2024年 5月 3日 (金)

アスベスト「検査偽装」横行!カネかかるから手抜き・・・あなたの周りで超高濃度発がん物質

民間建物の解体これからがピーク

   今後、最大の問題は民間の建物だ。05年に政府は全国の学校、福祉施設など公共の建物の除去を行ったが、民間となると数が膨大(280万棟ともいわれる)で、国土交通省も大型の24万棟しか把握していない。国交省は先日、全国の自治体を集めて講習会を開いた。国交省担当者は「建物の劣化でアスベスト飛散の恐れがある。早急に対策が必要」と訴えた。自治体が建物の所有者を調べて欲しいということだ。すでに専門の調査員の養成は始めており、現在560人。これを全国に広める方針だ。

   しかし、個人の協力を得るのは容易ではない。アスベストがあるとわかると、建物の資産価値が下がってしまうからだ。全国に先駆けて動いている横浜市が昨年、7万棟の所有者に調査を呼びかけたが、応じたのは15件だった。横浜市はアスベストが使われていた年代に建てられた建物を調べて、地図に記入しいる。担当者は、「(尼崎の一件から)10年以上経って、市民の関心が薄らいでしまっている」という。国交省も「個人の権利もあるので、強制 はできない。健康リスクの方へ考えを切り替えてもらうよう にしたい」という。

   名取氏「厚労省の調査では、改築や解体ではなく、ただ住んでいるだけでアスベストの病気、中皮腫や肺がんになった人が100人出ています。マンションでリフォームすると、近隣の部屋の住民も影響を受けます。それが知られていないんです。 調査が義務化されていないのが大きいです」

   高度成長期に建てられた建物の解体のピークは2028年の10万棟だそうだ。東京五輪も解体を早めるだろう。アスベストを吸うと潜伏期は20~50年。このままだと、向こう何十年か、日本は中皮腫、肺がんの国になりかねない。決して誇張でないところが怖い。

ヤンヤン

NHKクローズアップ現代(2016年2月4日放送「あなたの周りにも危険が・・・終わらないアスベスト被害」)

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