噴射口、液体燃料、再突入クリア...北朝鮮公開の映像からわかること ミサイルからICBMへあと一歩

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   北朝鮮が昨日(2017年5月15日)午後、前日に発射した中・長距離ミサイルの映像・画像を盛大に公表した。労働新聞は「中長距離弾道ロケット発射に成功」として、3面にわたって36枚の写真(うちミサイル27枚)を載せた。他に何種類もの動画があり、自信のほどを示している。

   今回のミサイル「火星12」は、高度2200キロに達したと言われ、ロフテッド軌道という大気圏外から落下する軌道を描いた。再突入問題もクリア、核弾頭の搭載も可能とみられる。

   金正恩委員長は、「アメリカ本土はわれわれの攻撃圏内に入っている」と述べたという。北京の北朝鮮大使館は、「アメリカとその追従勢力の核の脅威と恐喝に対処した方針を貫くための正常なプロセスである」との見解を発表した。

70センチの核弾頭搭載が可能

羽鳥:レッドラインに近づく

   同時に金委員長が発射に立ち会っただけでなく、ミサイル組み立て過程も見ている写真を多数配信した。その中で、金委員長がミサイル運搬車の前に立って見ている写真からは、委員長の身長から、ミサイル先端の弾頭部分のサイズもはっきりと読み取れ、直径70センチサイズの核弾頭搭載が可能と推定できる。

   映像や写真を見た専門家は、「限りなく『レッドライン』に近い」(元海自艦隊司令官、山崎真氏)、「北の大々的なアピールは自然なこと。これまでできなかったことができるようになった」(未来工学研究所、小泉悠氏)という。その意味するところを分析すると.........。

   写真の一部、ロケットの噴射口がぼかされていた。しかし、発射の時の噴射炎と合わせてみると、メインの噴射口の周囲に小さな噴射口が4つあるらしいとわかる。機体を安定させる機能が向上したことをうかがわせるという。

   黒井文太郎氏(軍事アナリスト)は、「前のムスダンには、羽根状のものが付いていたが、今回のミサイルには付いていない。エンジンだけで制御している」という。

   また、噴射炎が赤い。これは液体燃料を使っているため。ミサイルは約24時間かけて設置されたが、液体燃料は1時間2時間もあれば注入できるという。また、運搬車を外しているのは、失敗に備えたのか、運搬車を温存したのか。

   青木理(ジャーナリスト)「金委員長が現場にいるというのは、相当なこと」

   北朝鮮はこのところ4回、ミサイル発射に失敗している。黒井氏は、「その時も委員長は立ち会ったと思う」という。

重ねればアメリカ本土へ

   朝鮮中央通信は15日、今回の発射実験を「核弾頭装着が可能な中・長距離弾道ロケットの技術を確認した」と伝えた。黒井氏は「ポイントは『長距離』にある」という。

   司会の羽鳥慎一「ということは、レッドラインに限りなく近づいている」

   黒井氏「今はまだだが、ロケットを重ねれば、アメリカ本土にも届くこと、ICBMが可能なことを示唆している」

   もう一つ技術的には、大気圏外からの再突入にも耐えたことがあるという。スペースシャトルでも1600度、ICBMだと数千度という高温をクリアした。これに朝鮮中央通信は、「再突入環境の中で誘導と核弾頭爆発の動作が実証された」といった。が、核爆発については、韓国は否定している。

   しかし、「あと少し」のところへ来ていることは確かなようだ。黒井氏は、ロケットを二段にしたものを「遠くない将来に」と言った。トランプ大統領がどう見ているか、気になるところだ。

文   ヤンヤン | 似顔絵 池田マコト
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