2024年 4月 27日 (土)

今秋上場「日本郵政株」前評判ほど儲からない?規模大きすぎて初値リターン数%

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   株にはまったく関心のない私だが、バブル真っ只中の1987年2月に上場されたNTT株のバカ騒ぎのことはよく覚えている。買えば必ず儲かると私の周りでも申し込んで、何口当たったなどと喜んでいたヤツが何人もいた。売り出し価格が120万円近いのに。

   たしかに上場初日は買いが殺到して値がつかず、翌日ついた初値が160万円だから、その時点で40万円の儲け。2か月後には318万円までいったから、1口でも200万円近く儲かる計算になる。

   だが、そこで味わったうま味を忘れられなくて株にのめり込み、バブル崩壊とともに大損をしたヤツもたくさん知っている。儲けるだけ儲けてさっと手を引くのが玄人、後から手を出して高値で買って損をするのが素人の個人投資家と相場は決まっている。

   『週刊ポスト』はこのところ『週刊現代』のお株を奪うかのように、株の値上がりを煽る記事が多いが、今週は「日本郵政株でひと儲けしよう」という記事を巻頭でやっている。市場の起爆剤として、今秋(2015年)予定されているのが日本郵政グループ3社の大型IPO(新規上場)である。日本郵政とゆうちょ銀行、かんぽ生命保険を同時上場させる試みは、今年6月30日に東証へ上場の本申請を終えているそうだから、通常は申請から承認まで3~4か月ほどかかることから、10月にも上場すると見られているそうである。

   グループの稼ぎ頭であるゆうちょ銀行の預金残高は166兆円で、メガバンクトップの三菱東京UFJ銀行を約50兆円上回るという。純資産で見ると、郵政グループの約15兆円に対し、当時のNTTは約11兆円とこれまた巨大である。当時、165万株のNTT株に群がった個人投資家の約3割は株式投資の初心者だったといわれる。

   夢よもう一度。21世紀最大のIPOとなる日本郵政株はどうすれば入手できるのか。どの証券会社でもいいというわけではないと週刊ポストはいう。財務省理財局政府出資室の担当者はこう説明する。

<「野村證券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、ゴールドマン・サックス証券、JPモルガン証券の4社を中心に、大和証券やみずほ証券、SMBC日興証券など11社が主幹事証券会社となり、その下に(数十社規模の)他の証券会社がシンジケート団を構成して引き受ける予定です」>

   このシンジケート団に入る引き受け証券会社でなければIPO株を取り扱えないのだそうだ。この時注意しなければならないのは、人気銘柄は仮条件価格帯の上限価格で決まることが多いので、上限価格で申し込むことだという。

   東京IPO編集長の西堀敬氏はこう指摘する。<「大手では1億円以上の残高を有するような大口顧客が優先されるため、小口顧客や新参者はなかなか食い込めない。最近ではネット証券が引き受け証券会社に名を連ねるようになり、その多くは1人1口しか申し込めない完全抽選なので、初心者ならネット証券で片っ端から申し込むほうが取得できる確率は高い。

   意外な狙い目は、対面営業主体の中小証券会社。今回の主幹事でもある岡三証券や東海東京証券のような準大手以下の中小では、取引先の拡大を目指して新規取引でも融通してくれる場合があります」>

   上場承認が発表されてから1か月ほどの間にブックビルディング(申し込み)が実施されるので、それから口座開設しても間に合わない。10月上場なら9月後半に上場承認となるので、遅くとも9月の連休前までに口座開設を済ませておいた方がいいと西堀氏はいう。

<政府にとって日本郵政グループの上場は個人投資家の裾野を広げるチャンスでもある。各社30万円前後にして100万円枠に抑える価格設定はあり得る。
   IPO投資の醍醐味は公募価格を大きく上回る初値で売ることだが、これに関しては「何しろ規模が大きいので公募価格と同値か、せいぜい数%の上昇で、初値で大きなリターンは望みくい」と見る市場関係者がほとんどだ>(週刊ポスト)

