原節子「東京物語」台本になかった大泣き!私ズルいんです・・・戦意高揚映画に出演した罪悪感
2016.01.27 13:00
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突然の引退にも戦争の傷
原が誰にも告げずスクリーンを去ったのは、この東京物語のシーンを演じた10年後のことだった。ゲストの映画監督の周防正行さんはこう語る。「私も『私、ズルいんです』というシーンに心をつかまれました。人間の美しさに救われたような気がして。いまあのシーンを見ても、原節子さんの人間性というか、ピュアな思いっていうのが伝わってくる。それで感動するんだと思います。僕もあのセリフ、芝居にやられちゃったなと思います」
真下貴アナが周防監督にこう質問した。「それは単に役者として、役柄があって台詞があってというだけではないということでしょうか」
周防監督「人間って、出ちゃうんですね。僕は監督としてやってて思うんですけど、演技の上手い下手は当然ありますが、結局、その人がどう生きてるかとか、そのすべてが出ちゃうのが映画の怖さというか面白さなんです。あの役を原さんに託した小津安二郎という人は、そのことを原さんに見たんだと思うんです。この役は彼女なら体現できるということですね」
ビレッジマン