2024年 5月 5日 (日)

イギリス国民も後悔しきりの「EU離脱」リーマンショック来るか?世界株安や通貨不安

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「国民投票はイギリスの伝統ではない。われわれは議会政治の国」

   こうなると、そもそも国家体制、あるいは国際政治に関わるようなきわめて専門的で重要なテーマを国民投票で問うことの是非が問題になってくる。国際政治学者で東京大の藤原帰一教授は「自滅的な失敗です。国民投票などやる必要はなかった」と言い切る。「イギリスはもともと国民投票を嫌ってきた国なんです。国民投票というはヒトラーとかムッソリーニとかそんな人がやるもの。われわれの議会政治の伝統ではないというわけです。これを言ったのはチャーチル政権の副首相だったアトリーです。イギリスは全国規模の国民投票っ3回しかやってないんです。一つは1975年で、欧州経済共同体に加盟したことの是非を問うもの。次がスコットランドの独立を問うもの。そして今回です。むしろ、残留という結果を出して、いろいろな問題は議会で解決すれば良かったでしょう。キャメロン首相の賭けだったわけですが、裏目に出て、保守党も労働党も空白を呼んでしまった」

   鎌倉千秋キャスター「過半数という民意のパワーも目の当たりにしたわけですが、そこはどう見ますか」

   藤原教授「国民投票の結果に従わざるを得ないでしょう。残留を求めた保守党はひっくり返されたから次の人、つまり離脱派に変えざるを得ない。しかし、労働党も保守党もこんな結果になると思ってなかったんです。国民投票を政治権力を強める手段としてつかうとどれほど大きなリスクがあるか、そのことをもう1度考え直す事件だったと思います」

   多数決、必ずしも多数ならずということだろう。

ビレッジマン

NHKクローズアップ現代+(2016年6月27日放送「イギリス『国家解体』の危機!?~EU離脱の波紋を追う~」)

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