2024年 4月 26日 (金)

安倍与党大勝で一気呵成に改憲か!?10月22日は戦後民主主義の瀬戸際デー

   週刊現代が「5600人調査を緊急実施 全選挙区の最終当落がわかった」と特集している。調査結果では、2019年10月に消費税増税を行うべきだと思う人が36.2%に対して、行うべきでないと思う人は51.3%。原発をゼロにすべきでないと考えている人は15.1%、ゼロにすべきだは78.5%と圧倒的。拮抗しているのは憲法改正すべきか否かで、すべきと考えている人が41.9%、すべきでないという人は38.3%だそうだ。

   週刊現代の予測では、自民が19議席減で269議席を獲得して絶対安定多数(定数465のうち261以上)に達するという。公明の33議席と合わせて自公で302議席を占める。希望の党は52議席で、現有の56議席から割り込む。立憲民主党は55議席(現有16)を獲得するという。日本維新の会は14から12、共産党は21から13に減るそうだ。安倍首相の大博打が、小池百合子都知事のオウンゴールに助けられて、想定外の大成功することになるようだ。

   こうした情勢を見て、選挙中に安倍首相は今年の暮れにも憲法九条改正に手を付けるといい出した。希望や日本維新も含めて改憲賛成派が圧倒的多数を占めることになりそうだから、発議されれば衆参であっという間に可決するだろう。国民投票になっても、改正反対派は劣勢のようだから、一気に成立する可能性が高い。

   投開票日の22日は日本列島を台風が襲うという予報だ。投票率が低くなり、組織を持っている自民、公明、共産に有利になるのだろう。天まで自公の味方をするのか。私の選挙区は共産が候補を立てず、自民、立憲民主、希望の3候補の競り合いで、立憲の候補がやや優勢のようだ。自民と希望には入れたくないから残るは1人だが、正直な気持ちとしては「安倍のバカ、小池のアホ」と書いて投票箱に放りこみたい気分だ。

   適菜収が新潮45の11月号「空っぽの独裁者『小池百合子』」の中でこういっている。<小池という空っぽの独裁者を、憲法の意味合いも理解していない極端にレベルが低い人々が持ち上げ、地獄へと突き進んでいるわけだ。(中略)

   要するに、日本人は政治をナメすぎたのだ。その報いは当然自分たちに戻ってくる。なぜこのような低級な詐欺にひっかかるのかと問うのは不毛だ。大衆は騙されたいのであり、縛られたいのであり、一貫した世界観にワクワクしたいのである。巻き添えを食うのは正常な人間だ>

   また、同誌で都民ファーストの会を抜けた音喜多駿都議もこう語っている。<僕には希望の党は選挙目当ての野合にしか見えません。しかも、都政の軽視も甚だしい。小池知事は、都政に専念したいという理由で都民ファーストの会の代表を降りました。その舌の根も乾かぬうちに国政政党を立ち上げたことが、僕にはどうしても納得できない。都政の投げ出しにはならないと言いますが、先月設置されたばかりの『築地再開発検討会議』の委員の1人が、希望の党の公認候補として引っこ抜かれました。そんなことで、築地再整備の議論が進むとは思いません。

   今後の都政は苦しい選択を迫られます。小池知事が派手にぶち上げた方針をどう収拾させるか。辛抱強く撤退戦を続けるしかない。そんな時、「しんがり」を務めるはずの都知事は、都政そっちのけで国政選挙に邁進している。首都のリーダーのすべきことだとは到底思えません>

   だが、困った。週刊現代で元参院議員の平野貞夫がいっているように、<「自公で300議席も見えるとなれば、少数者の権利は抹殺され、戦前より悪い国になる。議会政治が潰れるかどうかの瀬戸際ですよ。議会制民主主義の終わりになる>かもしれない。日本の民主主義を終わらせないために「清き一票」を誰に投票するのか、じっくり考えようではないか。

「米朝チキンレース」年明けにグアム向けミサイル4連発か

   週刊現代は防衛省現役幹部が「年明けに米朝開戦」になるといったと報じている。その根拠はこうだという。<「開戦が現実味を帯びてきたのは8月9日に北朝鮮の国営報道が『中長距離戦略ミサイル4発をグァム島沖に同時に発射する包囲射撃を慎重に検討する』と発表したからです。

   そこから3ヵ月は準備に必要だと考えると、最短で11月になります。

   しかし戦争を始めるには軍事的な準備の他に政治的な準備、国際協調も必要になります。そう考えると年内の開戦は難しいかもしれません。トランプ大統領もクリスマスシーズンは避けたいと考えているはず。一方、北朝鮮は1、2月になると急激に気温が下がってマイナス20度以下になり、社会的にも軍事的にも活動が鈍くなり、アメリカにとって有利なのです」>

   私は、北朝鮮がミサイルや核実験をするなら、トランプが来日する11月5日~7日の間ではないかと考える。日米両方の首脳の顔を潰す絶好のチャンスだからだ。疑問は、なぜこのような時期にトランプを呼ぶのだろう。

