2024年 4月 26日 (金)

〈無限の住人〉
ひたすら続く刺客との死闘に飽きてしまう 杉咲花のみずみずしさに癒された

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   自身のせいで妹を殺された過去をもつ主人公、万次。彼は謎の老婆により、不死の体を手に入れた伝説の人斬りだった。孤独に生き続ける彼に、剣客集団・逸刀流に両親を殺された少女・浅野凛が、仇討ちを依頼する。凜は、殺された万次の妹・町に瓜二つであった。万次は凛を守ることを決意し、逸刀流との戦いに挑む。

   沙村広明原作の人気時代劇コミックを実写映画化。主演の万次を木村拓哉が演じ、監督は「クローズ」シリーズの三池崇史監督が担当。万次の妹・町と、凜との1人2役を杉咲花が演じる。逸刀流の統首・天津影久役には福士蒼汰。その他、市原隼人、戸田恵梨香、市川海老蔵といった豪華キャストが集結。アクション時代劇大作だ。

見どころは怒涛のラスト

   怒涛のラスト、300人対万次郎1人という、壮大な殺陣のアクションシーン。ワイヤーも使いまくりで、万次も空を舞う。これぞ三池崇といったここの演出は、この映画一番の見どころだ。しかし、この怒涛のラストに行くまでの間、もう観客はかなり飽きているのではないだろうか。

   冒頭から木村演じる万次が、不死の体と、亡き妹の面影を呼び起こす凛との関係に、苦悩しながら様々な刺客と戦っていく。万次がひたすら刺客と出会っては、死闘を繰り広げていく。原作を凝縮すると、どうしてもそうなってしまうのかもしれないが、やはり見ていて長い。とにかく長さを感じる。

   刺客を演じた豪華キャスト陣の演技力は素晴らしいが、その刺客達の背景の描き方も、どこか中途半端になってしまう。主役の万次の苦悩だけは、実に詳しく描かれているのだが。そして木村主演の作品にありがちな「何をやってもキムタクはキムタク」といった雰囲気だが、それも否めない。過去の罪を背負い、永遠の命を持て余し、生きる希望を失って、ただ生きているだけの人斬り。そんな男を果たして木村が見事に演じたのか、疑問は残る。 唯一輝いていたのは、凜を演じた杉咲花の姿だった。スリーンに映る彼女のみずみずしく、若さあふれる演技。物語が進んでいく中で、心身ともに成長していく凜の姿は、役を演じた杉咲の姿そのもののように見える。彼女の女優としての成長を見守っていきたくなる作品である。

おススメ度☆☆☆

 

PEKO

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