2018年 5月 27日 (日)

〈レディ・プレイヤー1〉
日本のオタクをこよなく愛するスピルバーグ監督の遊び心が詰まった大傑作! 夢をありがとう!

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映画「レディ・プレイヤー1」(C)2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED
映画「レディ・プレイヤー1」(C)2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED

   2045年。すべての想像が現実となるVR世界オアシス。荒廃した現実世界に生きる人々にとって、そこは唯一残された理想郷だった。17歳の少年ウェイド・ワッツも、そんなオアシスに居場所を求める一人だ。ある時、オアシスの創始者であるジェームズ・ハリデーは、遺言として「イースターエッグ」を見つけ出した者に、オアシスの権利と、莫大な遺産を託すと宣言する。世界中の人々がこの権利を巡って、「イースターエッグ」を探す壮大なゲームに参加する。オアシスを乗っ取ろうとする巨大企業IOI社も出現し、人々は企業の陰謀に巻き込まれていく。スティーブン・スピルバーグが監督を務めるSF超大作。

「AKIRA」「メカゴジラ」「ガンダム」「三船敏郎」...

   まず初めに、この作品を見て強く感じたこと。それは物語の主人公は他でもない、スピルバーグ監督本人なのだろう。だからこそ、遊び心に富んだ夢のような共演が実現したのだ。オタク心をくすぐる思考は、スピルバーグ監督ならではのもの。キングコングやT-レックスが襲いかかってくるカーレース。車は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のデロリアン。バイクは「AKIRA」の金田バイク。アイアン・ジャイアントを乗りこなし、波動拳を繰り出すウェイドのアバター。そして、メカゴジラとガンダムの二大スターが戦いを繰り広げる。

   三船敏郎がモデルのダイトウ。彼が日本語で言い放った「俺はガンダムでいく」というセリフ。このセリフにどれだけスピルバーグの思いが込められていただろうか。その思いに見ているこちらも、心が震えた。物語の終盤で、オアシスの創設者ジェームズ・ハリデーが、幼い頃の自身の姿で登場する。子供部屋で一人、テレビゲームにふけっていたハリデー。彼の口から語られる幼少期の思い出は、コミュ障で、いつもビクビクおびえていたというものだった。もしやスピルバーグ監督もそうだったの? と監督とハリデーを重ね合わせた時、偉大な映画監督の、少年のままの心をのぞいたようで涙がこぼれてしまった。

    おもむろに机の中や、引き出しをゆっくりと探し回り、イースターエッグを探すハリデー。「僕のゲームを楽しんでくれてありがとう」と言って、エッグをそっとウェイドに差し出す。できればそれは、ずっと子供の頃の彼が持っていて、見つかって欲しくないとさえ思った。

   最後に、この作品の中で特に印象深いセリフを紹介したい。IOIの社長であるノーラン・ソレントが、ウェイドを丸め込もうと、偽オタクに成りすまして近づくシーンがある。しかし、あっさりとウェイドは見破ってしまう。彼は言った。「オタクはニオイでわかる」と。そうなのだ、これは映画やゲームを愛するスピルバーグ監督と、監督が愛する日本のオタクたちのための映画だ。スピルバーグ監督、夢をありがとう。

オススメ度☆☆☆

PEKO

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