もう読んだ?「君たちはどう生きるか」80年前と酷似してきた世の中の息苦しさ

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   出版不況といわれるが、約80年前に書かれた小説を原作とするマンガ「君たちはどう生きるか」が130万部を超す異例の大ヒットとなり、若者たちの間で広がり続けている。

   吉野源三郎によって書かれた原作小説は日中戦争がはじまった年に出版され、主人公は「コペル」という愛称を持つ中学生だ。コペルくんは友人関係やいじめなどに悩み、どう生きるのかを自問自答する。その折々、叔父さんや母親の言葉で、よりよい人間になるためのヒントを得るといった内容だ。

   若い世代に広まったきっかけのひとつが、モデルで女優の池田エライザさんがSNSで60万人以上いるフォロワーにすすめたことだった。「ものの見方や自分の意見も変わってくる。ワタシ自身がそうだった」(池田エライザ)

   マンガ版の作者の羽賀翔一さんは、学校や教室、自分の家など、誰にとっても身近なところに考えるべき問題が生じる点に注目したという。「(吉野が)教室という狭い場所に限定して書いたからこそ、時代をこえて共感しやすくなっていると思う」

原作者・吉野源三郎「自由に考え、大切に生きろ」

   ブームの前から「君たちはどう生きるか」を事あるごとに紹介してきたジャーナリストの池上彰氏はいまと80年前が似ているという。「(80年前は)同調圧力のような、重苦しい雰囲気になっていましたよね。ちょっとでも政府の方針に反すると、売国奴とか非国民とか、そういうことを言われたわけです。

   いま何か政府を批判すると、それだけで『反日』とレッテルをはられる。ネットで炎上したり、若者も空気を読む。まわりを見て忖度して息苦しい思いをしてるのではないでしょうか。当時と共通したものがあるのかなと思います」

   原作が書かれた当時、日本では言論、思想が厳しく統制されていた。吉野はそんな世の中に危機感を抱き、自由に考え、生きることの大切さをこの本に込めていたという。

*NHKクローズアップ現代+(2018年1月9日放送「2018新たな時代へ "君たちはどう生きるか"」)

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