2019年 7月 24日 (水)

<いつだってやめられる 7人の危ない教授たち>
大学じゃ食えない教授たちが始めたドラッグビジネス!大当たりで巻き起こる大騒動・珍事件

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   ところ変わっても、雲や霞はお金にならないというのは、教授の卵たちの共通の悩みらしい。高学歴ワーキングプアという言葉がメディアに出てきたのは、10年前くらいだったか。博士号を取り終わったものの、助教までの道のりは遠く、非常勤講師をかけもちしながら自分の研究への助成金に願いを託す。その惨状はイタリアでも同じらしい。

  • (C)2014 Fandango - Ascent Film Srl
    (C)2014 Fandango - Ascent Film Srl

専門知識生かして「事業」拡大

   37歳にしてやとわれ講師のピエトロの専攻は、神経生物学だ。ずっと取り組んできたアルゴリズムの解明に成功し、画期的な研究成果の足掛かりを得たと自負しているものの、専門性の高い研究内容は認められにくく、本人は典型的な職人気質で学内政治に疎い。頼みの助成金が下りず、講師としての契約も取れず、志半ばにして大学を追い出されてしまう。

   そんなとき、粗悪なパーティードラッグが高値で取引されていることを知る。イタリアでももちろん麻薬売買は犯罪だが、禁止薬物リストにまだ登録されていない合成物であれば・・・。向精神薬や興奮剤の化合を元素レベルで理解しているピエトロは、合法ドラッグビジネスを立ち上げる。

   合法麻薬の配合はピエトロ、同じく化学系の元講師が製造を担当し、ビジネスモデルやプライシングは数学者、売買窓口は言語学者と心理学者と、かつては研究で身を立てることを志しながら、夢破れてその日暮らしの元大学教員がギャング団を作る。

   ピエトロらが作る合法スーパードラッグは瞬く間に世を席巻する。しかし、急激なビジネスの拡大は仲間内の感覚を狂わせただけでなく、知らぬ間に本物のギャングの縄張りを荒らしていた。

イタリアらしいおかしみと哀しみ

   学者たちの困窮、最高学府のインテリジェンスを合法ドラッグビジネスに注ぎ込むという皮肉のきいた筋書き、あれよあれよという間に大きくなるビジネスと仲間割れ、遊びなれていない教授の滑稽の描き方が巧みだ。イタリア・ゴールデングローブ賞の最優秀コメディ賞を受賞したのも納得である。ピリリときいた風刺と皮肉、そしてドタバタ劇のおかしみ、哀しみ、あっという間の105分だった。

   研究に邁進しているだけでは偉くなれないという不条理、お金になりそうな研究でないと後ろ盾が付きにくいという、アカデミズムの事情にも改めて思いをはせたい。

ばんふぅ

おすすめ度☆☆☆

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