ペットブームの闇で繁盛する「引き取り屋」売れ残り犬猫買い取り劣悪飼育!次々と餓死、病死
スイス生まれの春香クリスティーン「日本でペットショップを見てびっくりした」先進国にないシステム
獣医師の林良博・東大名誉教授は「大量生産・大量消費はペットには似合わない仕組み。命あるものに余剰が出れば、業者が暗躍することになる。仕組みが彼らを生む」という。
保護犬を引き取った映画監督の森達也さんは、「ジレンマでしょう。コンビニで賞味期限が切れた弁当を捨てるのと同じ。消費経済は余剰がつきものだが、命を当てはめていいのか」という。
スイス生まれのタレント、春香クリスティーンさんは「日本で初めてペットショップを見てびっくりしました」という。スイスではペットはブリーダーや保護施設から直接飼い主に渡される。きちんとしつけを受けており、飼うには免許が必要で、違反すると罰金だ。
殺処分に目を向ける動きは出てはいる。小学6年生の女の子が書いた作文「78円の命」がネットで話題になった。可愛がっていた捨て猫の姿が見えなくなって、殺処分を知った。「78円」は処分の費用だった。これを絵本にするプロジェクトが立ち上がり、400万円の寄付で来月(2016年5月)に出版の予定だ。「命を考えるきっかけになれば」とスタッフはいう。
神奈川県は2年連続で殺処分ゼロだった。実は処分対象のペットをNPOが飼育して、飼い主を探しているのだ。個人や企業の寄付でやっているが、常時70匹はいるから、散歩は2時間がかり、病気の治療だけで多い時はひと月に100万円もかかる。代表は「一人でも多くの人に知ってもらうのが使命」という。
犬猫の殺処分はかつて十数万頭だった。ペットショップでなかなか売れない犬を見て、「この子どうなるんだろう」と思った人は多いはずである。だが、その先を考える人はいなかった。クロ現+が伝えた悲惨な姿を犬猫好きは覚えておかなければいけない。
ヤンヤン