2024年 4月 27日 (土)

命の危険!「記録的短時間大雨」8日まで続く!直ちに避難してください

   普段は川底が見える京都・加茂川が、激しい雨で遊歩道も飲み込んで、四条大橋の橋げたに迫る勢いだ。流木がドンと橋脚にぶつかる鈍い音がする。キロクアメが迫っているという。

   この夏の気象がおかしい。関東甲信越は観測史上最も早い梅雨明けとなった。東京では10日連続で真夏日となり、台風7号と太平洋高気圧に挟まれた梅雨前線が、梅雨がないはずの北海道に大雨を降らせ、河川があちこちで氾濫している。西日本を中心にキロクアメがすでに15回を数える。

   キロクアメとは記録的短時間大雨情報のことだ。昨年(2017年)、死者40人、不明2人を出した北九州豪雨では、24時間にキロクアメが19回も発生して、1時間に129ミリという凄まじい雨が降った。集中的な雨は行き所がなくなり、穏やかな河川が牙をむく。

気象庁のHPで最新情報チェック

   どう身を守ったらいいのか。気象庁のホームページには、自分が置かれた危険度を判断できるデータが配信されている。「洪水警報の危険度分布」は、全国約2万の河川の危険度がリアルタイムで出ている。生中継されたいた加茂川は氾濫警戒、その西の淀川水系は氾濫危険とあった。

   15時間先までわかる「降水短時間予報」もある。四条大橋のたもとで、リポーターが実際に端末でチェックする。現在地ボタンを押すと加茂川あたりに印が入った地図が表示され、現在の雨量は20ミリ以上を示す黄色だ。時間ボタンを動かすと、3時間後にはやや少ない青色になるが、6時間後にはまた黄色に変わる。避難の目安になるわけだ。

   他にも、「雨雲の動き」「土砂災害の危険度」「浸水害の危険度分布」などさまざまな指標がわかりやすく出ている。気象予報士の渡辺蘭さんは「便利ツールを大いに活用してください」という。今回の雨は8日(2018年7月)の日曜日まで長く続くので、注意が必要です」と注意を呼びかけた。

気象予報士・斉田季実治「『大気が不安定』は危険の接近」

   名古屋大の坪木和久教授は「北海道には梅雨がないという気象の時代は終わったのかもしれない」という。何が変わったのか。東京大海洋大気研究所の木本昌秀教授は「シルクロード・テレコネクション」「海水温の上昇」というキーワードを出した。シルクロードに沿って蛇行する偏西風に沿った低気圧、高気圧が、梅雨前線にいつもと違う状況をつくる。また、地球温暖化で日本列島の南方の雲の動きが活発になっている。

   木本教授「これまでの経験は通用しません。うちの川は大丈夫というのはダメ」という。気象予報士の斉田季実治さんは、青空に浮かぶ夏雲の写真を見せた。「この雲の先端が積乱雲にならないかどうかも注意して」「キャスターが『大気が不安定』といったら天候の急変に注意」「気象庁のツールを活用して、自分から情報を取りにいかないといけない」という。

   *NHKクローズアップ現代+(2018年7月5日放送「"キロクアメ"に異例の猛暑 この夏どうなる?」)

文   ヤンヤン
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