2024年 4月 27日 (土)

萩生田官房副長官が関与の文書を入手 「加計学園で進めるよう」指示

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   加計学園の獣医学部新設をめぐる問題で、政権幹部が早い段階から関与していたことを示す文書をNHKが新たに入手した。そこには萩生田官房副長官が事業者選定以前に加計学園で進めるように指示していたことが記されていた。文科省OBの働きかけも記録されており、省内で政権がらみの「マル政案件」として共有されていたという。

   武田真一キャスター「このプロセスは適切だったのでしょうか」

   文部科学省が追加公表した文書のほかにも、加計学園への異常な優遇を示す記録があったことになる。萩生田氏は全面的に否定するが、だからこそしっかりと検証が必要だ。黒い疑惑の闇がまた一つ深まった。

   獣医学部の新設は52年間なく、加計学園は15回申請しても認められなかった。ところが、安倍政権が地方活性化を名目に国家戦略特区の創設を打ち出して、平成26年(2014年)12月に内閣府内に首相自身を議長とする特区諮問会議を設けると、去年(2016年)から今年(2017年)1月にかけて対象事業として獣医学新設が認められ、事業者として加計学園だけが選定された。これを「総理のご意向」「官邸最高レベルの指示」とする文書が文科省内から出て、今も問題はおさまっていない。

   今回見つかった文科省内のメールには、文科省OBでのちに加計学園理事となる豊田三郎氏が選定前に文科省職員と会って、安倍首相と加計孝太郎理事長が親しいと強調したことが記録されていた。

   豊田氏は「お友達内閣ですねと週刊誌などに書かれないように、総理に恥をかかせないようにと私は言っている」と発言したという。直接的な表現を巧みに避けているが、こんなことを言われたら、普通の公務員はどう思うか。

   現役職員の一人は取材に「加計学園は無視できない存在として認識されていた」「政治的に決められる可能性が高いとの認識を持つ職員は多い」と語った。

「総理は平成30年4月開学とおしりをきった」

   もっと重要なのは、萩生田官房副長官が去年10月21日に文科省の局長に面会したときの発言を職員が記録した手書き文書だ。まだ獣医学部の新設も決まっていない段階で、文書には加計学園の名前や開学の話が出ている。

   それによると、萩生田氏は「総理補佐官と話したが、総理は平成30年4月開学とおしりをきった」「工期は2カ月でやる」「11月には方針を決めていく」と発言したという。その後の11月には実際に政府の方針が決まった。

   まだある。

   萩生田氏は「文科省だけがおじけづいている」「官邸は絶対やると言っている」とも述べたそうだ。さらに「加計学園の事務局長を(文科省の)課長に会いに行かせる」とも言ったと記録されている。これも6日後、実際に会っていたことが取材でわかった。

   この文書は文科省内の3つの部署で職員10人が共有していた。職員の一人は「まず加計学園ありきで、慎重に精査すべき手続きが行われなかった」「おかしいと思いつつも従わざる得ないことがある」とも語った。政治の圧力を絵にかいたような話だ。

萩生田氏は否定

   これに対して、萩生田氏はNHKの取材に文書で回答した。「総理からいかなる指示も受けていない」としたうえで、自分からも文科省に指示を出していないし、加計学園の事務局長とやり取りしたこともないと主張。「文科省を動かす発言をした事実はない。強い憤りを覚える」と言い切った。

   NHK社会部の大河内直人記者は「文科省が再調査したほかにもまだ公開されていない文書があった。内閣府と文科省が水面下で交渉を繰り返した記録の一つで、再検証する必要があります」と指摘する。

   安倍首相が「文書の問題で国民の不信を招いた。今後もわかりやすく説明していく」と、記者会見して反省の姿勢を打ち出したばかりだ。わかりやすいといえば、政権の圧力と加計学園への不自然な優遇ばかりが目立つ。

   政治部の原聖樹・官邸キャップは「国民から疑念を持たれている。公平公正のプロセスをより高める努力が必要。公文書管理の在り方も再検討する必要がある」と話す。そういう倫理規定や制度の問題なのか。いま深まる一方の疑惑をまず、はっきりさせなければいけない。

   安倍政権幹部が圧力をかけたこともない、忖度(そんたく)を促したこともないとは、これで誰が思うだろう。怪しすぎる。森友問題では安倍昭恵夫人の、加計学園では前川前文部科学事務次官の証人喚問をどちらも拒否して、言葉だけで否定しても説得力はない。大河内記者は「内閣府と文科省の見解は食い違ったままです。第三者による調査を求める声もあがっています」という。

   武田キャスターは「政府には納得のいく説明をつくしてほしい」と結んだが、もう説明姿勢の問題ではない。疑惑の当事者である政権以外のところできちんと調べ上げるのが当然の、常識的な筋というものだろう。

クローズアップ現代+(放送2017年6月19日「波紋広がる"特区選定" ~独占入手 加計学園"新文書"~」)

あっちゃん

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