体張った松井玲奈と出家目前・清水富美加のW主演 面白さ抜群!お蔵入りせず、良かった!
〈「笑う招き猫」(TBS系)〉
新ドラマ「笑う招き猫」。4月29日に公開される映画「笑う招き猫」に先駆けて作られた全4話のテレビドラマシリーズだ。なんといっても、あの出家騒動の清水富美加と元SKE48の松井玲奈がW主演。清水出家の余波を受けお蔵入りするのでは!? とまで言われていただけに、放送が決まってほっとした。
そこらのバラエティ蹴散らす面白さ
原作は山本幸久。藤原紀香主演のNHKBSドラマ「ある日、アヒルバス」(2015年7月~8月)の原作者でもある。監督・脚本・編集は、映画「荒川アンダーザブリッジTHE MOVIE」「風俗行ったら人生変わったwww」「大人ドロップ」、テレビドラマ「REPLAY&DESTROY」「神奈川県厚木市ランドリー茅ヶ崎」など、手掛けた作品はどれも超個性的な映画監督の飯塚健。今回も「バラエティ要素9割の新たな"飯塚健ワールド"が幕を開ける!」とのことだが、9割どころか、そんじょそこらのバラエティなど蹴散らしてしまう面白さ&パワフル。
出会って7年、コンビを組んで5年、ともに27才のヒトミ(清水富美加)とアカコ(松井玲奈)は、漫才コンビ「アカコとヒトミ」として活動している。売れるための足がかりとして、所属事務所のネット動画チャンネル用の動画を制作することが二人の日課で、幼なじみの蔵前真吾(落合モトキ)と大島洋次(荒井敦史)にも協力して貰っているが、その再生回数は伸び悩んでいて......。
漫才コンビが体張って動画制作
「漫才師・アカコとヒトミがいろんなことに挑戦する番組です」とあるように、体を張って動画を制作する姿が描かれるが、その体の張りようがとにかく凄い。とくにアカコ役の松井玲奈は、爆発に、顔面洗濯バザミにと大活躍。顔面中に紐のついた洗濯バサミをつけられ、紐の先にはペットボトルで作ったロケットが......。ロケットを発射させると顔面がもっていかれるという出川哲朗やダチョウ倶楽部上島クラスがやるならわかるが、これを元SKE48のアイドルがやるのだから驚く。特殊メイクかもしれないが、洗濯バサミで顔を持って行かれ、「顔が、顔が...」と叫ぶ松井に大笑いした。アイドル時代は線の細い子だなと思っていたが、奇抜なファッションも意外に似合っているし、このハジケっぷりはお見事。
ここまで体を張ったのに、お蔵入りなんてことになったら、松井玲奈がお気の毒過ぎる。清水富美加は変わらず演技は達者だが、こんなに楽しそうに演じているのに、心の中では嫌だ嫌だ、出家したい、って思っていたのかと思うと複雑。そんな思いは一切出さず、ノリノリでやっているようにしか見えないところが、かえって清水の演技力の高さを感じさせる。つくづく幸福の科学への出家が残念でならない。
漫才指導は、なすなかにし。Mrs.GREEN APPLEによるオープニング曲「スマイロブドリーマ」&エンディング曲「どこかで日は昇る」もいい。
ともあれ、こんな面白い作品がお蔵入りしなくて、本当によかった。
(火曜深夜1時28分~〈初回のみ1時45分~〉3月21日深夜スタート全4回)
くろうさぎ