   だが、日本郵政株には市場の論理を超えた力が働くことに留意する必要があるとも週刊ポストはいう。財務省関係者がこう語っている。<「郵政株の売却益のうち4兆円は復興財源確保法に基づき、東日本大震災の復興財源に充てられる。第1次放出後に値が下がり、第2次放出以降に買い手がつかなければその計画が狂う。国が最大の上場益を得るために、政策的に高値に誘導する可能性は否定できない」>

   要はどうなるかわからないということだ。しかもNTT株の時のようなバブル景気ではないから、あのような狂騒が起きるとは思えない。政府の提灯持ちのメディアは煽るだろうが、もちろん私は買う気はまったくない。

早実・清宮幸太郎「ビッグマウス」も父を追い抜きたい?あす8日に甲子園登場

   猛暑日が続いている。たしかに暑いが、夏は暑いものだから愚痴っても仕方ない。私の暑さ対策はアイスキャンディ「ガリガリ君」のソーダ味の爆買いと昼寝である。「ガリガリ君」はいろいろな味を試してみたがソーダ味がベストだ。クーラーを弱めにしてガリガリを2本囓ってから、YouTubeでハワイアンを流しながら昼寝する。気分は湘南、極楽である。

   夏の甲子園が始まった。今の時点で注目の早実・清宮幸太郎は出ていないが、メディアは早くも熱狂といってもいいほど加熱している。週刊現代、週刊ポストを見てみよう。週刊現代では元巨人軍の篠塚和典氏が清宮のバッティングをこう解説する。

<「まず、構えたときのバットの位置が良い。左肘を高く上げているので、力強いスイングにつながっています。それに、インパクトの瞬間も良いですね。右肘が締まっているから、きちんとバットのヘッドが走っている。ただ、まだ上体の力で打っている印象なので、もっと下半身の力を使って打ってほしい。とはいえ、まだまだ伸びしろがあるということ。天性のパワーに技術がつけば、とんでもないバッターになりますよ」>

   原辰徳、清原和博、松井秀樹、高橋由伸、中田翔など高校1年の夏に甲子園に出場した選手たちは、プロ入り後もすぐにチームの主軸として活躍している。身長184センチ、体重97キロの右投げ左打ちに期待が高まる。

   週刊ポストではこの父にしてこの息子ありだと、父親・克幸氏について詳しく伝えている。克幸氏は早稲田大のラグビー部のナンバーエイトとして2年生で日本選手権優勝。主将を務めた4年生で全国大学選手権優勝、卒業後はサントリーの主力として活躍した。引退後の01年には、当時低迷していた母校・早稲田の監督に就任して3度の大学選手権優勝に導き、その後も社会人のサントリー、ヤマハの監督として優勝を果たすなど名将として知られている。

   父親も「ビッグマウス」で学生時代から注目を浴びてきたそうだ。当時から克幸氏を取材してきたラグビージャーナリストの村上晃一氏がこう語る。<「87年12月の『雪の早明戦』として今もファンの脳裏に刻まれる伝説の試合は重量フォワードを擁する明治が圧倒的有利。しかし、克幸氏は『明治のフォワードに破壊力はない、勝てますよ』と自信に溢れていた。実際、明治のラスト間際の猛攻をしのぎ早稲田が勝った」>

   早稲田の監督に就任した1年目の01年、それまでまったく歯が立たなかった慶応を相手に「30点差で勝つ」と宣言して、本当に33点差をつけて勝利したのである。そして、「これぞ清宮」という発言が03年4月、日本代表レベルでも勝つのが困難とされたニュージーランド学生代表に早大が勝利したときの発言だ。記者会見場に入った監督の克幸氏は開口一番、報道陣に向かってこういった。

「あれェ、(祝福の)拍手がないんですけど? 僕たち、すごいことをやったはずなんですけどね?」

   幸太郎は「自分はまだ清宮ジュニア」、これから「清宮幸太郎になっていつか(父を)追い抜きたい」とコメントしているが、その意気やよしである。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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