障害者雇用で売り上げ5倍!惣菜会社の逆転発想「みんなプロフェッショナルになってもらおう」
2015.06.30 13:05
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国の「就労継続支援A型事業所」制度活用してOJT
次に紹介されたのは国の福祉制度を上手に利用している「クック・チャム」(愛媛県新居浜市)という惣菜の製造・販売を行っている会社だ。雇い入れている障害者は17人。この人たちは正確に言えばクック・チャムの社員ではない。就労継続支援A型事業所という制度を使って、いわば職業訓練の場として別に設立された事業所の職員として雇い入れている。
この制度を利用すると、職業指導員などの配置基準を満たせば、国と自治体から雇用人数に応じて訓練費などが事業所に支給されるのだ。この会社では、能力を蓄積した障害者をクック・チャムの正社員として登用する。
驚くのはその業績だ。揚げ物の衣づけなど手間のかかる作業を分業化した結果、売り上げをおよそ5倍になったという。クック・チャム社長の藤田敏子さんが言う。「うちには(事業所で働く障害者は)必要不可欠ですね。やっぱりその人なりのプロフェッショナルになって欲しいと思います」
国谷裕子キャスター「就労継続支援A型事業所という制度をどうご覧になりますか」
眞保教授「非常に上手に使って障害者を育成しているなと感じました。惣菜会社の一部分をA型の会社でやることで、そのままOJT(従業員教育)になっていますし、その訓練コストを国が負担してくれるとなれば、企業にとってもメリットがあると思います」
ビレッジマン
*NHKクローズアップ現代(2015年6月29日放送「あらゆる人材を戦略に~変わる雇用の現場~」)