2024年 5月 1日 (水)

「町内会」もういらない?転入住民は未加入、役員たちは「仕事多くてしんどい」

自治体から次々押しつけられる下請け業務

   新しい在り方を模索する町内会も出てきた。260世帯が住む福岡市の団地は町内会の業務を洗い出し、ほとんどをやめることにした。男女共同参画推進協会、福祉文化祭、体育振興会、夏祭り、防災訓練、行政との交渉・・・行政から下りてきた下請的な業務を中心に年間30近くあった。これらの業務をほとんどやめて会費もゼロにし、必要に応じて寄付を募る方法を選んだ。

   タワーマンションが建ち並び、人口増加率が全国トップクラスの川崎市の武蔵小杉では、町内会やマンション住民、管理組合の代表が集まって、従来型の町内会の殻を破ったNPO法人を設立した。法人化したことで信用力が付き、地元企業からの補助金も得やすくなった。今夏には20年ぶりという盆踊りの開催にこぎげつけた。

   この新たな2つの模索について、玉野教授はこういう。「行政じゃないんですから、住民が相談して業務を減らして本来の姿に戻すのがいいですよ。義務化はみんなで納得してやっていたのを台なしにするので逆効果です。NPO法人は一つの試みとして、行政と対等に話し合うことができるし、それはその方が良いと思います」

   形骸化、弱体化がすすむ町内会を、今後の安全・安心で住みよい暮らにどう役立てるか、住民が本腰を入れ考える時期が来ているようだ。

モンブラン

*NHKクローズアップ現代(2015年11月4日放送「町内会が消える?~どうする 地域のつながり~」)
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