荷物を投げ、叩きつける 動画でバレた佐川急便配達員の「行状」

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   よく撮ったもんだ。宅急便の配達員とおぼしき男が、台車の荷物を地面に叩き つけ、台車までぶん投げている。この映像がYouTube(ユーチューブ)に載って、佐川急便の配達員だとわかった。「イライラしてやった」ということらしいが、荷物はどうなったのか、他にもないのか、気になる。

   動画が撮影されたのは、今月6日午前11時50分ごろ。マンションの高いところから見下ろしている。階段を上ってきた配達員が、まず荷物を運びあげ、ついで台車を運ぶところで、台車をぶん投げた。2度3度、4度と投げ、さらに荷物も4度叩きつけ、最後は台車に乗せて去った。この間1分35秒。途中で脇を通り過ぎる人も写っていたが、気に止める様子もなかった。

「いろいろなことにイライラしていて」

   このマンションは、道路から玄関へはゆるい階段を下る。台車があると、まず荷物を運びおろし、次に台車も下ろす。映像は、明らかに配達先が不在で持ち帰る時のものだった。階段では今度は運び上げないといけない。まさにその場面で、男が爆発していた。

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   YouTubeからたちまち配達員が特定された。佐川急便に聞くと、「本人も自分だと認めました。今は反省してます」「いろいろなことにイライラしていて、ああいう行動を起こしてしまったと言っている」という。荷物は、最終的に送り先に届けられたという。

   佐川急便の現場が、相当なハードワークであることはよく知られている。阿部祐二が元社員に聞くと、「絶えず時間に追われていた。時間指定もある。日に200件、その合間に集荷の電話が入ったり、営業もする。時間はいくらあっても足りない状況だった」という。

   勤務時間は、午前7時から午後8時9時まで。「帰った後も、残った荷物を降ろしたり、報告を書いたりしていると、遅い時は10時とか」。繁忙期は早朝出勤、深夜勤務もある。日に15時間もザラ。

   一方で荷物の扱い方は、「音を立てない、壊さない、傷つけない」を教育される。「壊したら自分の責任になる。自分のところに来るまでに何人もの手を経由しているので、破損に気づいたら、自分のせいではないと確認を取らないといけない」。では、あの配達員は、壊れないものを選んでいたのか? 衣類とか?

   ネットショッピングの伸びは、宅配あればこそだ。取り扱い個数は2006年は29億3900万個だったものが、11年には34億100万個、15年には37億4500万個(国交省調べ)。ネットショッピングはなお伸び続けている。

再配達が相当な手間

   専門家はもう一つ、「再配達」があるという。宅配個数の約20%が、不在のための再配達になる。トラックの走行距離の25%が再配達なのだと。また、通知を残し、連絡を受け、再度の配達で時間を指定するとか、これが相当な手間と時間を食う。12月は不在率も上がる。「イライラもつのる」というわけだ。動画の配達員も不在で戻るときだった。

   加藤浩次「東京では、車を停めるところがないとか、いろいろ大変なのはわかるが、それと荷物を叩きつけるのとは別」

   飯田泰之(経済学者)「同じ仕事をしている他の配達員は、やらないんだから。ネットショッピングは宅配が支えているから、その信用を傷つけると大きな問題」

   佐川急便の場合、先の元配達員の言っていた「壊したら、自分の責任」というところがカギだろう。現にそういうトラブルに遭ったことがあるからわかるのだが、危ういシステムの上に乗っているのは間違いない。

文   ヤンヤン | 似顔絵 池田マコト
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