2024年 5月 5日 (日)

天皇陛下「お気持ち」に込めた並々ならぬ決意「日本国憲法を護る」「元首にはならない」

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   8月8日(2016年)午後3時から、天皇陛下がビデオで「お気持ち」を10分間述べられた。要点は2つあると思う。ひとつは象徴天皇として即位以来28年間、国民の安寧と幸せを祈ることを大切にし、事にあたっては、人々の傍らに立ちその声に耳を傾け、思いに寄り添ってきた。

   ふたつ目は、高齢になり、これまでのように「全身全霊をもって務めを果たしていくことが、難しくなるのではないかと案じています」と、率直にこれからへの不安な気持ちを話している。その上で、天皇が重病などでその機能を果たせなくなった時、皇室典範にある摂政を置くことは、「天皇が十分にその立場に求められる務めを果たせぬまま、生涯の終わりに至るまで天皇であり続ける」ことだからとこれを排し、皇太子に位を譲りたいという想いを強くにじませた。

   こうした「お気持ち」を発せられることが「政治的発言」ととられることを懸念して、「憲法の下、天皇は国政に関する権能を有しません」と断りを入れているが、国民に対しては「理解を得られるよう、切に願っています」と強い表現で呼び掛けている。

   安倍首相をはじめウルトラ保守派たちは、これほど強い内容になるとは予想していなかったのであろう(もちろんビデオ撮影前には宮内庁と官邸ですり合わせをしていたのだが)。会見での安倍首相の声はうわずっていたように聞こえた。

   私見を述べれば、今回の「お気持ち」を『平成の玉音放送』などという向きがあるが、私は天皇による「平成クーデター」だと思っている。クーデターなどというと不謹慎だという誹りを受けるかもしれないが、言葉を変えれば『革命』である。

   天皇の「お言葉」のなかに何度も「象徴」という言葉が出てくる。思い出してほしい。天皇は即位の時こう宣言していることを。「常に国民の幸福を願いつつ、日本国憲法を遵守し、日本国及び日本国民統合の象徴としてのつとめを果たす」

   安倍自民党は憲法改正を目論んでいるが、その草案の第一条は「天皇は、日本国の元首」である。今回、天皇ははっきりと象徴としての立場を明確にし、この機会に一気に憲法改正をしてしまえという安倍を含めた超保守派に明確な「NO」を突きつけたのだ。さらに、摂政を置くことも明確に否定することによって、一代限りの小手先のやり方ではなく、皇室典範の大幅な改正、そこには女系天皇を盛り込むことも入っていると、私は思っている。

   生前退位を可能にするためには、皇室典範の改正だけではなく、多くの煩瑣なやるべき事柄があるが、政府も有識者たちとやらも、国民の総意は「天皇のお気持ちを尊重する」ということだということを肝に銘じ、早急に検討に入るべきである。

吉永小百合は静かな覚悟「私はここからが大事だと思うのです。みんなの思いで平和をつなげていきたいです」

   女性自身で私の大好きな吉永小百合が姜尚中氏と対談している。その中で小百合はこんなことを語っている。

   <吉永 2年くらい前に、天皇陛下が「(被災者の方々に)寄り添っていきましょう」とおっしゃっていましたが、これからますます寄り添うことが大事になりますね。

   最近、つらい立場にいる人に対して、思いやりを持つ人が、少なくなってると感じます。 吉永 人と人が手を携えて、思っていることを口に出していくことですね。

   今年は戦後71年ですが、私はここからが大事だと思うのです。先の戦争を反省し、二度と戦争をしないという憲法9条を大切にして、戦後が80年、100年と続くように、みんなの思いで平和をつなげていきたいです>

   小百合はもう71になったんだね。そう、これからが一年一年大事なんだ。元気でいれば小百合にいつかは会える。そう信じて生きていこう。

「週刊現代」「週刊ポスト」患者を混乱させるだけでいいのか?製薬業界にこそ切り込め

   週刊ポストには2016年夏「人気女性タレントのCMギャラ・ランキング」が載っている。安室奈美恵が1位で1億円。並んで吉永小百合も1億円。AKB48はグループセット価格だが9000万~1億円。松嶋菜々子も同じ。浜崎あゆみが意外に稼いでいて8000万~9000万円。私が小百合の次に好きな綾瀬はるかは13位で6000万~7000万円。意外に少ないな。

   今週は週刊現代、週刊ポストともに合併号である。朝刊の両誌の新聞広告を見たが、正直、週刊現代を買うのはよそうと思った。今週も「100人の医者に聞きました」と、同じような内容の特集が延々と続いている。以前にも書いたが、これでは「壮快」や「安心」と同じ健康雑誌ではないか。高齢の読者が多いから関心が健康や、週刊ポストのように苦しくない死に方やお墓のことにあるのはわかる。

