2024年 5月 8日 (水)

「被爆体験」聞こうとしない日本人!語る場は減り、小中学校からは「政治的発言困る」

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被爆者の平均年齢80歳超・・・いま聞いておかねば

   祖父を原爆で亡くし、祖母と母も被爆した原爆資料館の外部アドバイザー、直野章子・九大准教授に、国谷裕子キャスターが「被爆者の方々の語りを全体として受け入れにくい素地が出てきているのでしょうか」と聞く。

   「被爆者の話は、原爆の凄惨な惨状を話し、最後に核兵器廃絶と平和の大切さを訴える。ある種、定型化した語りのように受け止める風潮があり、そうして定型化したイメージによって、もう聞かなくてもいいのではないかという考えが一部であると思います。

   しかし、決して定型化した語りでは言い尽くされるものではありません。たとえば、兄が自分の子どもの遺体に火を付けることができず、代わって弟が号泣しながら甥っ子の遺体に火を付ける話もある。子どもたちも心に届く話もあるわけです。

   被爆者の証言は、聞き手と語り手の共同作業だと思います。被爆者は辛い体験を語ことによって少しだけ重荷から解放される。それが受け止めてもらえなかった場合、かえって疎外感が強まると思います」

   2度と誰にも同じ思いをさせたくないという思いを伝える被爆者の方々の平均年齢が80歳を超えた。伝え聞きや映像で知るのと、直に本人から聞くのとでは実感がまるで違う。これら被爆者から惨状を直接聞くことができるのは、いま生きているわれわれが最後になることを肝に銘じるべきだろう。

NHKクローズアップ現代(2015年8月5日放送「ヒバクシャの声が届かない~被爆70年『語りの現場』で何が~」)

モンブラン

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