廃棄食品横流し「大手メーカー・流通」重大責任!商品のまま処分業者に丸投げ

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   産業廃棄物業者「ダイコー」(愛知県稲沢市)から横流しを受けていた食品関連会社「みのりフーズ」(岐阜県羽島市)の倉庫からは、「カレーハウスCoCo壱番屋」だけでなく、「マルコメ」「ニチレイフーズ」「イオン」「セブン&アイ・ホールディングス」「ローソン」などの廃棄食品も見つかった。108品目のうち、ダイコーから仕入れたのは30品目で、残りは別の業者から流れて来たものらしい。食品業界で廃棄品の横流しは半ば「常態化」しているということである。防ぐ手立てはなかったのか。

まるで「横流ししてください」と言わんばかり

   廃棄物処理法では処理業者は依頼元に結果を報告することになっている。さらに、依頼した業者は少なくとも年に1回は廃棄処理の現場に立ち会って、適正に処理されているか確認する義務もある。しかし、実態は廃棄業者へ丸投げだ。

   行政はどうか。自治体は処理業者のマニフェストを確認することになっているのだが、たとえばダイコーを管轄する愛知県が目を通すマニフェストは年間140万件もあり、これに対して担当職員はおよそ50人しかいない。すべての廃棄物をチェックする体制にはなっていないのだ。

   「法律の不備」と言えばそれまでだが、食品問題に詳しい消費者問題研究所代表の垣田達哉さんは廃棄を依頼した業者に手厳しい。「大手企業がこんなにいい加減だったのかとア然としました。(商品か廃棄物かの)分別をしないで、商品そのままの形で産廃業者に渡していたわけで、まるで『横流しをしてください』と言ってるようなものですね。私たちは家庭ゴミでもキチンと分別をするのに、これだけ大量の物を廃棄しているところがそのままの形で出しているところが問題だと思います」

老舗「鎌倉ハム」包装解いて売り物にならない処理

   もともと運送業者だった「ダイコー」は平成8年に食品の廃棄処理を請け負うようになった。廃棄物を家畜のエサや肥料にリサイクルにするというふれこみで、処理を委託していた業者によると、相場の半額で請け負っていたという。国谷裕子キャスターは「相場の半値で処理を引き受けている業者に問題はないのか。気づくチャンスはあったのではないかと思いますが」

   垣田氏「そう思います。私たち消費者は『安い物には訳がある。その理由は?』となりますが、今回は安いところに集中した。それにはウラがあったわけです。なんでこの業者はこんなに安いのか、どうして一流企業の人たちが気が付かなかったのか。行政も立ち入りしているわけですから、委託料がいくらか分かるわけです。なんでこんなに安くできるんだろうかと。そこから入っていけば、とても『(行政に)処理能力がない』では済まない問題だったと思います」

   国谷「消費者からすると、いつの間にか廃棄物が食品に代わってしまう。いったん流通に入ってしまうと、見つけるのは難しいですよね」

   垣田氏「これはもう無理ですよね。ですから元を絶つということが一番大事ですよね。排出業者から横流しさせないような形にすることが大切です」

   排出段階で横流しできない工夫をしている企業もある。明治20年創業、名古屋市に本社のある老舗「鎌倉ハム」だ。廃棄処分と決まった商品は包装から中身を取り出し、売り物にならない形にしている。担当者は「このまま生ゴミという形で処理業者に集積してもらっています」と説明する。

   「分からなかった」「できなかった」では済まない。依頼した業者や行政にも重大な責任がある。

ビレッジマン

*NHKクローズアップ現代(2016年2月1日放送「捨てた食品が食卓に~大量廃棄の裏で~」)

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