9条だけじゃない護憲・改憲主張「個人の尊重・生存権守ろう」「天皇中心明記すべき」

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   憲法への関心がこれまでになく高まっている。NHKが行った世論調査で「今の憲法を改正する必要があるか」聞いたところ、「必要がある」が27%、「必要ない」は31%、「どちらともいえない」が38%だった。護憲派も改憲派も運動を活発化している。

   改正に向けて1000万人の署名活動を続けている「美しい日本の憲法をつくる国民の会」は、「日本の伝統文化の明記。自衛隊の軍隊としての位置づけを明確にすること。家族を国家の基礎とすること」などを主張している。東北6県で開かれた会合では、「世界は変わった 日本の憲法は?」というタイトルの映像が紹介された。制作の総指揮をとったのは作家の百田尚樹氏だった。会議に参加した人はこういう。

   「今の憲法が日本の国柄、日本人の国民性に本当に合っているかがもともとの問題提起です」(日本青年会議所憲法意思確立委員会の松原輝和委員長)、「原発がテロリストによって攻撃されるかもわかりません。これをその場しのぎの解釈論で進めていくのには限界があると思います」(「頑張れ日本!全国行動委員会」福井県支部の方橋助次郎代表)

   憲法を守ろうという人たちも2000万人署名に取り組んでいる。中心となっているのは「9条の会」だ。2004年6月に設立され、会員の高齢化で一時活動が停滞していたが、去年(2015年)の安全保障関連法の成立が大きな転機となって、各地で9条の会が再び作られるようになった。現在、会の数は全国で7500以上になる。3月29日に作られた「9条の会 山形」代表の城山大賢さんは、「9条の条文は、殺さない、殺させないという人間性の原理ということだと思っています」と語る。会員たちは国家の権力を縛る現在の憲法を今こそ大切にと考えている。

「もっと憲法を考え議論したい」世論の6割

   伊東敏恵キャスター「どちらも議論の中心は9条です。しかし、議論の幅も広がっているます。たとえば、生存権、表現の自由、愛国心や家族主義などです」

   全国およそ8万社を包括する神社本庁も憲法改正の署名活動を続けているが、ポイントは9条とはちょっと違っている。師岡熊野神社の石川正人宮司は「この国のかたち、天皇様がこの国の中心にあるんだということなども明記して欲しい」と話す。主婦の白洲夏さんは「家族が国家の基礎であると明記すること」を訴えている。

   憲法を守ろうという人々も思いもさまざまで、「芸人9条の会」の古今亭菊千さんは「もともと落語っていうのは上の者に対する風刺だったり、庶民の考えを代表するようなところもあります。これからもおかしいものはおかしいと言ってかなきゃならない」と、表現の自由の重要性をいう。個人の尊重が大切という若者もいる。「9ジョンの会」の平間徹也さんは「僕は四季は美しいと思っているけれど、違う人は思わないかもしれないし、美しい基準は千差万別なわけだから、国が決めることではないと思います」と語る。「障害者・患者9条の会」の松田春廣さんや有路良平さんは「生存権」の観点から、「憲法25条の最低限度の生活を守りたい」としている。

   NHKの世論調査では「憲法を話し合う機会を増やすべきか」についても聞いていて、「大いに増やしたい」10%、「ある程度増やしたい」50%、「あまり増やしたくない」24%、「まったく増やしたくない」6%だった。

   伊東キャスター「これまで憲法をめぐっては政治や学問の場など、私たちの暮らしからは少し遠いところで議論されてきたように思います。しかし、今回の取材を通して、その議論が日常に近づいてきているように感じました。それは主権者が私たちであることを考えれば、あるべき姿だと思います」

ビレッジマン

*NHKクローズアップ現代+(2016年5月2日放送「密着ルポ~わたしたちと憲法~」)

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