2024年 5月 6日 (月)

整体、カイロプラクティックで重症化・大ケガ増加!規制緩和で素人同然が開業

取り締まり・指導の法律なく、危険な施術野放し

   国家資格のある整骨院でも被害が起きている。業界団体のJB日本接骨師会(柔道整復師センター)によると、柔道整復師は1990年代に3万人ほどだったのが、養成学校の設立条件の規制緩和をきっかけに急増し、現在6万3000人(施術所は4万5572か所)と倍増している。このため、国家資格を得て人体に関する知識を身につけても、実際には適切な判断ができない施術者が増えているという。

   どのような対策が取られているのか。鍼やマッサージなどを科学的に研究している明治国際医療大学の矢野忠特任教授はこう解説する。「国家資格が必要なものとそうでないもの、両方とも被害が起きていることは事実です。業界全体が倫理観も含めて質の高い安全ガイドラインによる指導をしていくことに尽きますね」「国家資格の必要がないところは、もともと危険性がないとみて許されたわけですが、実際には被害が起きています。取り締まりがありませんので、誇大なことをやる。このあたりは今後、検討していかなければいけないと考えています」

   規制緩和で粗製乱造し1兆円規模に達した市場だが、法的矛盾を抱えたまま放置し、教育による質の向上だけで被害が防げるのだろうか。人体の損傷に関するだけに法的規制を急ぐべきだと思う。

モンブラン

*NHKクローズアップ現代(2016年2月10日放送「『肩こり解消』で思わぬ被害!?~癒やしブームの陰で何が~」)
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