火に油そそぐトランプ大統領 エルサレムへの米大使館移転準備を指示

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   トランプ米大統領が6日午後(2017年12月、日本時間7日未明)エルサレムをイスラエルの首都と正式に認め、国務省に米大使館をテルアビブからエルサレムに移転するよう準備を指示した。

   中東情勢の不安を煽るとして国際社会が認めてこなかった大使館移転。さっそくパレスチナが猛反発し大規模抗議を呼び掛けるなど不安な動きが広がっている。では、なぜトランプ大統領は火に油をそそぐような決断をしたのか。

   エルサレムはキリスト教、イスラム教、ユダヤ教の聖地。とくにユダヤ教徒のイスラエルとイスラム教徒のパレスチナが互いに首都を定め、帰属を巡って争ってきた。

   このため国際社会は「エルサレムの帰属はイスラエルとパレスチナの和平交渉で決めるべきだ」とし、米歴代政権も1996年に決めた米大使館のエルサレム移転を延期してきた。

国内向けのメッセージ

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   トランプ大統領はこの時期に転換した理由についてアメリカ政治に詳しい上智大学の前嶋和弘教授は「国内向けのメッセージだ」と次のように解説する。

   「トランプ大統領の共和党支持者の中にはイスラエルを支持するかなり強い宗教保守の人たちがいる。その人たちに向かってのメッセージですね。アメリカのメディアもクリスマスから正月にかけてこの1年を振り返る。その中でこの話題は必ず出てくる。メディア効果を狙ったんですよ」

   この決定はさっそく世界中に不安感を与え、サウジやエジプトなどアラブ諸国で構成されるアラブ連盟は「3億6000万人のアラブ人と15億人のイスラム教徒の怒りに火をつけるもの」と強い言葉で非難している。

   東京株式市場では、このトランプ決断による中東の不安拡大を先取りし6日の日経平均終値では前日比445円34銭安の2万217円04銭と今年最大の下げ幅を記録した。

   司会の加藤浩次は「これって自分の保身でしょ。イスラム過激派を勢いつかせることになる」。

   国際ジャーナリストのモーリー・ロバートソンは「極めて乱暴な決定。キリスト教右派の支持者を喜ばせるためだけの行為で、その代償としてアメリカの中東諸国における正当性がこれで消失する危険性がある。アメリカでテロが起きるとすればこれが遠因になると思う」。

   マッチポンプのような火遊びがいずれ凶と出る可能性が高いと批判する。

文   モンブラン | 似顔絵 池田マコト
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