「住民力」で要介護を減らせ!ご近所が有償で生活サポートや体調管理

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   「住民力」を生かす介護保険制度の改革が始まっている。対象は利用者の約3割を占める「要介護1~2」の人たちで、これまで介護士やヘルパーなど専門職が行ってきた介護予防や生活支援に、資格を持たない住民たちが積極的に関わることが大きな柱だ。狙いは、自立した生活を促し、社会全体の負担を軽減していくことにある。

大阪・大東市「元気でまっせ体操」

   大阪・大東市はオリジナル体操「元気でまっせ体操」を広めようとしている。「高齢介護室」の逢坂伸子さんが考案したもので、躓いて骨折するなど高齢者の日常生活に潜むリスクを避けられるよう考えられている。市内に100以上の体操グループがあり、運営はすべて住民が行い、現在1900人ほどが参加している。

   効果てきめん。要支援1~2だった高齢者135人が体調が改善し、認定から外れた。この結果、要支援向けサービスの費用は2016年度に1億2468万円削減、今年度は2倍の2億4519万円の削減を見込んでいる。

   住民が高齢者の生活支援を行う「生活サポーター」制度も作った。サポーターは447人。30分の支援で250円からの報酬を利用者から受け取り、掃除や買い物代行、介護保険ではカバーできない庭の手入れ、ゴミ出し、ペットの散歩などきめ細かい対応をする。

   あらたな問題も出てきた。要支援1の男性は「施設に頼っている限り自立は進まない」と判断され、デイサービスの利用ができなくなり、病気が悪化して要介護5になってしまった。自立の成果をあげることに重点を置いた市側が、判断を誤ったのだろう。男性を診断した医師は「一人ひとりの病状を慎重に見極めて判断する必要がある」と改善を促している。

参加住民をどう増やすか

   全国に目を向けると、もっと根本的な問題もある。改革には住民参加と要支援1~2の人たちの自立への意欲が必要だが、住民参加が進まず、介護士やヘルパーの専門職が代行している現状がある。しかし、専門職の報酬は引き下げられており、支援を持続するのが困難な事業所も出てきた。

   武田真一キャスター「要支援の人たちを住民力で支え合う。この理念を実現するためには、さらにどんな仕組みが必要でしょうか」

   三菱UFJリサーチ&コンサルティングの岩名礼介・上席主任研究員「自治体だけで考えていてもだめで、住民や介護事業所の皆さんと一緒に話し合いながら決めていくことが本当に大事になります。住民の皆さんから見れば、自分の町に合ったものを自分たちで考えていける絶好のチャンスと捉えることが大変大事だと思います」

   支援する側の住民の中核になるのは時間にゆとりのある高齢者なので、「老老支援」ということになるのだろう。支援する側もされる側も、地域や世代により抵抗もあるのかもしれない。それを乗り越える意識改革が必要だ。

クローズアップ現代+(2017年7月19日放送「介護保険の大改革 住民力で費用を抑制!?」)

文   モンブラン
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