   安倍には、北朝鮮危機を煽って憲法改正を一気にやってしまおうという思惑が間違いなくある。口の軽いトランプは、それは日本人が決めることだとはいうだろうが、賛意は示すはずだ。そこに北朝鮮からのミサイルが太平洋上に落ちれば、日本中が「改憲賛成、北朝鮮を撃て!」と大合唱になる。これまで何度もいわれてきたことだが、「いつか来た道」へ逆戻りする日がついに来るのだ。

元TBS山口敬之「週刊文春リポート」に捏造疑惑・・・週刊新潮が詳細追及

   山口敬之元TBSワシントン支局長にレイプされたと、検察審査会に提訴した(結果は不起訴)ジャーナリストの伊藤詩織が「Black Box」(文芸春秋)を上梓した。週刊新潮はこの問題だけではなく、安倍官邸と親しい山口が週刊文春(15年4月2日号)に書いた、「歴史的スクープ! 韓国軍にベトナム人慰安婦がいた!」という記事が「ねつ造」であったと、8ページの検証記事を掲載している。

   山口のこの記事は、ベトナム戦争当時、韓国軍が南ベトナム各地で慰安所を経営していたという情報があり、これを追って散々苦労したが、アメリカ政府の資料によって裏付けることが出来たというもの。そこから<山口氏は退役米軍人やベトナム系米国人に取材し、彼らから慰安所の存在を認めたり、韓国軍の蛮行を論うような証言を得て韓国は歴史を直視するべきだと締め括る>(週刊新潮)

   これは山口がTBSにいる時に映像を撮り東京へ送ったが、「報道するに足る十分な裏付けがないと判断し、放送はしていません」(TBS)。その不十分なものを基に、週刊文春に「歴史的スクープ」だとレポートを書いたのだから、山口も山口だが、載せた週刊文春もどうかしているのではないか(露骨にはそうはいっていないが)と、週刊新潮は大特集しているのである。

   その当時、山口に頼まれてリサーチャーを務めていたのはグリーン誠子。彼女一人で資料を漁り、それらしい情報も集めてきた。だが、その情報を山口は精査したり、裏付けるアメリカ側の軍の高官たちにアポを取って証言してもらったりはしなかったようだ。週刊新潮によれば、取材はしたが、相手がいわなかったことをいったことにしたり、都合のいいように解釈していたというのである。

   驚くべきことに、山口は週刊文春の記事が出る前に、山口重夫駐米公使や佐々江賢一郎駐米大使とこのようなメールをやり取りしていたというのである。「産経記者が明日の朝刊で展開してから、午前の官房長官会見で、菅さんは、『20世紀に行われた人権侵害は、いつの時代のどの地域でも、しっかり検証していくべきある』という昨年の安倍総理の国連演説に沿ったラインで答弁します」

   菅官房長官と会見で何というかのすり合わせまでやっていたというのだ。

   読めばわかるが、週刊新潮がこの記事にかけた情熱と時間とカネは半端ではない。韓国に対して厳しいスタンスをとっている週刊新潮がここまで綿密な取材で裏を取り、この話に信ぴょう性はないと断定したのだ。これは山口に向けただけではない。週刊文春の掲載責任を問うているのだ。週刊文春は週刊新潮に対して、「少なくとも真実相当性があると判断し、記事掲載に至りました」と答えているが、それだけですむはずはない。週刊文春は独自にこの記事を自ら検証すべきだ、そう私も思う。

田中邦衛「認知症」車椅子で自宅と老人ホーム行き来

   週刊文春の今週のスクープは、お昼の情報番組「情報ライブ ミヤネ屋」の司会を10年以上務めている宮根誠司(54)が、フジテレビが来年4月から月~金の夕方に放送する情報番組へ「電撃移籍」するという話である。

   私は、宮根という司会者がどうも好きになれない。司会者というより、どこぞのチンピラ風情といった口調や身振りが、茶の間の視聴者をバカにしているように思えてならないからだ。失礼だが、彼は関西でこそ生きるキャラクターだと思う。日本の顔になるのは無理だろう。

   私は田中邦衛という俳優がとても好きだ。とくに『北の国から』の黒板五郎役は、脚本家の倉本聡は当初高倉健で考えていたらしいが、健さんだったらあれほどの国民的ドラマにはならなかったと思う。

   その田中をテレビなどで見なくなって久しい。認知症らしい、寝たきりだという噂があったが、女性セブンが車椅子だが老人ホームから時々は自宅に帰っていると伝えている。倉本は『北の国から』の続編をやりたいらしいが、それは無理としても、田中邦衛の演じる老け役をぜひ見てみたいと思うのは、私だけではないだろう。

