「開運なんでも鑑定団」の鑑定に異議アリ! 4つ目の「曜変天目」は紛い物?

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   テレビ東京の人気番組「開運なんでも鑑定団」で放送され(2016年12月20日)、話題になった世界で4つ目の「曜変天目」に紛い物の疑いが出てきた。

   徳島県のラーメン店主男性が「曽祖父が戦国武将の三好長慶の子孫から購入したもの」と番組に持ち込まれた茶碗だ。番組にレギュラー出演している古美術鑑定家の中島誠之助氏が鑑定の結果、「番組始まって以来の最大の発見。中国・南宋時代に福建省の建窯で焼かれた曜変天目に間違いございません」と断定し、2500万円の値がつけられた。

   曜変天目は天目茶碗の中でも最上級のもの。800年前に建窯で焼かれ製造過程で偶然に生まれた茶碗。7色の光がきらめく模様が特徴で、同じ模様の再現は不可能とされる。日本には3点あり織田信長、徳川家康など天下人が愛用し、いずれも国宝に指定されている。このため番組に登場した4つ目の曜変天目には皆が驚き、マスコミもニュースで取り上げたほどだった。

   ところが、この鑑定結果に陶芸家で曜変天目研究家の長江惣吉氏が「どうしてそんな鑑定結果になったのか表現のしようがないくらい不思議ですね。お土産品レベルの紛い物で、偽物の域まで達していない」と中島氏の鑑定を酷評した。

   長江氏は父親の代から70年にわたって曜変天目を研究し、自ら模様の完全再現にも挑戦している曜変天目の第一人者。その長江氏が番組への出品作を紛い物とみるのには次のような理由はあるという。

   一つは、本物の曜変天目の茶碗外側には模様がないのに、大きな雲がモヤモヤしたような模様がある。二つ目は、本物の茶碗の内側の模様が円型の光きらめいたポチ、ポチの模様に対し、外側の模様と同じ雲がモヤモヤしたような模様になっている。

「供御」の印は中国では紛い物の特徴

   最大の疑問は、茶碗の底に「供御」の文字が記されていること。天皇、上皇に差し上げる食事を「供御」という風習があったとするなら、「供御」と記された茶碗が他にいくつもあるはずなのに見たことがない。国宝に指定された3つの曜変天目にもそんな文字の印はない。

   実は、南宋の宮廷に納めた特製品だと称し中国の偽作者たちが「供御」と刻んだ紛い物が中国ではいっぱい出回っており、この印があれば紛い品と判断すべきだという。

文   モンブラン
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