仮想通貨580億円「犯人VS追跡ホワイトハッカー」息詰まるネット攻防
2018.03.02 16:08
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途中で持ち主が変わったか?換金手口が変化
こうしたホワイトハッカーの追及を尻目に、犯人は換金に動き出したようだ。察知したのは「Cheena」のハンドルネームを持つ20代の男性で、注目したのはNEMのメッセージ機能だった。NEMは移動する時に一緒にメッセージを送ることができる。Cheenaは犯人のメッセージを見つけ、そこには「NEMを15%引きで売る」とあり、末尾に「onion」の記載があった。onionはダークウエブである。相場より安く売りさばくことで、流出した580億円相当の4分の1にあたる150億円相当がこれまで交換されたとみられている。
ネットセキュリティー専門家の楠正憲氏は犯人像をこう分析した。「時間がたてば対策が進むので、(流出から)最初の数日が換金の大きなチャンスだったと思います。その時点で動きが小さかったので、単独犯か少人数のグループと思っていましたが、途中から一気に換金が進み、組織的な動きになっています。流出したNEMの持ち主が代わったかなという印象を受けます」
新たな段階に入ったホワイトハッカーVS犯人の攻防。捕まえることはできるのだろうか。
*NHKクローズアップ現代+(2018年2月28日放送「ハッカーvsハッカー!仮想通貨・知られざる攻防」)
文
モンブラン