   他誌も同じような企画をはじめているから部数的にはいいのであろう。だが、こうした健康雑誌まがいのことばかりやっていて、本来の週刊誌がやらなければいけないことを忘れてはいないか。

   とまあ、お小言はここまでにしておこう。「歴史が変わった」かどうかは知らないが、週刊現代をもって医者に駆け込み、自分が飲んでいる薬は大丈夫か、前の医者に手術しろといわれたがやめたほうがいいだろうか、という問い合わせが多く、医者の世界では大きな話題と問題になっているようだ。

   週刊現代は特集の中でこう自画自賛している。<これまで9週にわたって、本誌は薬と手術にひそむ知られざるリスクを詳報してきた。どのマスコミも報じなかった、医療の「タブー」を知った患者が病院に殺到し、医療現場が着実に変わりつつある。患者の要望に応じて不要な薬を減らしたり、デメリットの大きな手術を取り止める医者が出始めたのだ。(中略)

   タブーに切り込むことには反発が伴う。しかし確実に、時代は変わり始めた。ときには患者の側から、「本当にこの薬を飲み続けるべきか」、「本当に手術を受けなければ治らないのか」を医師に問いかけてみるべきだ。心ある医師なら、必ずや耳を傾けるはずである>

   必ず薬や手術にはメリットとデメリットがある。また「原発ムラ」と同じように製薬会社が中心となって医者や役人とつるんでつくっている「薬ムラ」が、薬漬け医療を生み出している元凶である。タブーに挑むというなら、ここへ切り込まなくてはいけないこと、いうまでもない。患者を混乱させるだけでは、まだまだ道半ばだと自覚すべきであろう。

週刊誌480円は高過ぎないか!昔のAV女優DVD付録なんかじゃ納得できん

   今週の週刊現代は450円だが、週刊ポストは480円だ。おつりを確かめて、思わず落涙しそうになった。週刊ポストが高いのはDVDの付録がついているからだ。「昭和から平成へ『伝説のAVヒロイン』10人の美女が甦った」。星野ひかる、長瀬愛、憂木瞳、朝岡実嶺、白石ひとみ、林由美香、冴島奈緒、後藤えり子、長谷川瞳、村上麗奈などのAV嬢が出ている。だが、今はネットでほとんどのAVがただで見られる時代だ。

   それに週刊ポストの巻頭特集が「苦しくない死に方」「痛くない死に方」では480円は心底高い。

   痛くて苦しいのはくも膜下出血と急性心筋梗塞だそうだ。前者は金属バットで殴られたような衝撃があり、後者は熱い鉄棒で左胸を抉られる苦痛があるという。では、死ぬ瞬間を感じない楽な死に方は、不整脈と老衰死だそうだ。不整脈は就寝中なら死んだことにも気づかない。老衰死は脳内麻薬のおかげで快楽とともに逝く。何度でもいう。こんなことを知るために480円は高い!

至れり尽くせり飛行機「ファーストクラス」自宅まで送迎、高級シャンパン・・・でも、260万円だものなあ

   週刊現代もドングリの背比べだが、紹介しよう。まずは、私もほとんど縁がなかった飛行機の「ファーストクラス」という『謎』に挑んだ記事。JAL(日本航空)の元CAとしてファーストクラスでの接客を数多く経験してきた毛利仁美氏がこう話す。

   <「まず、多くの航空会社ではファーストクラスのお客様の送迎サービスがあります。ご自宅や滞在先から空港まで、専用の運転手付きリムジンがお送りしています。

   また、一般的にはあまり知られていませんが、空港にはファーストクラスを担当する専任の『コンシェルジュ』がいて、到着されたお客様をお迎えしています。

   コンシェルジュがまずお客様をお連れするのは、一般の方は手続きできない専用のチェックインカウンター。朝や深夜といった、手続きが特に混雑する時間帯でもお客様が行列に並ぶことがないよう、その後の荷物検査や出国審査も専用のゲートで受けていただきます」>

   出発前からエコノミーとは違うのだ。成田空港にあるJALのファーストクラスラウンジはこうだと、JAL職員がそのサービスの全貌を明かしている。<「ラウンジではまず、高級レストランクラスの飲食がすべて無料で楽しめます。お酒も英国王室御用達のシャンパンや、日本酒の純米大吟醸などが飲み放題。

   食事の『目玉』は握り寿司で、こちらは、寿司職人がお客様の目の前で握る『寿司バー』スタイル。特に海外のお客様に大人気です」>

   食事だけではない。<専用ラウンジには、まるで高級スパのようなシャワールームが完備され、足ツボや全身マッサージのリラクゼーションサービスも受けることができる。10時間を超える国際線の長距離フライトの前にはうってつけだ。

   さらに、英国の高級紳士靴メーカー「ジョンロブ」による伝統の靴磨きサービスを無償で受けられる>(週刊現代)

