキャップが集うオフレコの懇親会、いわゆる「オフ懇」というのがある。6月1日の午後7時過ぎに、赤坂の老舗中華料理店「赤坂飯店」のオフ懇に出席した安倍首相は、到着してすぐに注がれたビールを飲み干したそうだ。この日は町村信孝前衆院議長の訃報があり、このあと目黒の町村邸を弔問に訪れる予定だったにもかかわらずである。

<さらに安倍総理は、こうも言った。話題が集団的自衛権のことにさしかかった時である。「安保法制は、南シナ海の中国が相手なの。だから、やる(法案を通す)と言ったらやる」 要するに安倍総理は、中国を自衛隊と米軍の「仮想敵国」だと考えている。
   この「誰もがうすうす感じているけれど、決して口にはしてはならないこと」を、あろうことか、当の総理が認めてしまった>(週刊現代)

   集団的自衛権は違憲だという憲法学者や多くの有識者の反対、世論の高まりもあり、ある自民党衆院議員がこういう。<「ここは焦らずに、一度引いて仕切り直したほうがいいという声も党内では出始めています」>

   しかし、安倍は夏が終わるまでに押し切るという構えを崩そうとしない。その理由を、またしても体調が悪化してるからだと明かすのはある自民党関係者だ。<「長年の悲願である憲法改正までたどり着けないのではないか、という懸念が総理の中で出てきているんですよ。

   ここ最近官邸でよく言われているのは、トイレの回数がやたら増えている。30分に1回行く日も珍しくなくて、そんな時は『ちょっとヤバいね』と噂になっているんです。精神的にもかなり疲れていますからね」>

   支持率も下落してきている安倍首相だから、そろそろポスト安倍を考えたほうがいいと『週刊ポスト』が特集を組んでいる。これで強行採決でもしようものなら、支持率は20%台まで落ち込むことは間違いない。ポスト安倍が現実問題になってくるのはそう遠い先ではない。

   だが、政治家OBや政治評論家、政治部記者37人にアンケートした結果は、失礼だがバカバカしいものである。安倍首相が電撃辞任した場合のベスト3は谷垣禎一、麻生太郎、菅義偉の順だ。安倍首相が任期満了した場合の候補ベスト3は稲田朋美、石破茂、岸田文雄。望ましい総理候補のベスト3は菅義偉、小泉進次郎、橋下徹だそうな。

   この中で目新しいのは小泉進次郎だけ。稲田のポスト安倍は絶対ないと私は思っている。やはり深刻なのは人材不足ということだが、見方を変えれば、安倍首相でもできるのだから誰でもいいということではある。

元少年Aの手記「絶歌」ゴーストライターの作?微妙に文章が違う一部と二部

   酒鬼薔薇聖斗事件の元少年Aが手記「絶歌」(太田出版)を発表して以来、大きな波紋を広げて今も収まらない。だが、この手記をA自身が書いたのかと疑問を持つ人も多いようだ。その疑問を解く鍵が週刊ポストに載っている。週刊ポストは2001年3月9日号に「全文掲載 18歳・酒鬼薔薇が綴った『700字小説』」という特集を組み、そこでAの書いた「作文」を紹介しているからだ。

<18歳の青年Aが書いた小説の一部を改めて抜粋する(以下、すべて原文ママ)。
   《題 愛想笑いに手には名刺を
   『桜木町』、『桜木町』。僕の横から現れた彼女に風太郎は書きかけの手帳を慌てて仕舞い込む。彼女の口許には絶えず微笑が刻み込まれているがまだ、十代のあどけなさが残っている。
   『この乗り物は、桜台二丁目まで行きますの?』はっと我に返った僕は職業心が芽生える。まだ間もない身ではあるが、
   『奇遇ですね、私の地本なんです』
   奇妙なタイトルもさることながら、内容も要領を得ない。誤字も散見された>(週刊ポスト)

   この短編小説と今回の手記を比べると、文章力は格段に進歩している。同じ人間が書いたものと思えないと週刊ポストはいっているが、大方はそう思うだろう。出版関係者もこう話す。<「いかにも文学青年崩れが書きそうな修飾過多の文章からは、一部ではゴーストライターの作に違いないとみられている」>

