ミュージカル「ハロー・ドーリー!」上演劇場での怪伝説
これはいかにもPRっぽいのだが、60年代の人気ブロードウェーミュージカル「ハロー・ドーリー!」が、その人気故に?ちょっと変わった伝説を生んでいるようだ。
「ハロー・ドーリー!」は、仲人業を営むやもめの中年女、ドーリーをめぐるドタバタコメディで、1964年のブロードウェーでの初演で人気を博して以来、何度もリバイバル上演されている往年の名作だ。今回はミュージカルの女王、べット・ミドラーが、主役のドーリーを演じるということもあり、4月20日の初日公演を前に、前売りチケットだけで4千万ドルを売り上げているというからすごい。
変な伝説というのは、このミュージカル周辺で病人やけが人が続出していることだ。米NYポスト紙によると、まず試演会中に劇場スタッフたちがノロウイルスのような症状に倒れた。スタッフのほぼ半数が嘔吐や下痢の症状を訴え、次々にトイレに駆け込んだというから、舞台どころではない。
「見逃すなら死んだ方がマシ」と観劇続行
そして第2回の試演会では、観客の53歳の男性が突然、意識を失って倒れたため、舞台が中断するハプニングが。しかし意識が戻った男性は、病院行きを勧める救命救急隊員に対し、「今病院に行って第2幕を見逃すくらいなら死んだ方がマシだ」と伝え、そのまま観劇を続けたとか。このエピソードに感激したプロデューサーのスコット・ルーディンは、男性に舞台の招待状を贈った。
また60代の女性二人組が試演会に向かう途中で車と接触。見物人によると一人の方はしばらく意識を失っていたという。しかし警察と救急車が到着する中、二人は取り調べを拒否し、そんなことより「ハロー・ドーリー!」が始まっちゃうとばかりにブロードウェー劇場へと急いで行ってしまったとか。このように命知らずのファンたちに支えられたブロードウェーミュージカルってやっぱりすごい!?
Noriko Fujimoto(セレブ評論家)