「万引き」「痴漢」がやめられない!WHOが精神疾患と認定・・・ストレスや心の傷から逃れようと繰り返し
犯罪処罰か、治療か・・・「痴漢外来」に通い続ける38歳男性
武田真一キャスター「犯罪として罰すべきか、病として治療すべきか。どう見極めるのかですね」
犯罪心理学者の筑波大・原田隆之教授はこう言う。「われわれは、犯罪か病気かって二者択一では考えてないんですね。大前提は犯罪であるということですから、処罰をすることは必要ですけれども、ただ、再犯率の高さを考えると、処罰だけでは効果に限界があるということですね。ですから、今まであまり光が当たってこなかった病気という側面、これに光を当てて、治療することによって再犯率を減らせるのではないかと、考えています」
その治療法だが、原田教授が治療プログラムを組み治療を実践している精神科クリニック「痴漢外来」がある。強迫的性行動症と診断された38歳の男性もここに通って4年になる。男性がその治療法の一つを説明した。
「電車に乗って『やばい』となった時に、目を閉じて耳に集中し、雑音を4つ数えます。電車の音とか、新聞のガサガサという音だったり。そっちに集中している間に、問題行動に対する思考を完全に断ち切る」のだという。こうした19の目標を掲げ、毎日実践した結果、男性は再犯から遠のいている。
原田教授は「われわれの病院では10年近く治療をやっており、500人ほどの患者が参加しています。1年間のフォローアップで再犯しないで済んでいる患者は、96%に達しています」と話す。
犯罪を止めたくても止められない病に苦しむ加害者やその被害者を増やさないためにも、病という側面にもっと光を当てる必要があるのだろ。
*NHKクローズアップ現代+(2018年7月18日放送「万引き・痴漢という"病"~刑罰だけでなく治療も~」)