<破裂>(NHK総合)
悪魔官僚・滝藤賢一の「高齢者大量安楽死計画」にドキドキ!元気になっても半年後に心臓破裂の新療法

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   破裂! 何が破裂するのかって? 心臓である。遅刻しそうになって階段を駆け上がり、「お待たせェ、久しぶりに走ったら、もう心臓が破裂しそう、ハアハア」とか、カベドンされてドキドキ、「心臓が破裂するかと思ったァ」なんて、つい言っちゃいそうだけど、チッチッチッ、そんなもんとは違う。本当に破裂するんだぜ、心臓がドッカーン!

   怖い、の一言に尽きるドラマである。なぜなら、背景となっている超高齢化による医療・介護費の膨張で保険財政が破たん寸前という状況は、この瞬間も秒読みで進んでいるからだ。終末期医療費は保険財政を圧迫し(死亡1年前、とくに半年前から医療費が急激に上昇する)、そしていまや国民の20人に1人が要介護者なのである(2015年3月現在)。

「日本の老人は脳血管は弱いが心臓は強いからなかなか死ねない」

   国民生活省の切れ者官僚・佐久間(滝藤賢一)によれば、「なぜ日本が長寿世界一か。医療が無軌道に進歩したからだ。しかも、日本の老人は脳の血管は弱いが心臓は強いから、寝たきりになってもなかなか死ねない。これに対し、欧米人は食生活の違いから心臓発作でぞくぞく死ぬ。だから介護負担はそれほど増えない」のだそうだ。

   そこで国を憂える(と言っていいのかな)天才官僚が目を付けたのが、野心家の心臓外科医・香村(椎名桔平)の研究だ。薬を点滴投与することによって心筋を若返らせる画期的な新療法である。

   ただし、この療法には香村本人もまだ気づかない副作用があった。心臓が若返り、元気に活動していても、半年後にいきなり心臓が破裂して死んでしまうのである。香村は新療法開発の記者会見直後に、実験動物の犬が急死したことでそれを知り、愕然とする。

   佐久間の狙いは明らかだ。この副作用を利用して寝たきり老人を一気に減らそうというのである。佐久間に言わせれば、「老人たち自身も寝たきり状態でただ生きていることは望んでいない。最後まで元気に活動して、あっという間に死ぬ、ピンピン、ポックリを望んでいるのだ」

   うーん、それも事実なんだよなあ。私の父は大好きな釣りに行き、いつものように釣り仲間となじみの飲み屋で大いに飲んで、肩を組んで帰ってきて、いつものように寝て、翌朝、起きてこなかった。73歳だったから平均寿命からすればやや早いが、だれもがみんなその死に方を羨ましがった。なお、ご参考までに言うと、彼は365日飲んでいた。

治験第1号は「国民的名優」仲代達矢の迫力

   佐久間がなぜ研究した本人より先に副作用に気づいていたかというと、まあ、本人より優秀だったからだろう。療法の作用機序(効く仕組み)から推測してあり得ることだと考え、犬より先に実験動物としたウサギを手に入れて確認していたわけだ。

   この骨子に、治験者第一号となる香村の父・倉木(仲代達矢)や、元恋人の弁護士・松野(坂井真紀)と香村との愛憎が絡んでいく。老いた国民的名優という役どころの仲代達矢の迫力が見ものだ。

   悪魔的なまでの「愛国者官僚」佐久間の信念がどこからきているのか。その謎は「俺は人を殺したことがある。その時、見えたんだよ。自分のやるべきことが」という言葉にあるようだ。気になるのなら原作を読むという手もあるが、ここはドキドキしながらドラマの展開を待とう。心臓に悪そうだけど。(放送土曜日よる10時~)

(カモノ・ハシ)

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