神戸製鋼「第二の東芝」危機!取引先には公表の1か月前に通知

   週刊現代が神戸製鋼のデータねつ造問題をやっている。この問題が深刻なのは、アルミや銅だけではなく、鉄鋼製品でも不正が発覚して、本体だけではなくグループ会社まで広がり、どこまで行くのか先が見通せないことである。

   週刊現代によれば、日立製作所の経営陣に衝撃が走ったのは、今から約1ヶ月前の9月14日のことだったという。この日。取引先の神戸製鋼所から一報が入った。「御社に納入した製品の一部で、データ改竄したものがございました......」

   神戸製鋼がアルミ製品などのデータを改ざんしたことを公にしたのは10月8日だから、取引先各社にはそれ以前の9月から報告がなされていたのである。

   「それだけではありません。神戸製鋼の当初の説明では、2016年9月~今年8月に出荷した分について不適切製品があったということだったのに、記者会見で10年前からやっていたと突然言い出した。われわれとしては16 年9月以前に納入された分も追加で調査せざるを得なくなった」(日立社員)

   日立、三菱電機、JAL、横浜ゴム、大成建設など、神戸製鋼から不正製品が納入された先は約500社にも及ぶという。超名門企業が第二の東芝になるかもしれない。

知ったかぶりして恥かいてる名言の本当の意味 「初心忘るるべからず」の初心とは・・・

   週刊文春の「著名人がすがった『がん民間療法』」を見てみよう。医療機関で行われている「通常医療」に対して、一般人の間で広まっている治療を「民間療法」という。健康食品、食事療法、自然療法などがあるが、効くというエビデンス(科学的根拠)が乏しい上に、保険がきかないために高額になる。「患者を食い物にしている」と非難する専門医も多いようだ。

   では、なぜ効かない治療法を多くの人がやるのだろうか。人気のエッセイストだった米原万里(享年56)は、こう書いている。<正規の医療に対して代替医療と呼ばれているこの種の商品の多さに驚き、価格の、人の弱味につけ込んだ犯罪的な高さに腸が煮えくり返りながらも、拒みきれない自分が情けない>

   彼女は卵巣がん。米原は、抗がん剤をやればがんは小さくなるが、副作用で苦しむうえ、免疫力も奪ってしまうから嫌だ。代替医療は「わずかでも可能性があるなら、やってみるべきだ」と妹に語っていたという。川島なお美も小林麻央、忌野清志郎もさまざまな民間療法をやった。

   群馬県前橋市に緩和ケア診療所を開いた萬田緑平医師は、かつては民間療法に否定的だったという。だが、患者に抗がん剤を投与していた医師が、自分ががんになったとたんに民間療法にのめりこみ、「治るんだ」と、頭では治らないことがわかっているのに、さも効果があるように話しているのを見て、こう変わったという。<治りたい気持ちを捨てきれる人はいません。何も希望がないのは、ものすごいストレス。わずかでも希望があることで、あんなにも笑顔になれるんだったら、たとえ藁でもすがったらいいんじゃないでしょうか>

   ただ、そうした患者を食い物にして、効くはずのない療法を施したり、高額なものを買わせたりする「悪徳」な人間がいることも事実。また、そうした民間療法を影響力のある有名人が吹聴して、抗がん剤治療をやらずに命を縮めてしまうケースもある。私だったらどうするだろう。

   最後に週刊ポストの格言で締めよう。どれもよく知っているのだが、本当の意味を解っていなかったと、自分の無知を恥じた。「初心忘るべからず」は室町時代の能楽の開祖・世阿弥の言葉だ。これは世阿弥の書「花鏡」に記された言葉だそうだが、初心とは初々しさではなく、「芸が未熟だったころ」のことだという。

   福沢諭吉の「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」というのも、諭吉は続いて、人は本来平等なはずなのに、貧富の差や身分の差があるのはどうしてなのだろうと説き、「賢人と愚者と別は学ぶと学ばざるとによりてできるものなり」と続ける。だから学問をせよといいたかったので、「結果の不平等」については肯定しているというのである。聖徳太子の「和を以て貴しとなす」も、本来は「意見が異なるのは当たり前だから、よく話し合え」という意味だという。熟議せよということで、波風を立ててはいけないという意味ではないそうだ。

   「児孫のために美田を買わず」は、子孫に財産を残そうと、私利私欲に走るようでは志を果たせない。全てのものを犠牲にせよという自分自身への戒めだという。政治家どもに聞かせてやりたいものである。「武士道と云うは、死ぬことと見つけたり」は『葉隠』の一節だが、人間は誰しも生きて死ぬという無常観についての言葉で、それを前提にして「自分の思うように生きよ」と説いているそうである。

   【蛇足】先週から秋のG1が始まった。今週は「菊花賞」。絶対当たらない予想をちょこっとだけ。道悪のディープインパクト産駒は信頼性に欠ける。したがって◎キセキ、○アルアイン、▲ダンビュライト。△はサトノクロニクル、ベストアプローチ、サトノアーサー。連ヒモの大穴でスティッフェリオ。GOOD LUCK!

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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