   機内では希望する雑誌はほとんど読めるそうだが、「残念ながら、週刊誌の中にはご用意していないものもあります」とか。たぶん週刊現代と週刊ポストであろう。

   外国便はゴージャスなところが多いというが、シンガポール航空の「スイートクラス」には、ダブルベットの特別個室があるそうだ。恋人と「着くまでSEX」もできるわけだ。

   ファーストクラスの客は降りてからも違う。お客が通るのは専用のゲート。他の乗客よりも早く入国することができる。入国審査を終えて空港を出ると、専用のハイヤーがやってきて、自宅や目的地まで送迎してくれる。「中にはヘリコプターで成田空港から赤坂まで送ってくれるサービスもある」(会社役員)そうだ。

   庶民が気になるのはその値段だ。東京からニューヨークの直行便は往復で約200万円。観光客に人気のあるパリへの直行便は約260万円。オリンピックが開催されているリオへの往復は約180万円。パリはテロ警戒中で観光客が減っているから、先日見た旅行会社の広告には7泊、パリ往復で20万円台というのがあった。エコノミー症候群になってもそっちで行こう。

小泉純一郎元首相の「3・11トモダチ作戦被曝米兵支援」広告掲載断った読売新聞

   週刊現代で小泉純一郎元総理がお得意の「反原発」について饒舌を振るっている。小泉元総理は自らが発起人となって、先月設立した「トモダチ作戦被害者支援基金」への寄付を誌面を通じて訴えたいという。

   日本ではあまり知られていないが、東日本大震災のときの米軍のトモダチ作戦で3・11の被災地支援に参加した米兵のうち約400人が、その後、被曝によると思われる健康被害で除隊を強いられ、7人が白血病などで亡くなっている。小泉元総理はこう話す。

   <「日本のために全力を尽くしてくれた彼らを、日本人として見過ごすことはできない。政府が動かないのなら、われわれがやる。(中略)原発事故当時は海に向かって風が吹くことが多かったから、放射性のプルーム(雲)が、停泊していた空母を直撃した。しかも空母では海水を濾過し、真水にして使うそうですが、放射性物質までは取り除けない。シャワーや料理に使う水もすべて汚染されていたから、兵士たちは原発事故の最前線で、内部被曝と外部被曝のダブルパンチを受けたのです。

   彼らは帰国後、鼻血が出たり、下血したり、腫瘍ができたり、原因不明の体調不良に襲われた。

   ところが、海軍病院の医者に診てもらっても『放射能が原因とは言い切れない』と因果関係を認めてもらえませんでした。(中略)

   東電は『原発事故と体調不良に因果関係があるとは断定できない』と賠償を拒否しています。アメリカの裁判は日本と違って、原告も被告も徹底的に情報開示をしないといけませんから、『トモダチ作戦』に加わった兵士の本当の被曝線量など、表に出したくない情報が出てきてしまう。それだけは何としても避けたいのでしょう。

   日本政府も沈黙しています。

   実は訪米前に、外務省の北米局長に会ってこの話をしたのですが、『政府として法的には何もできない』と言っていました。

   基金を設立した時も一悶着ありました。信頼できる知人に『発起人になってくれないか』と頼んで回ったんですが、なかなか受けてくれない。

   ある財界人は『私の一存では決められない。会社に相談してみる』と持ち帰ってくれたけど、結局NG。だから、もう少数精鋭でやろうと思ったんです」>

   新聞広告は東京新聞だけでなく読売新聞にも申請していたそうだが、読売は『裁判で係争中の事案は掲載できない』と断ってきたそうだ。<「理解できませんよ。だって、現に健康被害を受けている人、病に苦しんでいる人がいるわけだから。裁判でどっちが勝とうが負けようが、困っている人を助けなければいけないことに変わりはないでしょう」>

   安倍政権と原発を擁護している読売新聞のホンネが出たということであろう。困った新聞だ。

意外に少ない大手企業の退職金!この金額でリタイア後20年暮らせる?

   週刊ポストの「退職金業界別企業別ランキング」を紹介する。電通(部長クラス、58歳)の退職金は約4100万円。ANA(勤続38年)は約3800万円。東芝(早期退職者、50歳)は約3500万円。三井物産(部長クラス、定年退職)約3000万円。

   トヨタ自動車(次長クラス、定年退職)は約3000万円。東急百貨店(60歳、モデルケース)は約2852万円。三菱自動車(60歳、モデルケース)は約2800万円。日産自動車(主査クラス、57歳)は約2500万円。住友商事(定年退職)は約2000万円。リクルート(早期退職、40歳)約1800万円。

   正直、電通を除いて意外に少ないという印象だ。2000万円でもし蓄えがなければ、定年から後、20年暮らすのはかなり大変だろう。他人事ではないが、私も退職後に気がついたのだが。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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