   邪推すれば、最初にAの原稿を出そうとした幻冬舎の見城社長はもともと作家志望だったと聞く。彼の手が入っているのではないのか。

   遅ればせながら私も読んでみた。第一印象はこの文章は『作家崩れ』の編集者の手がかなり入っていると思った。それに一部と二部の文章が微妙に違う気がするのは担当編集者が替わったからだろう。

太田出版・岡聡社長の無知で無神経な例え「野菜切るのに切れ味いい包丁提供」

   内容は一言でいえば手記ではなく『できの悪い』私小説である。亡くなった祖母の死やナメクジの解剖、猫を殺すシーンは克明に書いているのに、事件については拍子抜けするぐらい触れていないのは、Aと担当編集者にこの本をなぜ出すのかという根本的な問題意識が薄いからであろう。本の中でAが自分はカネに対する執着心が強いといっているが、本を書いたのはカネを稼ぐことが目的だったのではないのか。「僕にはこの本を書く以外に、もう自分の生を掴み取る手段がありませんでした」という切実なものはほとんど感じられない。

   これが18年もの間、自分が犯した罪と向き合ってきた人間の書いたものなのか。Aと編集者が真剣に彼が起こした事件について議論を積み重ねた痕跡は読み取れなかった。こういう箇所がある。十代の少年から「どうして人を殺してはいけないのですか?」と聞かれ、今の自分ならこう答えるという部分である。

<「どうしていけないのかは、わかりません。でも絶対に、絶対にしないでください。もしやったら、あなたが想像しているよりもずっと、あなた自身が苦しむことになるから」
   哲学的な捻りもない、こんな平易な言葉で、その少年を納得させられるとは到底思えない。でも、これが少年院を出て以来十一年間、重い十字架を引き摺りながらのたうちまわって生き、やっと見つけた唯一の、僕の『答え』だった>

   お前は、自分が殺した被害者や遺族の「苦しみ」は考えたことはないのか。思わず本に向かって叫んでしまった。第二部は母親や弟たちへの愛を告白しているが、自分が殺めた2人への懺悔の言葉は限りなく軽い。

   私は以前からいっているように、こうした本を出すべきではないというつもりはない。卑劣な殺人犯の手記であろうと出すことを規制してはいけない。だが、そうしたことを踏まえて考えてみても、この自慰行為のような独りよがりの未熟な本をこの段階で出すべきではなかったと、一読して思った。まれに見る「駄作」を世に出してしまった出版社と編集者は、出版界が劣化していることの象徴である。

   『週刊新潮』が太田出版の岡聡社長をインタビューしている。なかなか興味深い。岡社長は<「野菜を切るための包丁を売ったのに、その包丁が人殺しに使われてしまった。それで、『売る時に人殺しに使われると思わなかったのか』と責められてもねえ。我々は野菜を切るために一番切れ味の良い包丁を提供した。どこのものよりも野菜を切るのに役立つと思って出版したんです」>

   バカないい方をしたものだと思うが、週刊新潮もこう難じる。<彼は知らなかったのだろうか。事件当時、少年Aが犯行声明に「汚い野菜共には死の制裁を」と記していたこと。事件後に母親と面会した少年Aが、「弱い者は野菜と同じや」と言い放ったと報じられていることを。つまり、被害者を「野菜扱い」していたことを・・・>

   週刊文春でノンフィクション作家の高山文彦氏がいっていることが的を射ていると思う。<金銭を得ることを最優先に考えたため、このようなレベルの低い代物が出来上がったのでしょう。(中略)本来、出版社の大人たちがAに対し、世の中の道義・論理を諭すべきなのに、一緒になって金儲けに走っていて、呆れる他ない>

   ネットではAの実名はもちろん、彼が今どこにいるのか探しが始まっている。本を出したため、母のように慕っていたという精神科の女医や支援してくれていた人たちからも批判され、再び世間の好奇の目にさらされることになったAのこれからは、これまで以上に茨の道が続くことになる。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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