2018年 8月 14日 (火)

「ケネディ暗殺」CIA謀略かソ連の指令か?捜査文書公開で新たな謎

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   アメリカのケネディ大統領が暗殺されたのは54年前の11月22日。先月(2017年10月)、その捜査文書ケネディファイル」が公開された。4万点あるとされているが、公開されたのは3万点で、残る1万点は「安全保障上の問題」から非公開とされた。アメリカ最大のミステリーはいまだ闇の中だ。

   ケネディの後を引く継いだジョンソン大統領は調査委員会を設置し、そのウォーレン報告書は「元海兵隊員のジョリー・ハーベイ・オズワルドによる単独犯行で陰謀はなかった」とした。しかし、さまざまな陰謀説が広がった。

「フルシチョフが命じた」CIA元長官の新証言にも疑問

   いまも事件の真相を追い続けているジャーナリストがいる。ワシントン・ポスト紙のジュファーソン・モーリー記者で、「オズワルドはCIA工作員だったのではないか。ケネディ暗殺はCIAが関与していたのではないか」という見方を深めている。今回公開された文書の中に、当時のヘルムズCIA副長官への尋問調書があった。「CIAが大統領の暗殺に陰謀を持ってかかわっていたのではないかという疑問について尋ねます」「オズワルドはCIAの工作員だったという情報があったのではないですか?」と聞かれていて、モーリー氏は「捜査にあたった政府関係者ですら、CIAの関与を疑っていたのです」と話す。

   CIA関与を裏付ける証拠として、暗殺事件が起きる以前からCIA情報員のジョージ・ジョアニーデスという人物がオズワルドを監視していた事実も見つかった。当時、ソ連の支援を受けるキューバに対する対応を巡ってCIAとケネディ大統領の間に確執があったという。暗殺が起きる前年の1962年10月にはキューバ危機が起き米ソ対立は危機的状況にあった。

   ジェームズ・ウールジー元CIA長官はNHKの取材に応じ、こう語った。「ケネディ暗殺にCIAがかかわった証拠は今のところありません。しかし、東ヨーロッパの複数の諜報機関トップから得た情報として、ソ連の最高指導者フルシチョフがケネディ暗殺を命じたのです」「しかし、フルシチョフは暗殺を実行すると米ソによる核戦争に発展しかねないと考え、計画を直前で中止した。KGBは命令に従ったが、オズワルドだけは実行してしまったのです」

   オズワルドはソ連への亡命したことがあり、キューバのカストロ支援活動を行っていて、KGB暗殺部門とも連絡を取りあっていたという。結局、オズワルド単独犯説に行きついてしまうこの証言には、なぜオズワルドを止められなかったのかなどの疑問が残る。

公開されなかった1万点の資料・・・何が書かれているのか

   ゲストのデープ・スペクター(放送プロデューサー)は「陰謀説はすべて仮説。54年もたっても、はっきりした証拠は出てこないんです。陰謀説そのものが一つのビジネスになっているなんです」

   国際政治学者の藤原帰一(東大教授)は「まだ大きなものが出たとはちょっと言えないですね。安全保障上の問題という条件を付けて非公開にしたら、いつまでたっても公開されません。結果的に政治不信とか陰謀説を長く続けさせてしまうことになるでしょう」

   民主主義の政治においては、国や政府の情報の公開は基本である。トランプ大統領は残る文書についても公開を検討しているという。期待したい。

*NHKクローズアップ現代+(2017年11月12日放送「ケネディ暗殺 元CIA長官の"新証言"」)

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