2018年 5月 25日 (金)

福井・中学2年生の自殺の真相 担任や副担任の執拗な厳しい叱責だった

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   福井県の公立中学で今年春、14歳の生徒が校舎から飛び降り自殺した。担任と副担任の叱責に耐え切れず「どうしていいかわからない」と行き詰った挙句の自殺だった。

   教員による言葉の暴力で追い詰められ子どもが自殺する『指導死』が意外と多いという。福井で起きた自殺の調査報告書が15日(2017年10月)公表されたのを機に、『とくダネ!』がその真相に迫った。

   自殺があったのは福井県池田町の町立池田中学校。2年生の男子生徒が今年3月14日、校舎から飛び降り自殺した。この自殺に至るまでの詳しい経緯を記した有識者による調査委員会の報告書が15日公表された。

   報告書によると、亡くなった生徒が「学校に行きたくない」と家族に訴えたのは昨年5月に遡る。「副担任が宿題の未提出の理由を言い訳だとして聞いてくれない」と訴え登校を渋った。

   この日の午後、30代の男性担任が家庭訪問をした際に母親が「女性副担任を代えてほしい」と求めたのに対し、担任は「変えることはできないが、僕から副担任にちゃんと言っておきます」と答えたという。

   実は、この副担任は亡くなった生徒が小学校6年の時の家庭科の講師で、ミシン掛けで居残りをさせられることがあった。副担任は昨年4月に池田中に異動になり、再び生徒のいた2年を受け持つようになった。

   昨年10月には、マラソンの準備が遅れたことについて生徒会の副会長だった亡くなった生徒が今度は担任から厳しく叱責された。

   その怒られ方について目撃した他の生徒によると「身震いするほど怒鳴られていた」「可哀想に感じた」ほどで、亡くなった生徒は「どうしていいかわからない」と漏らしていたという。

   さらに翌月も生徒が宿題の遅れについて「部活動などのために遅れた」と話すと副担任は「宿題ができないならやらなくていい」と叱責。生徒は土下座までしようとして「やらせて欲しい」と訴えた。

   今年3月7日には「僕だけ強く怒られる、だから行きたくない。どうしたらいいかわからない」と泣きながら登校を拒否。自殺する前日の3月13日には再び副担任から宿題の未提出を巡り理由をただされ、過呼吸に陥ったという。

   こうした生徒とのトラブルについては校長や教頭にはその都度報告され、他の教員も把握していたにもかかわらず適切な対応を取らなかった。このため報告書では次のように結論づけた。

   「担任は副担任と一緒に、立て続けに厳しい叱責を繰り返し、生徒を逃げ場のない状況に置き追い詰めた。校長、教頭も事情を知っていた他の教員も生徒の気持ちを理解し適切に対応することはなく問題があった」

   報告書が公表された日、堀口修一校長は記者会見で「学校の担任、副担任の彼への不適切な対応によって彼を苦しめ、傷つけ追い詰めてしまいました。彼に対し本当に申し訳なくご家族の方に深い悲しみを与えてしまいました」と型通りの謝罪。自らの責任について触れることはなかった。

   亡くなった生徒の母親が16日夜報道陣の取材に応じ「教師によるいじめだと思っています」と涙を流しながら話した。一方、教育評論家の尾木直樹も「指導のレベルじゃなくて『いじめ殺人』と同じですね」と指摘する。

   キャスターの小倉智昭は「報告書を読んでこの中学生がどんな思いだったか泣けてきましたね、それほど強烈ですよ。せっかんしているとしても度が過ぎている」。

教師の暴言、暴力、叱責での自殺多い

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   番組にゲスト出演した教育評論家の武田さち子によると、教員の暴言や叱責で自殺して子供の『指導死』は1952年から今年2月まで73件、教員の暴力で自殺した子ともは18件に上っているという。

文   モンブラン | 似顔絵 池田マコト
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