相模原「やまゆり園」凶行!仲間がいる・・・ネットで広がる植松聖の偏見・差別

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   入所者19人が殺害され27人が重軽傷を負った神奈川・相模原市の障害者施設「やまゆり園」事件から1年、海外の専門家は「ヘイトクライム(憎悪犯罪)」との共通点を指摘する。ヘイトクライムとは人種や宗教、同性愛者など性的嗜好の違う人たち、障害者などに対して、偏見や憎悪から引き起こされる犯罪だ。

   アメリカ・カリフォルニア州立大学のブライアン・レビン教授は、「多発しているアメリカのケースとかなり似ている」と、次のように分析している。「ヘイトクライムは人々の心の中のある特定の人々に対する偏見が、何らかのきっかけで社会に有害だとして、言葉や態度に現れ表面化することです。

   エスカレートすると、相手を排除することが社会に有益だと正当化し、最後は殺害に繋がっていきます。やまゆり園の事件の加害者も同じような過程をたどり事件を起こしています。危険なのは犯罪者の差別思想がネット社会で簡単に拡散されることです」

ヘイト書き込みのまとめサイトで拡散

   殺人罪などで起訴された元施設職員の植松聖被告(27)は、取り調べにも「障害者なんていなくていい」と供述していて、偏見に変化は見られない。「クローズアップ現代+」あての手紙にはこう書いてきた。「3年間勤務することで、彼らが不幸の元であると確信を持つことができました。殺そうと考えたきっかけは、やまゆり園で勤務しているときに見たニュースが始まりです。そこでISの活動とトランプ大統領の選挙演説が放送されていました。

   そのテレビを見ながら雑談している時、深い考えなく『この人達を殺したらいいんじゃないですかね?』と声にしました。一度しっかり考えてみると、重度・重複障害者を肯定することはできませんでした」

   植松は事件前にも、ネットにこうした発信をして賛同を求めていた。ネット分析が専門の東京大学の鳥海不二夫准教授は、事件後2か月間に投稿された「相模原」「障害者」などのキーワードが含まれる440万件の書き込み分析した。当初は植松に賛同する書き込みは100件ほどだったが、こうした書き込みだけを集めたサイトが次々開設されると、多いものでは閲覧数が18万回に達していた。鳥海准教授は「ヘイト発言がまとめられたことによって、仲間がたくさんいることが分かり、発言してもいいんだという空気感ができてしまった」と見る。

壊された「障害者と社会の信頼関係」

   自ら重度の障害を持ち、障害当事者の研究をテーマにネットで事件について発信している東京大先端科学技術研究センターの熊谷晋一郎准教授は次のように心境を話す。

   「私自身を含め、無力を自覚している障害者にとって、暴力は潜在的にいつ襲われるかわからない形で心の中にあります。それを、粘り強い周囲の人々や社会が育んでくれた信頼感によって、なんとか不安にならず平和に過ごしてきました。今回の事件はそういう信頼感を根こそぎ壊すような、そんな影響を及ぼしたと感じています」

   武田真一キャスター「ヘイトクライムに屈しないためにはどうしたらよいのでしょうか」

   熊谷淳教授「『役に立つか、立たないか』という基準と生存の基準は徹底的に切り離す必要があります。この当たり前のことの確認が、優性思想、あるいはヘイトクライムに屈しないためには必要だと考えます」

   だれでも自分の心の中に、植松の偏見に同調してしまうような部分があることに気付くことが必要だろう。

NHKクローズアップ現代+(2017年7月26日放送「シリーズ障害者殺傷事件の真実 "ヘイトクライム"新たな衝撃」)

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