2024年 4月 26日 (金)

文科省前次官めぐり、週刊文春vs週刊新潮 官邸の情報戦でも火花

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   今日(2017年5月25日)発売の週刊文春と週刊新潮(ともに6月1日号)が、今治・加計学園をめぐる「総理のご意向」文書のキーマンと目される人物を取り上げた。片や「文書は本物」というストレートの独白。こなた、スキャンダル暴露の裏側だ。合わせて読むと、安倍・官邸の実像が見えてくる。

   キーマンとは、天下り問題で引責辞任した文科省前次官の前川喜平氏。両誌こぞって同じ人物を取り上げたのだが、切り口は全然違う。

読売のスキャンダル報道は官邸のリーク

   週刊新潮は、22日に読売新聞が大きく伝えた、「前川氏が出会い系バー通い」という記事について、「前川氏の信頼を失墜させるために、官邸がリークしたものだ」と裏事情を暴露した。

   前川氏は、文科省の組織ぐるみの天下り工作が明るみに出たことで、責任を取って事務次官を辞めた人。その前川氏が、過去に出会い系バーに出入りしていたという読売の記事は、1面3段の派手な扱いで、すでに表舞台を去った人物の動向を伝えるにしては異様だった。

   だが、これが官邸のリークだとなると、一転して意味を持ってくる。同誌によると、前川氏が加計学園に関する文書のリークに関わった、とにらんだ官邸が、前川氏の信頼を失墜させるために、私生活を調べて、読売に「書かせた」というのだ。

   先に憲法に関する委員会質疑で、安倍首相が「私の主張は読売新聞を読んでくれればわかる」と答えて、物議を醸したこともある。読売とはそういう関係にある。意図的なリークという構図も、よく分かる。新潮は「報復への報復だ」と言う。

   前川氏は、東大法学部卒で79年の入省。若いうちから「末は事務次官」と言われた逸材だった。「ミスター文科省」と呼ばれて久しい。その人物が、売春や援助交際の場にもなる「出会い系バー」とは確かにスキャンダルではある。

前川氏は週刊文春、朝日新聞とインタビュー

   週刊文春は、加計学園の獣医学部新設をめぐって、先に明るみに出た「総理のご意向」文書は「本物です」とする、前川氏の150分間にわたる独白を乗せた。この中で前川氏は、文科省が、「新設の必要なし」として再三にわたって却下してきた加計学園の申請に、「特区」として認めるよう総理府から圧力がかかったことを認めた。

   「一連の文書は、私の手元にあるものと全く同じ。間違いなく本物です」「加計学園の獣医学部新設で、『総理のご意向』という言葉にプレッシャーを感じたのは確かです。ここまで強い言葉は経験したことがありません。内閣府に押し切られ、決定を受け入れざるをえなかった」

   一方「出会い系バー」の件については、「その店に行ったのは事実だが、法に触れることは一切していない」と釈明した。

   また、今朝の朝日新聞は前川氏とのインタビューを載せ、「総理のご意向は、誰だって気にする」「獣医師の需給の見通しなども示されずに、内閣府から新設を求められた。トップダウンと受け止めた」「引責辞任は自分の考え(依願退職)、『逆恨み』はない」と答えている。

   民進党はこれを受けて、国会で参考人招致を要求している。安倍首相は今日からサミットへ。この問題についてはまだ発言していない。

   テレビ朝日政治部の細川隆三デスクは、先週金曜日のこの番組で、「官邸が人物を特定している」と言っていた。

   司会の羽鳥慎一「それが前川さんだった? 文書の信憑性は?」

   細川「正式な文書ではないが、文書の存在を否定する発言はない。信憑性については、特に『総理のご意向』『最高レベル』という点については、前川さんが言っている」「官邸は、カリカリする人、静かに見る人、前川氏を貶める人、いろいろ」

   羽鳥「森友学園の籠池氏に対するのと同じ?」

   玉川徹(テレビ朝日ディレクター)「読売の記事の扱いは異様。すでに辞めた人ですから。加計問題がなかったら、ありえない」

   細川「珍しいですね。退官した人のスキャンダルを、大新聞が、しかも1面で」「前川さんは、行政が歪められたと言っている。そこがポイント」

 
文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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