「在宅勤務」進化中!残業・経費減り、社員満足度や一人当たり売り上げはアップ

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   「在宅勤務」の進化によって、働く場所、時間にとらわれない新たな働き方が次々と登場している。導入したある大手IT企業では、「残業時間」「旅費・交通費」が減り、「社員満足度」「一人当たり売り上げ」が大きく伸びたという。会社が儲かって社員も喜ぶならこんな結構な制度はないが、労働政策研究・研修機構の調査によると、在宅勤務を制度として実施している企業はまだ全体の1・7%に過ぎない。踏み出せない理由として、多くの企業が「在宅でできる仕事がない」「社員がサボるのではないか」「情報漏れが心配」などを挙げている。

   こうした課題をさまざまな工夫でリカバリーする企業も現れている。

社員全員がスケジュール共有して問い合わせにも対処

   「在宅でできる仕事がない」という課題に対処したのは「リクルートマーケティングパートナーズ」(東京・中央区)だ。社員およそ1200人。結婚情報誌などを発行する情報サービス会社で、打ち合わせや対面での業務が多いため、普通なら在宅勤務は無理と考えられがちだ。しかし、社員全員が1日のスケジュールを共有し、外回りの情報などを細かく伝え合うことで乗り越えた。社員同士が互いのスケジュールを把握することで、取引先からの急な問い合わせにもすぐにテレビ会議で対応できるようになったからだ。これまでに300人が参加し、その6割が「より効率的に仕事ができるようになった」という。

   人事統括部の岡理恵子さんは「一番大きな目的は全従業員の生産性をより上げていくこと。在宅勤務が機能するんだなということが分かりました。成功だったと捉えています」と話している。

   「サボるのではないか」という課題に「見える化」で対処した企業がある。インターネット通販関連の会社「コマースデザイン」(東京・目黒)は在宅の社員がちゃんと仕事をしているか、逆に働きすぎていないかを確認するため、仕事を中断するときは作業中のパソコン画面の「退席」ボタン、席に戻ったら「着席」ボタンをクリックする仕組みを取り入れた。これだけだとウソ申告も可能だが、仕事中のパソコン画面が定期的に保存される仕組みも併用したため、東京の本社で実際に働いた時間を把握できるようになった。

   代表取締役の坂本悟史さんはこう言う。「とくに子供さんがいる方は席をはずしたりするケースが凄く多いですが、キッチリ見える化することで会社も安心して仕事をお願いすることができるようになりました」

給料・人事評価に差が出る?在宅組と通勤組

   IT企業「サイボウズ」の社長で、総務省「ワークライフバランスを推進するプロジェクト」の外部アドバイザーを務めている青野慶久さんが言う。「いろいろ問題は出てきますが、そのたびに課題を設定して乗り越えていくしかないと思います。全部の企業が同じことをする必要はありませんが、問題があれば1個1個、個別に対処していくというサイクルに入れるのが成功のコツじゃないかと思います」

国谷裕子キャスター「一番気になるには、在宅で働いている人と毎日会社に来ている人をどうやって公平に評価するかだと思います。サイボウズではどうしてますか」
青野社長「社員同士を比較するのは難しくなってきます。そこで、私たちが行き着いた答えは公平じゃなくてもいいやということです。むしろ、この人は転職したらいくらぐらいなのか、市場性と呼んでますが、これを提示して納得してもらってます」

   少子高齢化で働き手の数が減り続ける中、在宅勤務のような柔軟な働き方がますます重要になる。

*NHKクローズアップ現代(2015年8月3日放送「もう会社には通わない~在宅勤務『革命』~」)

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