「スゴイねえ」「面白い」!現場その気にさせる総合演出Aの気持ちいリアクション
信じられないような暴言が巷を驚かせています。新たな録音も出てきて、頻繁に暴言を聞く日々はまだまだ続きそう。言霊とはよく言ったもので、あの音声は人の気分を害するパワーに満ち溢れています。久しぶりに、言葉には魂が宿る、命があるのだということを実感したという方も多いのではないでしょうか。
そんな言葉の力をプラスに感じることがありました。なにも特別な言葉でもなく、リアクションだけで人のモチベーションを高められるんだと気付いたのです。それは、番組の試写をしていた時のことでした。ディレクターが取材し編集した素材をスタッフ一同に見せる場です。そこで、総合演出のA氏がVTRを見ながら気持ちいいぐらいリアクションをしてくれるのです。
「へえ~、そうなんだ」「わあ、すごいなあ」「面白い」など、台本で構成を熟知しているのに、初めて知ったようなリアクションで、それは視聴者の視点ということです。
面倒な再編集作業もニコニコ顔のディレクター
こんなこと、試写ではめったにありません。たいていがボロクソにけなされるからです。それを覚悟して臨んでいたのに、なんだか面白がってくれると、なんともくすぐったいものです。誰かに褒められたり、相手が自分に興味を持っていることがわかると嬉しいものです。
基本的に編集とは、落としている要素があるわけです。どういった意図での編集なのかを相手に知ってもらえることは、ディレクターが本来やりたかったこと、時間の都合上泣く泣く落としたことを伝える機会でもあります。
当然、聞かれたディレクターは意気揚々で答えます。自分の仕事に興味を持ってもらえたことで誇りを持ち、意欲的に再度編集に取り組んでいくディレクター陣。なんという幸運のサイクルなのでしょう。
叱咤激励よりやる気スイッチをON
もしこれが、「なにこれ、ひどいね」「オマエはコレでもいいと思ってるの」「オレの顔に泥を塗るな」といった反応だったらどうでしょう。たとえ再編集の内容は同じだったとしても、確実に仕上がりのスピードは違います。そしてコンマ単位にはなりますが、編集のタイミングも若干変わります。なにより、制作陣が楽しんでやっているかどうかは、番組にもおのずと現れます。
人のやる気スイッチを押すには、これだけで十分なんですね。別に叱咤激励をしなくてもいいわけです。言われた方は、エンジンがかかったように仕事のスキルをあげてきます。その様子を見ていて、とても気持ちがいいものでした。
自分もそうやって人の気持ちをよくして、周囲の環境もいい雰囲気にできるでしょうか。どうにも自信はありませんが、なんとか頑張ってみたいものです。今回はどうにもイイ子ちゃんぶった内容ですみません。
モジョっこ